Lenovo Legion Y740(15) に Ubuntu18.04.4 LTS をインストールする手順を記します.
機種と構成
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Lenovo Legion Y740(15)
- Intel Core i7-9750H (2.60GHz, 12MB)
- 32GB PC4-21300 DDR4 SDRAM SODIMM (16GBx2)
- 1TB SSD
- GeForce RTX 2080 Max-Q 8GB GDDR6
インストール対象
- Ubuntu18.04.4 LTS
- NVIDIA Driver
注意事項
- Windows10 がインストールされている状態から始めます.
- Ubuntuをクリーンインストールし,Windowsとのデュアルブートにはしません.
- Autowareをインストールしたいことが背景にあり,その方法は別記事にまとめます.
- 本記事ではLive USBを使用します.PXEブートが使える方は,以下の手続きの一部を改変すればそのまま使えると思われます.
手順1 Live USBの作成
こちらなどを参考に,Ubuntu 18.04 LTSのLive USBを作成します.
作成し終わったら,Live USBを本体(Y740)に刺しておきます.
手順2 Bios編
Ubuntuをインストールするための準備を行います.
起動時にF2キーを連打してBIOSメニューに入ります.
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Configuration
タブのController Mode
を,RST mode
からAHCI mode
に変更.- RST(Rapid Storage Technology)というのは,通称IRSTまたはIntel RSTと呼ばれ,SATAのディスクをAHCI対応チップセットでいい感じに動かしてくれるコントローラです.
- AHCI(Advanced Host Controller Interface)とは、SATA接続のストレージとコンピュータ本体の通信を制御するコントローラの仕様の一つです.
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Security
タブでSecure Boot
をDisabled
に変更- secure bootは対応するOSが限られていたり,OSの起動に障害を発生させやすいので無効にするのが無難です.実際,Y740ではこれを有効にしているとUbuntuが起動しませんでした.
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Security
タブでIntel Platform Trust Technology
をDisabled
に変更
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Boot
タブでLive USBを一番上にもってくる(私の場合はLinpus lite
でした)
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Exit
タブからExit Saving Changes
を選択して,BIOSを抜ける.
手順3 GNU編
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Install Ubuntu
にカーソルをあわせ、e
キーを押す - 矢印キーで移動しつつ,
quiet splash
をnomodeset
に書き換える- nomodesetとは,kernel mode settingを無効にする設定のことです.技術的には色々あるらしいのですが,とりあえず画面の表示が変なときはnomodesetにするとよくわからんけどうまくいく,と認識しています.
- ctrl+Xで起動
- Ubuntuのインストール画面が表示されたらひとまず成功です.上記の手順のどれか一つでも怠ると,私の環境では正しくこの画面が表示されませんでした.
手順4 ubuntuインストール編
適当で大丈夫です.こちらなどを参考にしつつインストールしてシャットダウン.
手順5 初回起動編
インストールしたUbuntuを起動するときも,nomodeset
の設定をする必要があります.(nouveauを無効にしても同じだと思いますが,ここではnomodesetを設定します)
- 起動時にF2を連打してBIOSメニューへ.
- USBメモリがついている場合は起動時の優先度を下げておく.
- BIOSを抜けて起動中に
ESC
を連打してGNU GRUB
の画面に行く.- もし,ESCを連打しすぎてGRUB shellまで行ってしまった場合には,
normal
を入力してEnter
後にesc
を押すとGRUBメニューに戻れます.
- もし,ESCを連打しすぎてGRUB shellまで行ってしまった場合には,
- GRUBに行けたら、
e
を押して、quiet splash
となっているところをnomodeset
に書き換える. - 書き換えたら、Ctrl-xで起動.
おめでとうございます!起動完了です.
しかしこのままでは起動の度にnomodesetを指定することになるので,ファイル/etc/default/grub
の中のbootパラメータを以下のように書き換えます.
#GRUB_CMDLINE_LINUX=""
GRUB_CMDLINE_LINUX="nomodeset"
以下のコマンドで反映します.
sudo update-grub
念のため,再起動して画面が正しく映ることを確認してみるとよいでしょう.
手順6 NVIDIAドライバのインストール
- インストール時に日本語を指定した場合は,最初にドキュメントなどの日本語を英語に直しておきます.
LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
- packageのアップグレードを行います
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
- 公式ページにて、使用したいドライバーが対応している最新バージョンをダウンロード
- ダウンロードしたファイルの実行に必要なものをインストール
sudo apt-get install build-essential
- ダウンロードしたファイルを実行(ファイル名の
NVIDIA-Linux-x86_64-440.82.run
はダウンロードしたものに変更してください) - この時, --no-opengl-files, --no-libglx-indirect, --dkmsを指定します
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--noうんたら
の指定が足りないとログインループにハマったり,--dkms
が足りないと再起動するたびにnvidia driverが無効になったりします.
chmod +x ./NVIDIA-Linux-x86_64-440.82.run
sudo ./NVIDIA-Linux-x86_64-440.82.run --no-opengl-files --no-libglx-indirect --dkms
- 再起動後に,GPUの稼働状況が確認できればインストール成功です.
nvidia-smi
以上です.