はじめに
Claude Codeを使っていますか?
多くの人は「チャットでコードを書いてもらうツール」として使っていると思います。でも、Claude CodeにはHooks、Skills、MCP、Subagent、Memory、CronCreateという6つの拡張機能が用意されています。
これらを組み合わせると、Claude Codeは単なる「AIコーディングツール」から**「24時間自動で開発を続けるシステム」**に変わります。
私は非ITの公務員ですが、この7つの仕組み(LLMルーティングを含む)を組み合わせることで、1人で20以上のプロジェクトを同時開発・運用しています。月額コストは$180です。
本記事では、それぞれの仕組みを「何ができるか」「どう役立つか」を図解付きで紹介します。
全体図
7つの仕組みの関係はこのようになっています。
では、1つずつ解説します。
1. LLMルーティング — AIを使い分けてコスト82%削減
Claude Codeは標準だとSonnet(高価)だけを使います。しかし、普段の開発は安いAIでも十分なことが多いです。
私は3つのAIを使い分けています。
| AIモデル | 使う割合 | 役割 | コスト感 |
|---|---|---|---|
| GLM-5.1 | 85% | 日常の開発・コード生成 | 安い(通勤用の軽自動車) |
| MiniMax | 14% | GLMが失敗した時の予備 | 安い(代車) |
| Sonnet | 1%未満 | 難しい判断が必要な時だけ | 高い(スポーツカー) |
結果: Sonnetだけだと月$1,000以上かかるところを、$180/月に削減(82%オフ)。
自動車で例えると、GLMは「通勤用の軽自動車」(安くて十分)、MiniMaxは「軽が壊れた時の代車」、Sonnetは「高速道路を飛ばす時のスポーツカー」です。普段は軽で十分ですが、必要な時だけスポーツカーを使います。
2. Hooks — 自動で見張る5人の番人
Hooksは「特定のタイミングで自動的にスクリプトを実行する」仕組みです。AIが危険な操作をしようとしたら止めたり、作業ログを自動で取ったりします。
5種類のHooksを設定しています。
| 種類 | タイミング | 何をするか |
|---|---|---|
| PreToolUse | ツールを使う前 | 19種類の危険コマンドをブロック(rm -rf *等を防止) |
| PostToolUse | ツールを使った後 | 作業内容をCSVファイルに自動記録 |
| SessionStart | セッション開始時 | 前回の続き情報を表示(ハンドオフ) |
| Stop | セッション終了時 | 日記に終了時刻を自動追記 |
| Notification | エラー発生時 | Discordに通知を送る |
工場の「安全管理者」です。作業員が危ない機械を触ろうとしたら止め、作業が終わったら記録を残し、トラブルが起きたら連絡します。
3. Skills — 再利用可能な「手順書」
Skillsは「よく使う作業手順をテンプレート化して、いつでも呼び出せる」仕組みです。
| Skill名 | 何をするか |
|---|---|
| TDD(テスト駆動開発) | 「テストを先に書く → コードを書く → テストを通す」の流れを自動実行 |
| 体系的デバッグ | バグを見つけた時の「原因特定→修正→確認」の手順をなぞる |
| コードレビュー | コードの品質をチェックする手順書 |
| プラン執行 | 計画を立てて、1つずつ確実に実行する |
料理の「レシピ集」です。「カレーを作る時はこの手順」「パスタを作る時はこの手順」と決めておけば、毎回ゼロから考えなくて済みます。
4. MCP — 15の外部ツールを1カ所に統合
MCP(Model Context Protocol)は、Claude Codeから他のサービスを直接操作できる仕組みです。
| ツール | 何ができるか |
|---|---|
| Brave Search | Web検索して最新情報を取得 |
| GitHub | Issue作成、PR確認、コード検索 |
| Playwright | ブラウザを自動操作してスクリーンショット撮影 |
| Discord | メッセージ送受信、通知 |
| Context7 | 最新のライブラリドキュメントを取得 |
| Exa | 精度の高いWeb検索 |
| GLM / MiniMax | 安価なLLMをツールとして呼び出し |
「万能リモコン」です。TV、エアコン、照明等、別々のメーカーの機器を1つのリモコンで操作できるようなもの。
5. Subagent — 複数の作業を4つ同時に実行
Subagentは「独立した複数のタスクを、4つ同時に別々のAIに頼める」仕組みです。
自分が1つずつ順番にやると4時間かかる作業が、4つ同時に進めれば1時間で終わります。
実際の使い方の例:
- 「コードレビュー」と「テスト実行」と「バグ調査」を同時に頼む
- 3つのプロジェクトのコードレビューを同時に実行
- 技術調査を3方向に同時に並行探索
「4人の部下に同時に別の仕事を頼む」ようなものです。
6. Memory — セッションをまたいで覚えている
Memoryは「前のセッションで話した内容を、次のセッションでも覚えている」仕組みです。
Claude Codeはセッションを閉じると会話を忘れます。しかし、Memoryに記録しておけば、次に開いた時に「この前ここまでやった」と引き継げます。
3種類の記憶を保存しています。
| 種類 | 何を覚えているか | 具体例 |
|---|---|---|
| ユーザー情報 | 属性や好み | 「結論ファーストが好き」「専門用語は初出時に説明」 |
| フィードバック | 過去に指示した方針 | 「featureブランチ禁止」「settings.json変更時はSSOTも更新」 |
| プロジェクト | 進行中の作業の文脈 | 「NexusCoreはv8.2.5」「reserve-optimizerはPhase 4-3完了」 |
毎回違うバイトの店員が来るコンビニで、「いつもの」と言うだけで通じるシステム。店員は毎日代わるけど、お客さんの好みは記録されています。
7. CronCreate — 人が寝ている間も開発が進む
CronCreateは「指定した時刻に、AIが自動でタスクを実行する」仕組みです。
実際に稼働している自動タスク:
| スケジュール | 何をするか |
|---|---|
| 5分ごと | ドキュメントの自動コミット&push |
| 毎時 | 各プロジェクトの自律開発ループ |
| 毎日0時 | その日の日記テンプレートを自動生成 |
| 週3回 | ナレッジリント(情報の整合性チェック) |
「工場の夜勤」です。日中は人間が指示を出し、夜間は自動で工場が動き続ける。朝起きたら、夜の間に部品ができあがっている状態。
まとめ:7つを組み合わせるとどうなるか
| 状況 | 何が起こるか |
|---|---|
| 開発中 | GLMが安くコード生成 → Hooksが危険操作を防止 → Memoryが文脈を維持 |
| 作業を分けたい時 | Subagentが4つ同時に別タスクを実行 |
| 調べたい時 | MCPがWeb検索・GitHub検索・ブラウザ操作を即座に実行 |
| 決まった手順 | Skillsが「TDD」「デバッグ」等の手順を確実に実行 |
| 夜間・外出中 | CronCreateが自動で定期タスクを実行 |
| コスト管理 | LLMルーティングが$180/月に抑える(通常$1,000+) |
結果: 1人で20以上のプロジェクトを同時に開発・運用できる環境が完成しています。
おわりに
Claude Codeは「チャットでコードを書くツール」では終わりません。Hooks、Skills、MCP、Subagent、Memory、CronCreateを組み合わせることで、一人開発者でも小規模な開発チームに匹敵する生産性を引き出せます。
特に重要なのはLLMルーティングです。安いAIをメインに使うことで、コストを抑えながら大量の開発を回し続けることができます。
「AIツールは高いから…」と諦めている方は、ぜひルーティングの導入を検討してみてください。$180/月でも、ここまでできるということの参考になれば幸いです。
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ガイド版: Claude Code 武器庫ガイド(クイックリファレンス版)
本記事は個人Zennでも公開しています。