この記事はLTS Group Advent Calendar 2024 の24日目の記事として執筆しています。
こちらの記事と同じPJに関する記事になっておりますので、是非ご一緒にどうぞ!
https://qiita.com/gai_gai/items/d57310197c9a8af38e4b
1. はじめに
初めまして!@fukuchang0523と申します!
今年の11月から製造業のERP刷新PJに参画している新卒コンサルで、日々情報の波に揉まれながらたくさんの課題、タスクと闘っております。
今の主な業務内容は新規BIツールへの移行支援で、現在使用しているシステムから出力されている100を超える帳票を、新しく導入するBIツールであるDr.Sumから出せるようにしよう!更にBIツールの利便性をエンドユーザーに広めて全社的なデータ利活用を促進しよう!といったことをやっています。
そんな中、何か面白い記事書いてくれませんか?とお誘いをいただき、今回の記事の執筆に至りました。ご指名ありがとうございます
というわけで今回は、Dr.Sumで帳票を出力するための定義ファイルを作成していく中で学んだ色々な機能について、簡単にではございますが紹介していきたいと思います!
2. Dr.Sumとは?
Dr.SumとはWingArc1st社の、企業のデータ活用に必要な機能を提供しているデータ分析基盤です。
主に以下3つの機能に分かれており、
- データ連携ツール
業務システムとデータマートを繋ぐために同期や加工を担うモノ - 分析用データマート
データを蓄積、集計、各種処理を行うモノ(Dr.Sumエンジン) - ユーザーインターフェイス
ユーザーがデータをいじくりまわすところ。
Dr.Sum DatalizerというWeb上やExcel上で分析や集計が行える専用ツールを用いて集計や分析を行ったり、
MortionBoard、Tableau、PowerBI等のBIツールを用いてより高度な分析・可視化を行うことができる
私は3の中のDatalizer for Excelを使用して、様々な帳票の定義ファイルを作成しています。
3. Dr.Sum Daralizer for Excelの基本操作
Dr.Sum Datalizer for Excel はExcelのアドインとしてインストールすることができ、Excelを介してDr.Sumエンジンにアクセスし、そこにあるデータベースの特定のビューを参照して、見たい項目を並べることで集計することができます。
見た目はExcelのピボットテーブルに近く、ノーコードでドラッグ&ドロップのみで代替の操作が可能です。(ちなみに私は11月頭までピボットテーブルの扱いを一切分かっていませんでした。)
下記画像のように項目一覧にある様々な項目をレイアウト設計のフィールドに持って行くだけで、任意の切り口で集計することができます。
試しに計上組織、品目を列項目に、売上計上日を行項目に、明細数量を集計項目に置いて、どの事業所がどの商品を、どれだけの数売り上げたのかを、売上日ごとに集計してみます。
(品目が多すぎて見づらかったので、中分類を項目に置きました。品目コードのようなものだと思ってください。)
右下の集計実行ボタンを押下すると、下のように集計結果が新しいシートとして出力されます。
何やら2024年5月1日に色々売れてるな~って感じですが、これではあまり示唆が得られませんね。
これを色々調整していい感じの帳票にしていきたいと思います。
4. 帳票を見やすくするための様々な機能
4.1 事業所ごとの売上数量合計を見る
28行目に総合計が表示されています。全体でどれだけ売り上げたのか?がわかりますが、各部署でそれぞれどのくらい売り上げたか?も知りたいですよね。
部署ごとの売上数量を集計するには、列項目のフィールドにある「合計」の所のプルダウンを変更してあげる必要があります。
ここでのポイントは、部署ごとで集計したいから部署(計上組織コード)の合計を表示にしよう!と設定しても上手く集計されないところです。
「合計を表示にした項目」が集計されるので、計上組織ごとではなく、計上組織そのもので売上数量が集計されてしまいます。つまり、28行目の総合計が表示されるというわけですね。
今回は部署ごとに売り上げた「品目」の合計が見たいので、品目(中分類)の合計を表示にします。
合計の設定を変更し、再度集計実行を押下すると、集計結果が下のようになりました。
各部署がどの数量売り上げたかの合計を見ることが出来るようになりましたね。
4.2 月ごとの売上を見る
2行目にある行項目の売上計上日がバラバラの日付で、大分見づらくなっています。
これらを月ごとで集計するように変更したいと思います。
行項目のフィールドにある「売上計上日」を右クリックすると、「日付の分割/集約」というのがあります。
クリックすると下のようなウィンドウが表示されます。左のプルダウンで「年/月(2段)」を選択し、適用を押下した後、再度集計実行を押下します。
すると下のように、各月ごとに各部署がどの品目をどれだけ売り上げたのかが表示されるようになりました。
最初に比べると大分帳票っぽくなってきたのではないでしょうか。
4.3 特定の月、特定の商品についての情報を抽出する
帳票の要件によっては単月の実績のみ見たかったり、特定の商品についてのみ見たかったりするので、そういった絞り込みが出来るように、抽出条件を設定していきます。
Excel上部のリボンに「抽出条件」というボタンがあるので押下すると、下のウィンドウが表示されます。ここで抽出条件を設定していきます。
どの項目に対して抽出条件を設定するかも、左側の一覧からドラッグ&ドロップするだけで選択できます。
設定したい項目を選んだら、右上にあるエンピツと紙のボタン(編集)を押下します。すると下のウィンドウが表示されるので、ここで詳細な抽出条件を設定していきます。まずは売上計上日からです。
今回は○年○月~○年○月の範囲で絞り込めるようにするため、基本情報の演算子は「範囲内」に、
直接条件を打ち込むより範囲選択できた方が便利なので、画面設定の画面出力タイプは「入力項目(年月範囲)」にします。
次に品目の絞り込みを行えるようにします。同じように編集から入り、設定していきます。
品目はリストから選べるように、基本情報の演算子を「リスト内」に、画面設定の画面出力タイプを「リスト項目(複数選択)」にします。
次に、選ぶ対象を設定するために、データパターンのデータベースマークのボタン(データ一覧)を押下し、どの項目を抽出条件にするかを選択します。
左に品目(中分類)の一覧が表示されるので、選択項目のエリアにデータをドラッグ&ドロップすると、それが選択肢として選べるようになります。
状況によるとは思いますが、基本的には全部選択項目に入れちゃうことが多いのではないかと思っています。
これで抽出条件の設定は完了です。集計実行時に抽出条件画面が表示されるようにする必要があるので、最初の画面の左下のチェックボックスにチェックを入れるのを忘れないように気を付けてください。
Excelシートの画面に戻り、集計実行を押下すると、下のような抽出条件設定のウィンドウが表示されるようになります。
今回は4つの品目が、2024年5月~2024年6月でどれだけ売れたのかを見てみましょう。
このように、抽出条件を設定することで、見たい情報のみを抽出することが出来ました。
5. おわりに
今回はDr.Sum Datalizer for Excel を使用して売り上げをまとめた帳票を作成してみました。
時間の都合で超基本的な操作のみをまとめましたが、他にも項目名を変更したり、より複雑な抽出条件を組んだり、ノーコードやSQL文を使用してカスタム項目を追加したり、様々なことが出来ます!
まだまだ勉強中の身で私が知っているよりもっと良い方法もたくさんあると思いますが、これからDr.Sumを触るけど右も左も分からない…という人に少しでも参考になれば幸いです。
また機会があれば他の機能もTips等でまとめられたらと思います。
お読みいただきありがとうございました!