はじめに
本稿はTeams、SharePoint Onlineにおいて自組織以外のユーザとコラボレーションするための設定を記したものです。
顧客、ベンダーと自社のSharePoint、Teamsでコラボレーションしたい、ファイルを共有したいという場合の設定です。
設定方法
条件
- ゲストユーザーは特定のドメインのみ
- ゲストユーザーとコラボレーションするのは特定のSharePointサイト、Teamsチャネルのみ
AzureAD(初回のみ)
Azure Active Directory admin centerで設定を行います。これは1回のみの設定です。
ダッシュボード - External Identities - 外部コラボレーションの設定をクリックします。
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ゲストユーザーのアクセス
当社では「ゲスト ユーザーのアクセスは、各自のディレクトリ オブジェクトのプロパティとメンバーシップに制限されます (最も制限が多い)」を設定しています。これで問題無いと思います。 -
ゲスト招待の制限
ゲストを誰が招待出来るかの設定になります。
「ゲストと非管理者を含む組織内のすべてのユーザーがゲスト ユーザーを招待できる (最も包括的)」だとゲスト含め誰でも招待ができてしまうようです。
「メンバー アクセス許可を持つゲストを含むメンバー ユーザーと特定の管理者ロールに割り当てられたユーザーがゲスト ユーザーを招待できる」これは例えばSharePointサイトの管理者であれば、ゲストユーザを招待できるようです。メンバーやゲストユーザはゲストユーザを招待出来ないようです。
「特定の管理者ロールに割り当てられているユーザーのみがゲスト ユーザーを招待できる」「管理者を含む組織内のすべてのユーザーがゲスト ユーザーを招待できない (最も制限的)」これは管理者ロールを付与されているひとのみゲストユーザを招待できるようです。最も制限的ですが、ゲストユーザを招待する度に管理者に依頼しなければなりません。 -
コラボレーションの制限
「招待を任意のドメインに送信することを許可します (許可の範囲が最大)」これはドメイン制限無く、ゲストユーザーとして招待できるようです。
残り2つはホワイトリストorブラックリストでドメインの制限を行うことができます。通常であればホワイトリストで制限をかけた方が良いでしょう。
AzureAD(許可するドメインごとの設定)
この設定は許可するドメインが増えた(減った)場合の設定になります。引き続きAzure Active Directory admin centerの「外部コラボレーションの設定」で設定を行います。
上記の「コラボレーションの制限」でドメイン指定の設定を行った場合、許可(拒否)するドメインを指定することが出来ます。
ドメインを追加(または削除)して、最後に「保存」ボタンをクリックして終了です。
SharePointの設定
SharePointサイトにゲストユーザを招待するには、SharePoint管理センターでサイト毎に設定します。
SharePoint管理センターのメニューからサイト - アクティブなサイトをクリックしてサイトの一覧を表示します。
サイト名をクリックすると、右側にサイトごとの設定画面が表示されます。
ポリシーをクリックし、「外部共有」の下の編集リンクをクリックします。
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外部共有
「新規および既存のゲスト」を選択します。 -
外部共有の詳細設定
「ドメインごとに共有を制限する」をチェックして許可するドメインを追加します。
Teamsの設定
Teams管理センターで許可するドメインの設定を行います。Teamsの場合はチャネルごとの設定は出来ないようです。
左メニューの組織全体の設定 - 外部アクセスをクリックします。許可(ブロック)するドメインを追加します。
これで設定は完了です。
ゲストユーザーの招待
ゲストユーザーが出来ること
- ゲストユーザーはOffice Onlineを使用することが出来ます。
- ゲストユーザーMicrosoft365ライセンスは必要ありません。
ゲストユーザーの招待
ゲストユーザーを招待したいSharePointサイトを表示します。
画面右の↓からはゲストユーザーは招待することができません。
画面右側の歯車マークをクリックして、サイトのアクセス許可をクリックします。
「Advanced permissions setteings(高度なアクセス許可の設定)」をクリック。
「Team site メンバー」をクリック。
新規をクリックし、ユーザの追加をクリック。
招待したい外部ユーザのメールアドレスを入力してください(複数可)。最後に「共有」ボタンをクリックするとゲストユーザーに招待メールが送られます。ゲストユーザーは招待メールにログインの方法が記載されているので、そのとおり行います。
Teamsの場合は、組織内のユーザーと同様の手順で招待出来ます(SharePointで招待した場合でもTeamsでの招待も必要)。
ゲストユーザーのAzureAD上の状態
ゲストユーザーを招待すると、AzureAD上ではゲストユーザー用のアカウントが作成されます。
ユーザープリンシパルでは"#EXT#"という文字列が付与され、ユーザータイプはゲストになります。アカウントを削除すると、そのゲストユーザーは共有が解除され、再度招待する必要があります。
ゲストユーザ永続的セッションブロック
ゲストユーザーのセッションを強制的に削除することが可能です。
Azure Active Directory admin centerを開きセキュリティ - 条件付きアクセスをクリックしてポリシーを追加します。
上図の場合は5日後にログインセッションが切れ、再度ログインし直す必要があります。
アクティブなユーザーは5日間隔でログインし直すので、AzureAD上のログイン履歴に残ります。使用していないゲストユーザーはログイン履歴が残らないので、それを条件にしてゲストユーザーを棚卸しすることが可能だと思います。