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Oracle AI World 2026 Keynote: Now That AI Works, What Are We Going to Do With It? を聞いて

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はじめに

2026年10月26日から28日までラスベガスで「Oracle AI World 2026」がおこなわれました。
数多くのセッションが開催されましたが、その中で2日目朝の基調講演、CEOのClay Magouyrk氏による「Now That AI Works, What Are We Going to Do With It?」を聞いて気になった点について、まとめや所見などを記載します

メディア分野

意外でしたが、最初はメディア分野の統合アプリケーション郡「Oracle Media Fabric」の発表でした。
本記事では詳細は割愛しますが、

  • 画像・動画生成モデルと制作環境
  • 視聴者に近いエッジ側で処理をおこなうコンテンツ配信技術
  • ライブ配信中に視聴者ごとにパーソナライズされた動画をリアルタイム生成するサービス

が発表されました。
昔と異なり、今はいろいろなものがパーソナライズされる時代になってきています。
AIの力によって、今まで出来なかったレベルでパーソナライズできるようになってきていますね。

セキュリティ分野

AIの時代になり、セキュリティ分野はどんどん変わってきています。
Oracle社が2年前に「AI changes everything」と言いましたが、まさにその通りになってきています。

AIに対する権限管理

AIチャットでは、AIを誘導して機密情報を盗み出したりする「プロンプトインジェクション」などが生まれました。
悪意のある利用者がいることを前提にし、AIに過度なアクセス権を与えないようにしないといけません。

そしてAIエージェントの時代になり、AIが自律的に動くようになりました。
必ずしも人間の思い通りにはならず、AIが悪意のあるコードを埋め込むこともありえます。
そのためAIエージェントに対する厳密な権限管理が必要です。
これまで人間に対しておこなってきた、認証・認可・権限管理といったものを、AIエージェントに対して実施していく必要があるわけですね。
そして、human in the loop、つまり、最終的な判断は人間によっておこなう必要があります。
しかし、AIが人間になりすますことも考えられます。そのため、実行しているのが人間なのかAIなのかも検証する必要があります。
こういった状況に対し、以下のサービスが発表されました。

Biometrics

人間が実行していることを検証するために、顔、指紋、声の生体認証が追加されました。

Agentic IdentityとJust in time access

エージェントに対するIAMといったものが追加される予定です。(EARLY SPRING 2027)
数が膨大になることが想定されるエージェントのIdentity管理をおこなえるようになります。
また、エージェントに与える権限は、エージェントが処理をする時だけでよく、処理が終われば不要になります。
そこで、短期間の権限を付与する仕組みも追加される予定です(SPRING 2027)

脆弱性対応

2026年10月のPHPの脆弱性は大きな影響を与えていますが、それ以外にも数多くの脆弱性が発見されるようになってきています。
これにはAIによる脆弱性の発見がおこなわれていると言われており、私たちは攻撃者よりも早く脆弱性を発見し、修正する必要があります。

Oracle AI Security Mesh

Oracle AI Security Meshの発表がありました。
こちらは各種AIエージェントが連携してその企業固有の情報を参照しながらシステムを分析し、脆弱性を発見し、修正してくれるということです。
「探索エージェント」がシステムを分析して攻撃の仮説を立て、「脆弱性エージェント」が弱点をテストし、「攻撃経路エージェント」がさらに深堀して、機密情報にアクセスできてしまうといったことを発見するようです。
そして修正案を提示してくれるので、それをもとに実際のコードを修正します。
その後は正しく修正されたどうかを検証してくれます。
また、実施した内容は学習され、固有の知識として蓄積されるということです。
企業固有の情報を使い、さらに学習されていくということで、より適切な検証が期待できます。
なお、こちらはOpenAI社との協業によって開発されているということです。

データを守る

これまではデータにアクセスするのは人間か、人間が作成したアプリケーションでしたが、これからは大量のAIエージェントがアクセスしてきます。
そのため、アプリケーションだけでデータを守るのは限度があります。
アプリケーションを通さず直接MCPなどからDBアクセスすることも増えていくと思います。

Deep Trust AI Architecture

アーキテクチャと名前にあるように、設計指針のようなものが発表されました。

  • セキュリティアップデートが短い頻度で自動適用されるAutonomous AI Databaseを使い、脆弱性にすぐに対応する
  • Oracle AI Databaseの「Oracle Deep Data Security」機能を使い、エンドユーザーの権限に応じて行レベル列レベルのアクセス制御をおこなう
  • 任意のSQLを発行させず、「Oracle Deep Trust Data APIs」を利用して、限定されたアクセスをさせる
  • 自然言語で質問したいユーザーに対しては「Oracle Deep NL2SQL」を利用して、業務知識や継続的な学習に基づく精度の高いSQLを生成させる
  • 「Oracle APEX AI Application Generator」を利用して自然言語で記述したアプリケーションをAPEXlangに変換し、信頼できる実行基盤であるOracle APEXで実行する(APEXは20年以上の実績のあるローコードツールです)

Autonomous AI Databaseはフルマネージドサービスゆえの制約事項はあるのですが、セキュリティ面から言えばこれに勝るものはないと思います。

インフラストラクチャ分野

様々なベンダーとの連携が発表されました。
マルチクラウドもそうですが、最近のOracle社は多くの選択肢を用意しているなと感じます。

チップ

各種チップのOCIへの導入が発表されました。

  • NVIDIAの「Vera Rubin」
  • Googleの「TPU v8」
  • AMDの「MI455x」
  • OpenAIとBroadcomの「Jalapeno」
  • Cerebras、SambaNova、Positron

Acceleronとストレージ

Acceleronの記事を以前執筆しましたが、この技術をフロントエンドネットワークでも利用し、ストレージ接続にRDMAが利用できるということです。
ここでも各種ベンダとの連携が発表されました。

  • NetApp、WEKA、VAST、CLODDIAN、Oddn、HAMMERSPACE

Acceleronは何十万台のGPUクラスタのような巨大AIネットワークに欠かせない技術ですが、このような発展があり、今後も楽しみです。

様々なデータのAI活用

今回いろいろなセッションで聞いた言葉のひとつに「オントロジー」というものがあります。
オントロジーは決まった定義はないようですが、「ビジネス上の概念、それらの関係性などを構造化し、AIに文脈(コンテキスト)を理解させるための仕組み」といった感じのものになります。

Oracle AI Data Platform (AIDP)機能追加

AIエージェントを正しく働かせるにはデータベース内の情報だけでなく、社内Wikiやチャット、メールなどあらゆるデータを必要とします。これらのデータからオントロジーを生成する機能が Oracle AI Data Platform (AIDP)に追加されるということです。(November 2026)

Snowflake on OCI

SnowflakeがOCIで利用できるようになることが発表されました。
ただ使えるというだけでなく、ファーストパーティサービスということで、OCIの他のサービスと同様、Universal Creditsを使って利用できます。
また、Snowflakeを単体で利用できるだけでなく、Fusion Cloud ApplicationsやNetSuite、Oracle AI Databaseなどとの統合が計画されているようです。
既にSlowflakeを導入されている企業は、そのデータも活用しながらOCIが利用できるようになります。
いろいろなものがOCI上で使えるようになっていきますね。

OpenAIとの協業

既に記載した「Oracle AI Security Mesh」の他に、あと2つOpenAIとの協業サービスが発表されました。

Oracle App Composer

アプリケーションのOCI上でのデプロイ、必要な人への共有、運用などをおこないます。
例えば業務部門が公開したアプリケーションに対し、IT管理者はアプリケーションのデータを覗き見ることなく、管理をおこなうことができます。
作るだけならコーディングエージェントだけで作れますが、それをエンタープライズで使うためにはこのような安全な運用等を支援するツールが必要になると思いますし、エンタープライズに強いOracleらしい製品だと思います。

Oracle AI Workspace

ChatGPTのインタフェースからOracleのFusion Applications、NetSuite、Oracle AI Database、Oracle AI Data Platformや、SlackやOffice365など対応可能なサードパーティツールへアクセスすることができます。
質問された内容に対して接続された各システムから情報を集め、許可された処理を実行します。
例えば仕入先の遅延により製品が納期に間に合わないアラートに対し、AIがDB内の仕様書から代替品を特定し、会議議事録から顧客の受入要件、チャットから倉庫の空き状況を収集して「Fusion Agentic Applications」と「Fusion Claw」で回復計画を立案、承認後に発注変更を実行し、さらにそのワークフローをApp Composerで再利用可能なアプリに変換するといったことができるということです。
画面は私たちが普段使っているChatGPTの画面の右半分が「Oracle AI Workspace」になっているような画面でした。通知もChatGPTからきていました。本当に統合されていますね。

サム アルトマン登壇

最後にOpenAI CEOのサム アルトマンが登壇しました。
AIの進歩が信じられないほど早く、さらに加速していること、誰もがアプリを作るようになったこと、生産性が2倍になったこと、仕事が楽しくなったとよく聞くことなどを語っていました。
また、これまではアイデアはあっても実現が難しかったことが、今はコンピュータに話しかけるだけで実現していくようだといったことを語っていました。

そして、企業が今すぐAIで行うべき最も重要なこととしてCodexによる開発よりもAIによるセキュリティ脅威の理解と対策を挙げています。
「Oracle AI Security Mesh」等で攻撃者よりも早く脆弱性を発見し、修正していく必要がありますね。
Oracle社には頑張っていただいて、少しでも早いサービスインを期待したいです。

※余談ですが、サムアルトマン登壇時の拍手の多さにちょっと悔しがっているクレイがかわいかったです😊

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