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Organization

Google Jamboardを使って週次ふりかえりを続けている話

皆さんのチームは、ふりかえりをしていますか?

私のチームでは、Google Jamboardを使ったオンラインでの週次ふりかえりを実施しています。今の形式に落ち着いてから20週ほどが経ったので、一つの区切りとして記事にまとめることにしました。

同じような環境に置かれているチームにとって、一つの参考になればと思います。

前提(チームが置かれている環境)

コロナ禍以降、基本的にチームの全員が在宅勤務をしています。

2020年12月現在、チームの人数は10名です。2枚のピザを囲める人数を超えているので、普段は大きく2つのチームに分けて運用しています。このため、放っておくと、「チームの誰が何を知っているのか」が見えにくくなるケースが増えてくる可能性があります。これを防ぐため、週次ふりかえりについては、チーム全員で集合しています。

また、現在のチームメンバーは、複数の事業所にまたがって構成されています。このため、仮に事業所に出社していたとしても、ふりかえりはオンラインでおこなう必要があります。

ふりかえりの形式

毎週金曜日の午後3時から、30分間かけて実施しています。

時間になったら、指定されたGoogle JamboardGoogle MeetのURLにアクセスします。

全員で同じスライドを見ながら、ビデオ通話するイメージです。

Google Jamboardのスライドは、1週あたり1スライドを使っています。
スライドの背景には、下の画像を貼ります(ペイントで3分くらいで作ったものです)。

retrospective-background.png

ふりかえりの流れ

基本的な流れとして、用意したスライドに対して各自でふせんを貼っていきながら、雑談するというスタイルで進めています(画像は、実際のふりかえりの内容を元にしたフィクション・仮名です)。

image.png

「誰が書き込んだのか」がわからないため、ふせんの文章には書いた人の名前を添えるようにしています。毎回入力するのが、ちょっと面倒ですが。

先週末に書いた目標を振り返る(5-10分)

まず、先週末に書いた目標をふりかえるところから始めています。先週ぶんのスライドの「来週の目標」に貼られているふせんについて、左から順番に「どうでしたか?」と話を振っていきます。

このとき、目標が達成できていたら、みんなで喜びます。しかし、目標が達成できていなかったとしても、基本的にダメ出しはしません。

その理由は大きく2つです。

まず、目標を達成できなかった理由は、必ずしも本人の行動の問題によるものとは限りません。差し込みの発生など、チームを取り巻く環境が原因かもしれません。また、先週末に書いた目標の達成よりも、もっと価値のある内容に取り組んでいたからかもしれないからです。

もう一つの理由は、何よりもまず、自発的に目標を設定することに価値があると考えているからです。ダメ出しが、自発的な目標設定の妨げになることは避けなくてはいけません。

よい目標を判断する唯一の基準は、その目標を目指す人が自発的に設定したものかどうかということだ。
目標が何かしらの役に立つためには、自分が価値を置いているものの表れとして、自分の内から発するものでなくてはならない。
(中略)
目標が役に立つかどうか、あなたがより大きな貢献をする助けになるかどうかを判断する唯一の基準は、あなた が自発的に設定したかどうかだ。

マーカス・バッキンガム; アシュリー・グッドール. NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘より引用

学習マトリックス(上4つ)を埋める(10-15分)

メインのふりかえり手法には「学習マトリックス」を採用しています。

よかったこと、続けたいこと

「よかったこと、続けたいこと」は、多くのふりかえり手法に共通する型です。KPT法ではKeepに相当し、Fun Done LearnではFunに相当します。主にこの欄から挙げていき、今週のできごとを可視化しています。多くのふせんが貼られるため、ほかに比べて広い面積を用意しています。

ちなみに、ほかの人が貼ったふせんにコメントしたいときは、小さな別のふせんを(角度を変えて)重ねています。

変えたいこと

「変えたいこと」は、今週、チームが直面した問題を可視化する欄です。

注意点としては、最初にこの欄から考えてしまうと、思考がネガティブになりやすいことです。このため「できるだけ他の項目から先に考えるようにしましょう」としています。

新しいアイデア(気付き)

その週における発見や、新しく学べたことを書く欄です。

性質上「よかったこと、続けたいこと」と被る内容も多いです。複数の項目をまたぐ内容の場合は、図の境界線上にふせんを配置しています。

感謝したい人、こと(具体的に)

学習マトリックスで特徴的なのが、この項目です。感謝を伝え合うことによって、チーム内外の関係性の向上を図ります。

この欄は、具体的に名前やシーンを挙げての記載を推奨しています。単純に、名前を挙げて感謝されると嬉しいですよね?また、いつ、どの行動について感謝されたのかがわかると、「そのような行動をこれからも心がけよう」という気持ちになれます。

チーム外の人に対する感謝については、どこかで直接伝える機会を考えたりもします。

来週の目標を考える(5-10分)

開始から20分を経過した頃から、ふりかえりのまとめを意識し始めます。

ふりかえりのまとめは「次のアクションを決めて終わらせる」のが一般的ですが、学習マトリックスには、アクションを具体的に決めるための活動は含まれません。このため、アクションを決める方法として、一人ひとりの目標を自分で設定します。

このとき、「ただの『TODOリスト』(≒特に意識しなくてもやらざるを得ないこと)になってしまってはいけない」としています。「TODOリスト」は、すでに決まっている仕事を記録しているだけのケースが多く、自発的に設定したものとは言いづらいためです。

また、アクションが具体的でないと、なかなか最初の一歩が踏み出せません。このため「やろうと思えば、すぐにでも着手できるような目標を書く」としています。

なお、ここで書く目標は一人一つ以上なら何個でも良いとしていますし、プライベートに関する目標でも構わない、としています。上限があるせいでせっかくのアイデアを捨てるのはもったいないですし、たとえば「来週はプライベートが忙しい」ということも、チーム運営にとっては必要な情報だと思うからです。

目標設定はいつでも追加・修正してよいものですが、週次ふりかえりのまとめとして目標を考えることで、自然に目標を追加できるのではないか?と考えています。

まとめ

Google Jamboardを使った、オンラインでの週次ふりかえり手法を紹介しました。現在の私のチームでは、週次の目標設定と、学習マトリックスを組み合わせたふりかえりをおこなっています。

毎週のふりかえりを通して、チームビルディングやチームを取り巻く問題の発見、社内勉強会への出席や講師の立候補などの目標設定も実現できています。

ただ「これが一番よいふりかえり手法だ」というわけではなく、そのときのチームの成熟度や環境、その目的によって最適な手法は異なります。私のチームも、誕生当初は心理的安全性が低かったため、不安ゾーンからラーニングゾーンに引き上げるべく、単純なFun Done Learnを実施するところから始めました。

ふりかえりを拡張する「ふりかえりチートシート」では、84種類ものふりかえり手法を紹介しています。こちらに目を通して、いまの自分のチームに合っていそうな手法を試してみるとよいと思います。

最後に

この記事は「Develop fun!」を体現する Works Human Intelligence Advent Calendar 2020の7日目の記事として書かれました。この記事が「はたらくを楽しく」の助けになることを願っています!

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