この記事について
ふりかえりの手法を1つずつ紹介していきます。
ふりかえりをより楽しくしていくためにお使いください。
出典
この内容は ふりかえり読本 学び編~経験を力に変えるふりかえり~ 6章(6.2) で紹介しています。
出典(原典)
Esther Derby・Diana Larsen・角 征典(訳)(2007).アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き.オーム社。
こちらを参考に、ファシリテーションテクニック等を汎化したものが本記事となります。
実施例
目的・ねらい
「よかったこと、続けたいこと」「変えたいこと」「新しいアイデア・気付き」「感謝」の4つの質問をすることでカイゼンを促します。このアクティビティで特徴的なのは「感謝」です。感謝を伝え合うことによって、チームの関係性の向上が図れます。
所要時間
20分~30分
ステップ
「よかったこと、続けたいこと」「変えたいこと」「新しいアイデア・気付き」「感謝」の4つの軸で、意見を記入します。
まずは「よかったこと、続けたいこと」「新しいアイデア・気付き」「感謝」の3つに対して意見を出し、チーム内で共有します。最後に「変えたいこと」を考えていきます。意見を付箋に書いて共有、を繰り返しながら、マトリクスを埋めていきます。
意見が多い場合は、全員のアイデアをそれぞれ読み上げることはせず、眺めるだけで共有の効果は得られます。ただし、感謝だけは読み上げて共有したほうが、チームビルディングの効果は高まります。
事前準備・道具
フリップチャート・ホワイトボードを4つのセクションに区切っておきます。また、4色の付箋を用意しておくと、それぞれのセクションが記載しやすくなります。
ファシリテーションのポイント
意見を出す順番には気を配りましょう。最初に「変えたいもの」を出そうと考えると、ほかのポジティブな意見が出にくくなってしまいます。
「変えたいもの」に関しては、問題点を挙げるだけでなく、前向きに変えたいことを挙げるようにすると、実験に富んだアイデアを集められます。ふりかえりがより前向きでポジティブなものになっていくでしょう。
このアクティビティは、アクションを具体的に決めるための活動は含まれません。別途アクションを決めるためのアクティビティを組み合わせましょう。
バリエーション
単純に4軸を考えるのではなく、事前に時系列に出来事や感情を収集しておき、そのデータを4つの軸に分類してみる、という手法でも活用できます。チームの好みに合わせてカスタマイズしてみてください。
他の手法を知るには
Qiita - ふりかえりを拡張する「ふりかえりチートシート」 で様々な手法を紹介しています。