はじめに
SSI(Self-Sovereign Identity)、DID(Decentralized Identity:分散ID)、VC(Verifiable Credential:検証可能な資格情報)について調べるうちに、多くの専門用語や複雑な概念が登場し、理解するのが難しいと感じました。
これらの仕組みをできるだけシンプルに、わかりやすく解説してみました。
① DID(分散型識別子):デジタルの名前
💡 DIDとは、インターネットの世界で使う「特別な名前」
🔹 学校の世界:
- 君の名前は「ひなた」
- クラスでは「1年1組のひなた」って呼ばれる
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🔹 デジタルの世界(DID):
- インターネット上では「did:example:12345abc」みたいな特別で1つしかないIDがもらえる
- このIDは、ひなた だけが使えるもので、他の人が勝手に変更することはできない
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💡 ポイント💡
✅ 学校が決める名前ではなく、自分のDIDを自分で持てる
✅ 名前(DID)は、誰かが勝手に消したり変えたりできない
② Verifiable Credentials(VC):デジタルの学生証💳
💡 VCとは、DIDを使ってもらう「デジタル証明書」
🔹 学校の世界:
- 学校および先生が「ひなたは、1年1組の生徒です」という学生証をくれる
- 君は学生証を持って、図書館で見せる
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🔹 デジタルの世界(VC):
- 先生(Issuer) が「did:example:12345abcは小学1年生です」というVCを発行してくれる
- 君(Holder)はVCを**デジタルの財布(ウォレット)**にしまっておく
- 図書館の先生(Verifier)が、君のVCをチェックして「本当に1年生か?」を確認できる
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💡 ポイント💡
✅ デジタルの学生証(VC)は、デジタルで持ち歩ける
✅ デジタルの学生証(VC)には、君のDIDが書いてあり、本物かどうか確認できる
✅ 改ざんできないので、先生が発行したことを誰でも確かめられる
③ DIDとVCを使うと、学校に連絡しなくても図書館で本が借りることができる📚
🔹 学校の世界(従来の方法):
- 1年生しか借りられない本を借りたいとき、図書館の先生が学生証の内容が本物か学校の先生に確認する必要がある
🔹 デジタルの世界(DIDとVCの組み合わせ):
- 図書室の先生は、君の デジタルの学生証(VC)をみれば1年生かどうかわかる
- 学校に問い合わせしなくてもOK
💡 なぜ?💡
✅ 君のDIDは 君だけのもの
✅ VCは先生が発行した証明書(改ざんできない)
✅ 図書館の先生は、VCの電子署名を確認するだけでOK(学校に連絡しなくてもよい)
④ SSI(自己主権型アイデンティティ):自分でIDを管理できる仕組み🔐
💡 SSIとは、「自分の証明書を自分で管理し、必要なときに自分で提示できる仕組み」
🔹 学校の世界(今までのやり方):
- 図書館で本を借りる → 先生が「君は1年生かな?」と学校の記録を確認する
📌 問題点
- 学校が情報を持っているから、学校の先生に聞かないと証明できない
- もし記録が間違っていたら、自分ではすぐに修正できない
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🔹 デジタルの世界(DIDとVCの組み合わせ):
- 図書室の先生は、デジタルの学生証(VC)をみれば1年生なのかわかる
- 学校に問い合わせしなくてもOK
💡 SSIで便利になるポイント💡
✅ 学校の先生にきかなくても、すぐに本人確認できる
✅ 必要な情報だけを見せられる(名前だけ、学年だけ など)
✅ 情報が間違っていたら、新しい証明書をすぐにもらえる
まとめ
今回紹介した SSI(Self-Sovereign Identity:自己主権型アイデンティティ)、DID(Decentralized Identity:分散型アイデンティティ)、VC(Verifiable Credential:検証可能な資格情報) の仕組みと、Issuer(発行者)・Holder(保持者)・Verifier(検証者)・ウォレット の関係性について、少しでも理解を深める助けになれば幸いです。