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脳科学が導くITエンジニアの幸福マネジメント

Last updated at Posted at 2025-11-06

1. はじめに

ITエンジニアとして働く中で、「年収を上げたい」「技術力を高めたい」「改善したい」といった目標を持つことは自然です。しかし、これらの目標を達成しても満足感が続かないことがあります。成功だけを追い求めると、何かが欠けていく感覚——それは、健康やつながりといった幸福の土台が崩れているサインかもしれません。

私自身は、好きな技術を追いかけ、チームの改善活動に取り組みながら働いていました。ただ、振り返ると、その過程で健康やつながりを後回しにしていたことに気づきました。そんな中で読んだのが、精神科医・樺沢紫苑さんの『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』です。

参考書籍:
樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』飛鳥新社、2021年

この本を読んで、3つの幸福の関係性が腹落ちしました。健康→つながり→成功という優先順位が明確になると、日々の働き方や行動の指針も自然と定まってきました。ワークライフバランスや持続可能な仕事の仕方といった考え方も、3つの幸福の関係性を使えば筋の通った説明ができると感じました。

本記事では、この本を読んで得られた脳科学的な幸福の理解をもとに、個人の幸福実践チームマネジメントの両面から、ITエンジニアの幸福について考えます。

2. 3つの幸福の優先順位(健康 > つながり > 成功)

本書の核心は、幸福を脳内物質で分類し、3つに大別するという考え方です。

セロトニン的幸福は、「健康」の幸福
オキシトシン的幸福は、「つながり」の幸福
ドーパミン的幸福は、「お金、成功」の幸福
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

この順序には明確な優先度があり、これを理解することでキャリアの設計も変わってきます。

セロトニン的幸福(健康)

一言で言うと、心と体の健康です。「体調がいい」「気分がいい」という状態。

幸せになるために、最も基盤となるのがセロトニン的幸福
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

ITエンジニア的問題:
徹夜デバッグ、運動不足、慢性的な睡眠不足を続けると、セロトニン分泌が低下します。幸福の土台が崩れた状態では、どんな成功も意味を持ちません。

オキシトシン的幸福(つながり)

基本イメージは「つながりによる安心感」

「つながり」をもう少し広く捉えると、他者との交流、関係によって生まれる幸福全てと言っていいでしょう。
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

ITエンジニア的問題:
リモートワークでテキストコミュニケーションだけだと、オキシトシンが不足しがちです。雑談や何気ない会話は、実は幸福の重要な要素でした。

ドーパミン的幸福(成功)

基本イメージは「成功」「達成」

ドーパミン的幸福を得るには、「対価」が必要である

ドーパミンは、「もっともっと」の物質

ドーパミンが暴走すると・・・・・・依存症になる
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

ITエンジニア的問題:
年収が100万円上がっても、数ヶ月で慣れてしまいます。次はさらに高い目標を求める。これがドーパミンの特性です。

なぜ「セロトニン > オキシトシン > ドーパミン」か

セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番。

セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、逓減しない。
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

健康(セロトニン)とつながり(オキシトシン)は減らない幸福である一方、成功(ドーパミン)は慣れてしまう幸福です。仕事の成功だけを最適化すると健康とつながりが削られて、幸福が揺らぎやすくなります。まずは健康を守り、つながりを太くしてから成功を積んでいきましょう。

3. ドーパミン依存の危険性 - 改善活動への没頭

ITエンジニアとして働く中で、リリース前の残業での達成感、改善活動への没頭、新しいスキルの習得、バックログの消化——これらに熱中することは珍しくありません。私自身、改善活動そのものに価値を感じ、気づけば健康やつながりを後回しにしていました。振り返ると、これもドーパミン的幸福を追い求めていたことに他なりませんでした。

私が追い求めていたもの

  • スキルの継続的改善: 新しい技術の習得、コードの品質向上
  • チーム目標の達成: スプリント目標、プロジェクトの成功
  • 開発環境の最適化: より快適で楽しい開発体験の実現
  • 日々の小さな改善: CI/CD改善、レビュープロセス改善、ドキュメント整備
  • EMやPJM的な仕事: 1on1から出てきた課題など組織課題の改善、ミーティングアジェンダや資料の準備

取り組んでいたのは全部"良い改善"のはずなのに、振り返るとセロトニン、オキシトシンを蔑ろにして、ドーパミン的な行動に偏重してしまっていました。その結果、自分で燃料を入れて、自分で燃え尽きるパターンになっていたと気づきました。

何が問題だったのか

1. 完璧主義による頑張り過ぎ

チームのため、プロジェクトのためという名目で、自分の時間を使って改善活動を続けていました。開発からマネジメントまで幅広い業務を担当しており、1on1で出た課題の解決やミーティングの準備にも時間を使っていました。

結果として:

  • 他のメンバーより残業時間が多い
  • プライベート時間の減少
  • 健康習慣の後回し(セロトニン不足)
  • マネジメント業務と開発業務の両立で時間が圧迫される

2. 報われている気がしない

近くにいるチームメンバーからは感謝の言葉をもらっていました。しかし、それでも満たされない。

  • 経営陣からは評価されていない(かもしれない)
  • 「自分だけが頑張っている」という感覚
  • 他の人は残業が少ないのに、なぜ自分だけ...

原因は外部ではなく、内面的な幸福感の欠如でした。

健康(セロトニン)が枯れていると、どれだけ感謝されても(オキシトシン)満足感が得られません。さらに、改善活動が「継続的改善=当たり前」のルーティンになり、達成感(ドーパミン)も薄れていました。努力の量とインパクトが可視化されていないため、自分の貢献を客観的に評価できず、「報われていない」という感覚だけが残っていたのです。

3. ドーパミンの耐性形成

改善活動を続けても:

  • 同じレベルの達成では満足できなくなる
  • より大きな改善を求める
  • いくらやっても「まだ足りない」という感覚

同じ達成では満足できなくなっていくのがドーパミンの耐性形成だと実感しました。上積みだけ狙う走り方は、幸福の燃費が悪くなると痛感しています。

ドーパミンの罠

これは、市場価値の最大化とは異なる、ITエンジニア特有のドーパミン依存でした。

  • 小さな改善 → 達成感(ドーパミン)
  • 組織課題の解決 → チームへの貢献実感(ドーパミン)
  • チームからの感謝 → 一時的な満足(オキシトシン)
  • しかし報われた気がしない → さらに改善活動へ
  • 健康を犠牲にする(セロトニン不足)

結果: オキシトシンがあっても、セロトニンが不足していると、幸福を感じられない。EMやPJM的な仕事で「チームに貢献している」という実感はあっても、健康を削っていては持続的な幸福にはつながらない。

本書から得た気づき

「良いことをしている」と思っていた活動が、実は幸福から遠ざかっていました。

必要だったのは

  1. セロトニン優先: まず健康。残業を減らして、睡眠・運動を確保する
  2. オキシトシン重視: 感謝されることよりも、つながり自体を楽しむ
  3. ドーパミンは補完: 改善活動は続けるけど、健康を犠牲にしない

「自己犠牲的な改善活動」は美徳ではなく、幸福の優先順位を間違えた結果でした。

4. 3つの幸福を高める実践:日記の習慣

理論を理解しても、日常で幸福を感じ取れなければ意味がありません。本書では、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福に気づく力を鍛えるトレーニングとして、「日記」を推奨しています。

本書が推奨する実践方法:

  • ポジティブ日記を10日間(セロトニン的幸福のトレーニング)
  • 感謝日記を10日間(オキシトシン的幸福のトレーニング)
  • 親切日記を10日間(オキシトシン的幸福のトレーニング)

このように、合計30日間で3つの幸福に気づく力を段階的に鍛えていくことが推奨されています。

ポジティブ日記(セロトニン的幸福)

私の理解:
寝る前に、今日の良かったこと・楽しかったことを3つ書くことで、ネガティブな出来事に注目しがちな脳を、ポジティブな面に向ける訓練になります。

ITエンジニアの実践例:

  • 「バグを1つ修正できた」
  • 「新しいライブラリを試せた」
  • 「ランチが美味しかった」

実際に続けると心の安定が戻る手応えがありました。習慣として生活に落とし込んでいきたいと思います。

感謝日記(オキシトシン的幸福)

私の理解:
今日、感謝したこと・ありがたいと思ったことを書くことで、「当たり前」と思っていたことに気づき、オキシトシン的幸福が高まります。

ITエンジニアの実践例:

  • 「チームリーダーが自分の意見を尊重してくれた」
  • 「快適な開発環境が整っている」
  • 「リモートワークで通勤時間がない」

日記に書くだけでなく、できれば感謝を感じた相手に直接伝えることで、オキシトシンの分泌がより強化されます。

親切日記(オキシトシン的幸福)

私の理解:
今日、誰かにした親切なこと・誰かから受けた親切なことを書くことで、「自分も他者に貢献している」という感覚が、オキシトシン的幸福を高めます。

ITエンジニアの実践例:

  • 「後輩のコードレビューで丁寧にフィードバックした」
  • 「チームメンバーが困っていたので、ペアプロで一緒に解決した」
  • 「先輩が詰まっていた問題を一緒に調べた」

実践のコツ

1. 完璧を求めない

  • 毎日続けなくてもOK
  • 1つだけでもOK
  • 短い文でもOK

2. デジタルツールの活用

  • Notion、Obsidian、Google Docsなど、普段使っているツールで十分
  • スマホのメモアプリでも問題ない

3. 習慣化する

  • 寝る前の5分間
  • 朝のコーヒータイムなど、決まったタイミングで実施

重要: 日記は幸福を記録する道具ではなく、幸福を訓練する仕組みとして紹介されています。書き切った感で終わらせず、継続することで脳のフォーカスをポジティブ側に寄せていきたいと思います。

5. マネジメント×脳科学:承認とアドラー心理学

承認の打ち方で分泌される脳内物質が変わるという視点が一番響きました。成果だけ褒めるとドーパミン偏重になりますし、プロセスを認めることでオキシトシンを育てたいと考えています。

この視点は、1on1やチームの課題解決など、マネジメント業務において特に有効に活用できると実感しています。

ドーパミン的承認 vs オキシトシン的承認

承認には2つのタイプがあり、それぞれ異なる脳内物質を分泌させます。

ドーパミン的承認(結果へのフォーカス)

特徴:

  • 結果・成果に対する評価
  • 短期的な高揚感
  • 耐性形成あり(同じ承認では満足できなくなる)
  • 結果が出ないと承認されない → 自己肯定感の不安定化

具体例:

  • 「スプリント目標達成おめでとう!」
  • 「バグゼロでリリースできたね、素晴らしい!」
  • 「売上目標達成、よくやった!」

問題点:

  • より高い成果を求め続ける
  • 失敗を恐れるようになる
  • 外発的動機づけへの依存

オキシトシン的承認(プロセスへのフォーカス)

特徴:

  • プロセス・努力・姿勢に対する評価
  • 持続的な安心感・自己肯定感
  • 結果に関わらず承認される
  • 内発的動機づけの促進

具体例:

  • 「新しい技術に挑戦し続けた姿勢が素晴らしかった」
  • 「失敗から学び、改善を重ねたプロセスに価値がある」
  • 「チームメンバーをサポートし続けてくれてありがとう」

効果:

  • つながりと信頼の強化
  • 心理的安全性の向上
  • 長期的なモチベーション維持

マネジメントへの応用

1on1での実践

1on1では結果だけでなく、挑戦のプロセスを拾って言葉にするよう意識しています。成果を称えるのと同じくらい、姿勢を讃える時間を確保していきたいと思います。

ドーパミン的承認のみ:
「今月のパフォーマンス、目標達成おめでとう!来月も頑張って」

オキシトシン的承認を加える:
「今月は新しいアーキテクチャに挑戦していたね。試行錯誤しながらも諦めずに取り組んでいた姿勢が印象的だった。結果として目標達成できたのも、そのプロセスがあったからだと思う。」

チームビルディング

オキシトシン的承認を増やすことで:

  • チーム内の信頼関係が強化される
  • 失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気
  • メンバー同士の相互承認文化
  • 結果的に、長期的なパフォーマンス向上

振り返りと定量指標の活用

振り返りでのチーム間フィードバックや、定量指標の可視化と月間表彰といった取り組みは、達成感(ドーパミン)とつながり(オキシトシン)をバランス良く育てる良い施策だと考えています。ただし、数値指標だけを追いすぎないよう、プロセス評価も併用することが大切です。

アドラー心理学との関連

アドラー心理学では「褒めてもいけない、叱ってもいけない。勇気づけをするとよい」と説かれています。本書を通じて、この主張が脳科学的に裏付けられました。

アドラーのいう「褒める」はドーパミン的な承認であり、「勇気づけ」はオキシトシン的承認ということになります。
(樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福』より)

私の理解:

  • 「褒める」= ドーパミン的承認: 結果に対する評価。上下の関係。一時的な効果。
  • 「勇気づけ」= オキシトシン的承認: プロセスへの共感。対等な関係。持続的な効果。

実践例の比較:

  • 褒める: 「よくできたね!」「すごいね!」
  • 勇気づけ: 「この課題に粘り強く取り組む姿勢が素晴らしいと思う」「一緒に成長できて嬉しい」

実践のポイント

  1. 結果だけでなく、プロセスを評価する

    • どんな工夫をしたか
    • どんな困難を乗り越えたか
    • どんな学びがあったか
  2. 相互尊敬の関係を築く

    • 上から目線の評価ではなく、対等な立場での承認
    • 「よくできたね」ではなく「一緒に成長できて嬉しい」
  3. 失敗も承認する

    • 失敗したプロセスにも価値がある
    • 挑戦したこと自体を評価する

重要: ドーパミン的承認を完全に否定するのではなく、オキシトシン的承認とのバランスが大切です。成果を認めつつ、プロセスも評価する。

6. その他の学び

3つの幸福の構造とマネジメントへの応用が本記事の主軸ですが、本書にはそれ以外にも重要な学びが数多くありました。特に印象に残った内容をいくつか挙げておきます。

  • フロー理論と受動的娯楽の問題: チクセントミハイ教授のフロー理論で言われるように、完全に集中している状態が幸福と密接に関連しているという視点は大事だと思いました。漫然としたYouTube視聴やスマホスクロールは受動的娯楽で、フロー状態に入れません。一方、スポーツ、創作活動、読書などの能動的な趣味はフロー状態を生み出して、3つの幸福をバランス良く満たしてくれます。
  • 幸福は習慣として実践し続けるもの: 幸福は一度手に入れて終わりではなく、習慣として「実践」し続けるものという視点が響きました。日々の習慣設計が、持続的な幸福につながると理解しました。
  • セロトニン的幸福の即効性: セロトニン的幸福は朝散歩や深呼吸など"今この瞬間"の行動で得られるという即効性の強調が印象的でした。すぐに実践できる具体的な行動が示されている点が実用的だと感じました。

7. まとめ

幸福は「健康(セロトニン)」「つながり(オキシトシン)」「成功(ドーパミン)」の3層構造で成り立っています。どれか1つでも欠けると、持続的な満足は得られません。脳科学の視点から幸福を理解すると、エンジニアリングと同じように体系的にアプローチできると感じました。

もちろん、マネジメント理論や幸福理論は世の中に溢れていて、この本から得られた考えが全てではありません。ただ、一つの有効な指標として、今後のキャリアやマネジメントに活用していきたいと思います。

本書について: 本記事で紹介した内容は、書籍のごく一部です。『精神科医が見つけた 3つの幸福』には、3つの幸福を手に入れる具体的な方法、人生が変わるお金・遊び・食の習慣など、実用的な記載が豊富にあります。ぜひ本書を読んでいただき、ご自身のキャリアや人生設計に活用していただければと思います。

最後に、書籍から得た示唆と自分の実践アイデアを踏まえて、個人とマネージャーそれぞれの立場で取り組める行動を整理しておきます。

個人のITエンジニアができること

健康(セロトニン)の確保:

  • 朝の散歩・ストレッチを予定表に固定する
  • 睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを維持する
  • 受動的娯楽を減らし、能動的な趣味の時間を増やす

つながり(オキシトシン)の強化:

  • 3つの日記習慣(ポジティブ・親切・感謝)を実践する
  • 1on1やミーティング、雑談で、ポジティブ・親切・感謝を積極的に伝える
  • リモートワークでも雑談の時間を意識的に作る
  • チームメンバーとの1on1や非公式な交流を大切にする

成功(ドーパミン)との適切な距離感:

  • 目標達成だけでなく、プロセスを楽しむ
  • 小さな改善を健康を犠牲にせず続ける
  • 自己犠牲的な頑張りではなく、持続可能なペースを保つ

マネージャーができること

オキシトシン的承認の実践:

  • 1on1で結果だけでなく、プロセス・努力・姿勢を評価する
  • 「よくできたね」ではなく「〇〇に取り組む姿勢が良かった」と具体的に伝える
  • プロセス評価のフレーズをチーム内で共有する

チーム全体の幸福設計:

  • 心理的安全性を高め、失敗を恐れず、失敗しても互いに勇気づけできる環境を作る
  • 健康・つながり・成功の優先順位をチーム全体で意識する
  • 1on1や定期的な振り返りで、メンバーそれぞれの幸福バランスを確認する
  • ミーティングや組織課題の改善活動も、健康を犠牲にしない範囲で進める

自分自身もスキル向上や目標達成に偏って健康を後回しにした反省があります。これからは優先順位を守りつつ、チームの幸福バランスにも貢献していきたいと思います。

参考文献

樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』飛鳥新社、2021年

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