AIに最短で正しく実装してもらうには、まずAIが迷わない 最小限の高品質ドキュメント を用意するのが近道です。本記事は公開リポジトリ「ai-driven-design」の Quickstart をベースに、今日から回せる実務フローを簡潔にまとめた「まずやってみよう」版です。
- 公開リポジトリ: https://github.com/feel-flow/ai-driven-design
- 参考ドキュメント: docs/GETTING_STARTED.md
一応、README読んでもらえたら嬉しいです!
ねらい(2時間で到達したい状態)
- 
docs/MASTER.mdが最新で最初に読む統合ハブになっている
- Single Source of Truth(SSOT)が決まり、重複と矛盾がない
- 直近の1機能で「要件→設計→テスト→実装」が1ループ回る
まずやること(15分チェックリスト)
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docs/MASTER.mdを最低限アップデート
- プロジェクト識別(名前/バージョン/最終更新日/使用AI)
- 技術スタック要約(FE/BE/DB/Infra)
- 守るべきルール(命名/エラー/テスト/マジックナンバー禁止)
- 詳細ドキュメントへの索引(PROJECT/ARCHITECTURE/DOMAIN/TESTING/DEPLOYMENT)
- docs/06-reference/GLOSSARY.md
- 用語を1画面分で定義(同義語は排除し統一)
- docs/06-reference/DECISIONS.md
- 直近の重要決定を1行で追記(履歴として残す)
新規で始める(~60分)
- 最小3ファイルだけ埋める(30分)
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docs/MASTER.md… 上記4点+「読ませる順序」を明記
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docs/01-context/PROJECT.md… Why/Who/What/Success+MVPの受け入れ基準
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docs/02-design/ARCHITECTURE.md… レイヤ/依存/データフロー/例外/テスト層割合
- 余力: docs/02-design/DOMAIN.mdに用語と主要エンティティを箇条書き
 
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- 最初の1機能を要件化(15分)
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PROJECT.mdにユーザーストーリー1件+受け入れ基準(Given/When/Then)
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TESTING.mdにその機能のテスト観点(Unit中心、必要に応じてIntegration/E2E)
 
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- AI初回同期(15分)
- 下の「AIに読ませる順序」で MASTER→PROJECT→ARCHITECTURE(→DOMAIN)だけ参照し実装指示
 
途中参加/既存を寄せる(~90分)
- ドキュメント棚卸し(20分): 要件/設計/用語/決定/テスト/運用のSSOTを1ファイルずつ決める
- 統合と整流化(40分): 重複はSSOTに集約、他は参照に置換。MASTER.mdに読ませる順序と参照禁止/推奨を明記
- AIスモーク(30分): 小タスクをAI実装し、不足ドキュメントを逆引きで補完
AIに読ませる順序と粒度(トークン最適化)
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docs/MASTER.md(必須)
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docs/01-context/PROJECT.md(機能のWhy/受け入れ基準)
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docs/02-design/ARCHITECTURE.md(層/依存/エラー/データフロー)
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docs/02-design/DOMAIN.md(必要時のみ)
- docs/04-quality/TESTING.md
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docs/05-operations/DEPLOYMENT.md(必要時のみ)
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docs/06-reference/[GLOSSARY/DECISIONS](曖昧さ解消)
ポイント
- 要約→必要に応じ詳細へ。全読みは避ける
- 情報が無い箇所はAIに「明示的に質問」させるルールを提示
すぐ貼って使えるプロンプト(新規機能)
目的: リポジトリのAI駆動ルールに従い、<機能名> を実装する。
参照順序(この順で読み、他は見ない):
- docs/MASTER.md
- docs/01-context/PROJECT.md
- docs/02-design/ARCHITECTURE.md
- (必要時)docs/02-design/DOMAIN.md
要件: PROJECT.md の受け入れ基準を満たすこと。テストは TESTING.md のパターン・命名に従い同時生成。
制約: マジックナンバー/ハードコード禁止(定数or設定から注入)。型安全/エラーパターンは PATTERNS.md に準拠。
出力: 変更ファイル一覧→実装→テスト→要点サマリ。疑義は実装前に質問。
ドキュメント逆引き(不足抽出)
目的: 生成物から不足ドキュメントを特定し、追記案を作る。
入力: 直近の変更差分/テスト失敗内容
出力: 追記が必要なファイルと具体追記案(箇条書き)。SSOT原則に従い、重複は参照化する提案も含める。
最低限のDefinition of Done(AI駆動用)
- 受け入れ基準がテストで裏付け(Unit中心、必要に応じIntegration/E2E)
- マジックナンバー禁止・定数/設定化(単位/範囲の明示)
- 例外/エラーはResult等で一貫処理・ログ指針に準拠
- 
MASTER.mdの方針と矛盾しない
1スプリント導入の例
- Day 1: MASTER/PROJECT/ARCHITECTURE の最小充足、GLOSSARY 着手
- Day 2: 代表機能をAI実装→テスト同時生成→不足ドキュメントを逆引きで補完
- Day 3: SSOT徹底(重複排除/参照化)→AIスモーク→CIで自動テスト常時化
よくある落とし穴
- ドキュメントは量より質:1枚要約→詳細は参照の多層化
- ファイル横断の矛盾:SSOT決定+DECISIONSで履歴化
- 用語ブレ:GLOSSARYとコード命名を常に一致
おわりに(MCP対応準備中/Starのお願い)
このドキュメント群は、Model Context Protocol(MCP)から直接参照できるよう準備中です。対応が進み次第、リポジトリに手順と設定例を追加します。
本リポジトリはパブリックです。より良いAI駆動開発に育てていきたいので、参考になったらぜひ Star をお願いします!