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Gemini in Chromeは、システムエンジニアの“調査・比較・理解”を爆速化するブラウザAIだった

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Last updated at Posted at 2026-04-27

Gemini in Chrome.png

システムエンジニアの仕事は、コードを書くことだけではありません。

仕様を読む。
設計を理解する。
障害の原因を調べる。
技術記事を比較する。
公式ドキュメントを確認する。
リリースノートを追う。
関係者へ説明する。
調査結果をまとめる。

むしろ、現場で成果を出すSEほど、「調べる」「整理する」「判断する」「伝える」などに多くの時間を使っています。

株式会社エスプリフォートでは、AIを“楽をする道具”ではなく、お客様への価値提供を高めるための武器として積極的に活用しています。
「ITの力でお客様のビジネスを支え、笑顔と価値を創造する」ために、AI時代のSEは、ただ作業をこなす人ではなく、AIを使って顧客価値を最大化できる人であるべきだと考えています。

今回紹介する Gemini in Chrome は、まさにそのための強力な武器です。

Gemini in Chromeとは何か

Gemini in Chromeは、Chromeブラウザ上で使えるGoogleのAIブラウジングアシスタントです。
開いているタブの内容をもとに、要約、説明、比較、質問回答などを行えます。Google公式ヘルプでは、現在のタブの内容を使って回答し、PCでは最大10個の開いているタブを共有できると説明されています。(Google ヘルプ)

Googleの日本語公式ページでも、Gemini in Chromeは、開いているタブのコンテキストに基づいて要点整理、複雑な概念の説明、疑問解決、複数タブの比較などができるとされています。(Gemini)

つまり、従来のAIチャットのように、

ページをコピーする
AIに貼り付ける
結果を確認する
また別ページをコピーする

という面倒な流れを減らせます。

ブラウザで見ている情報を、その場でAIに整理させる。

これがGemini in Chromeの大きな価値です。

SEにとって何がそんなに便利なのか

SEにとって一番大きいのは、調査の初速が上がることです。

たとえば、次のような場面です。

  • 公式ドキュメントを読んでも要点がつかみにくい
  • 複数の技術記事を開いたが、結局どれが正しいのか分からない
  • エラーメッセージで検索して、複数タブを行き来している
  • リリースノートが長すぎて影響範囲を読むのが大変
  • GitHub IssueやStack Overflowの議論を追うのに時間がかかる
  • 新しいライブラリの採用可否を短時間で判断したい
  • 障害調査の内容を関係者向けに分かりやすくまとめたい

これらは、SEなら誰でも日常的にやっている作業です。

そして多くの場合、時間がかかる原因は「情報がないこと」ではありません。

情報が多すぎることです。

Gemini in Chromeは、この“情報過多”を整理するためにかなり使えます。

使い方1:公式ドキュメントを一瞬で要約する

新しいAPIやライブラリを使うとき、まず公式ドキュメントを読みます。

しかし、公式ドキュメントは正確な反面、長いです。
最初から全部読むと時間がかかります。

そこでGemini in Chromeにこう聞きます。

このページを、実装者向けに要約してください。
特に以下の観点で整理してください。

- この機能で何ができるか
- 最初に理解すべき前提
- 実装時に注意すべき点
- 既存システムに導入する場合のリスク
- まず試すべき最小構成

これだけで、読むべき場所の優先順位が見えてきます。

大事なのは、AIの要約だけで終わらせないことです。
SEとしては、要約を入口にして、最終的には必ず一次情報を確認する必要があります。

AIは「読む代わり」ではなく、必要な情報を得るための補助輪として使うのが良いと思います。

使い方2:複数タブの技術情報を比較する

Gemini in Chromeは、PCでは最大10個の開いているタブを共有できるとされています。(Google ヘルプ)
これがSEにとって非常に強力です。

たとえば、ある技術選定で以下のタブを開いているとします。

  • 公式ドキュメント
  • GitHub README
  • Qiitaの記事
  • Zennの記事
  • Stack Overflowの回答
  • 競合ライブラリのドキュメント

この状態で、Geminiにこう聞きます。

共有しているタブを比較して、
このライブラリを業務システムに採用する場合の判断材料を整理してください。

以下の観点で表にしてください。

- メリット
- デメリット
- 学習コスト
- 保守性
- セキュリティ面の注意
- 長期運用での懸念
- 採用すべきケース
- 採用しない方がよいケース

これを使うと、単なる情報収集ではなく、意思決定に近い形まで整理できます。

SEの価値は、情報を集めることではありません。
集めた情報から、プロジェクトにとって最適な判断をすることです。

Gemini in Chromeは、その判断前の整理作業をかなり短縮してくれます。

使い方3:エラー調査の“当たり”をつける

障害対応や開発中のエラー調査では、検索結果を大量に開くことがあります。

しかし、全部を読むのは非効率です。

そこで、検索結果から有力そうなページをいくつか開き、Geminiにこう聞きます。

共有しているタブをもとに、
このエラーの原因候補を可能性が高い順に整理してください。

出力は以下の形式にしてください。

1. 原因候補
2. なぜその可能性があるのか
3. 確認すべきログ・設定・コード
4. 解決策
5. 業務システムで再発防止するための観点

この使い方はかなり実務向きです。

特に若手SEの場合、エラー調査でありがちなのが、
「検索結果を読んでいるうちに、何を調べていたのか分からなくなる」ことです。

Gemini in Chromeを使うと、調査結果を構造化できます。

ただし、ここでも重要なのは、AIの回答を鵜呑みにしないことです。
最終判断は、ログ、設定、ソースコード、再現確認で行う必要があります。

使い方4:リリースノートから影響範囲を洗い出す

フレームワーク、ライブラリ、クラウドサービスのバージョンアップでは、リリースノートの確認が重要です。

しかし、リリースノートは長い。
しかも英語も多い。

そんなときは、次のように依頼します。

このリリースノートを、既存の業務システムに影響しそうな観点で整理してください。

特に以下を分けてください。

- 破壊的変更
- 非推奨になった機能
- セキュリティ修正
- パフォーマンス改善
- 移行時に確認すべき設定
- テスト観点

これにより、単なる翻訳ではなく、実務で確認すべき観点として整理できます。

SEにとって重要なのは、「新機能すごい」ではありません。

既存システムにどう影響するか。
お客様の業務にリスクがないか。
テスト観点として何を押さえるべきか。

ここまで考えられるSEは、現場でかなり頼られます。

使い方5:YouTubeの技術動画を学習メモに変える

Googleは、Gemini in Chromeについて、YouTube動画に関する質問もできると説明しています。(blog.google)

技術系の学習動画を見るとき、ただ視聴するだけでは忘れます。

そこで、動画を見ながらこう聞きます。

この動画の内容を、実務で使える学習メモにしてください。

以下の形式で整理してください。

- 重要ポイント
- 初学者がつまずきやすい点
- 実務で使える場面
- 試すべきサンプル
- 追加で調べるべきキーワード

これをやると、動画視聴が“なんとなく勉強した気になる時間”ではなく、実務に転用できる学習時間になります。

使い方6:調査結果をそのまま報告文にする

SEの仕事では、調査して終わりではありません。

上司、PM、お客様、営業、チームメンバーに説明する必要があります。

そこでGeminiにこう依頼します。

ここまでの調査内容を、PMに報告する文章にしてください。

条件:
- 結論を最初に書く
- 技術的な詳細は簡潔にする
- リスクと対応方針を分ける
- 次にやるべきことを明確にする
- 300〜500文字程度

また、お客様向けならこうです。

この内容を、お客様向けに分かりやすく説明する文章にしてください。

条件:
- 専門用語を減らす
- 不安をあおらない
- ただしリスクは隠さない
- 当社としての対応方針が伝わるようにする

これができると、調査力だけでなく、説明力も上がります。

現場で評価されるSEは、技術だけではなく、相手が判断できる形にして伝える力を持っています。

Gemini in Chromeを使うときの注意点

便利ですが、注意点もあります。

Googleヘルプでは、Gemini in Chromeは回答の関連性を高めるために現在のタブの内容を使用し、新しいチャット開始時には現在のタブがデフォルトで共有されると説明されています。共有は停止でき、PCでは追加タブも共有できます。(Google ヘルプ)

そのため、業務利用では以下を必ず意識すべきです。

  • 機密情報を含むページを安易に共有しない
  • 顧客情報、個人情報、認証情報を扱う画面では使わない
  • 社内ルール、顧客契約、情報セキュリティ方針を優先する
  • AIの回答は必ず一次情報で確認する
  • 設計判断や障害原因をAIだけで確定しない
  • 共有しているタブを確認しながら使う

また、GoogleはGemini in Chromeについて段階的に展開しており、利用には対象地域、18歳以上、対応端末、最新版Chrome、Chromeへのサインインなどの条件があると説明しています。(Google ヘルプ)

使えない場合は、Chromeのバージョン、ログイン状態、対象地域、管理者設定を確認しましょう。

SEが本当に使うべきプロンプト集

1. 技術調査用

このページを、業務システム開発の観点で要約してください。
特に、導入メリット、注意点、既存システムへの影響、テスト観点を整理してください。

2. 複数記事比較用

共有しているタブの内容を比較し、
どの情報が公式情報で、どの情報が個人の見解かを分けて整理してください。
そのうえで、実務判断に使える情報だけを抽出してください。

3. 障害調査用

このエラーについて、原因候補を可能性が高い順に整理してください。
それぞれ、確認すべきログ、設定、ソースコード、再現手順を出してください。

4. リリースノート確認用

このリリースノートから、既存システムに影響しそうな変更点を抽出してください。
破壊的変更、非推奨、セキュリティ修正、移行作業、テスト観点に分けてください。

5. お客様説明用

この技術的な内容を、お客様向けに分かりやすく説明してください。
専門用語を避け、影響、対応方針、今後の進め方が伝わる文章にしてください。

6. PM報告用

この調査内容を、PMに報告する文章にしてください。
結論、理由、リスク、対応案、次アクションの順で簡潔にまとめてください。

7. 若手教育用

このページの内容を、経験1〜2年目のエンジニアにも分かるように説明してください。
たとえ話を入れ、最後に理解確認の質問を5つ作ってください。

8. 設計レビュー観点用

この仕様・技術内容をもとに、設計レビューで確認すべき観点を洗い出してください。
機能、非機能、セキュリティ、運用、保守性、テストの観点で整理してください。

Gemini in Chromeで変わるSEの仕事

今後、SEの仕事はさらに変わります。

単に検索が早い人ではなく、
単にAIを触ったことがある人でもなく、
AIを使って、より良い判断と顧客価値につなげられる人が重要になってきます。

Gemini in Chromeは、ブラウザ上の情報をその場で整理できるため、SEの調査・比較・説明の質を高める可能性があります。

特に、次のような人には強烈に役立ちます。

  • 技術調査に時間がかかる人
  • 公式ドキュメントを読むのが苦手な人
  • 障害調査で情報整理に時間がかかる人
  • 調査結果をうまく説明できない人
  • 新しい技術を早くキャッチアップしたい人
  • チームに分かりやすく共有したい人
  • お客様に伝わる説明力を高めたい人

逆に言えば、これからのSEは、
「AIがあるから考えなくていい」ではなく、
AIを使うからこそ、より深く考えなければならない時代になります。

AIが要約した内容を見て、
「本当にそうか?」
「この現場ではどう影響するか?」
「お客様にとって価値があるか?」
「保守性や品質に問題はないか?」
と考えられる人が、現場で信頼されます。

まとめ:ブラウザAIを使いこなすSEは、現場で一段上に行ける

Gemini in Chromeは、単なる便利ツールではありません。

SEの日常業務である、
調査、比較、理解、説明、判断を支える実務ツールです。

特に、複数タブの情報を整理できる点、ブラウザ上でそのまま質問できる点、Googleアプリとの連携が進んでいる点は、今後の業務効率化に大きく関わってきます。Googleは、Gemini in ChromeがGmail、Calendar、YouTube、Maps、Google Shopping、Google FlightsなどのConnected Appsに対応すると説明しています。(blog.google)

ただし、AIは万能ではありません。

最終的に価値を出すのは、SE自身です。

AIを使って調査時間を短縮する。
浮いた時間で設計を深く考える。
お客様の業務を理解する。
チームに共有する。
品質を高める。
顧客価値につなげる。

ここまでできて、初めてAI活用は“成果”になります。

株式会社エスプリフォートは、AIを使って終わりではなく、AIを活用してお客様に必要とされる価値を創造するSEを本気で増やしていきたいと考えています。

技術が好き。
新しいものを試すのが好き。
お客様に喜ばれる仕事がしたい。
仲間と一緒に成長したい。
AI時代に、ただの作業者ではなく、価値を生み出すSEになりたい。

そんな方にとって、エスプリフォートはきっと面白い会社です。

AIを使いこなす側に回りたいSEへ。
次のキャリアでは、ただコードを書く人ではなく、
技術で笑顔と価値を創造する人になりませんか。

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