あらすじ
ETロボコンプロジェクトを円滑にすすめるために①
ETロボコンプロジェクトを円滑にすすめるために②
ETロボコンプロジェクトを円滑にすすめるために③を読め
ETロボコンの活動を終えたあなたへ
ここまで長く険しい道のりを歩んできたあなたに、最後の重大な任務が待っている。
それは活動の振り返りだ。
活動中に学んだことを来年度以降に活かすため、良かった点や悪かった点を振り返ってもらいたい。
そもそもなぜ振り返りが必要なのか
来年度以降はETロボコンに参加しないのに反省をする必要がないという人もいるだろう。
活動中に悪かった点を見直したのだから問題はないだろうと思うかもしれない。
しかし、実はあなたが振り返りの重要さをよく思い知っているのではないだろうか。
ちょっとした資料がなかった。
意外な協力者の存在を知らなかった。
そんなことが活動中になかっただろうか?
すべての情報が充足した状態だっただろうか?
もし、一つでも思い当たることがあるなら、それは先人が振り返りを怠っていた可能性がある。
あなたはそれのしわ寄せをもらっていたのだ。
もしかすると、誰かの責任に押し付けて、チームの問題として見ていなかったのかもしれない。
そんなことが来年度以降に発生しないように、そしてあなたの振り返りを行う能力を身につけるために時間を割いてでも振り返りを行ってもらいたい。
ここではKPTとYWTMという手法を紹介する。
ここで注意してもらいたいのが、両手法とも「問題 VS 私達」の構図にしてもらいたいことだ。
問題を起こした人の責任とするのは振り返りとは言わない。責任のなすりつけ合いとなり無意味なものとなる。
全てはチームとして想定できていなかった問題とし、何をすれば解決するのかについて審議してもらいたい。
振り返り手法
- KPT
非常に有名なので知っている方が多いと思うが、プロジェクトの振り返り手法の一つである。
K(Keep)で良かったこと、継続すべきことを挙げる
P(Problem)で悪かったこと、問題だったことを挙げる
T(Try)で挑戦すること、改善案を挙げる
フォーマットがとても単純であるため、その場に参加できなかったメンバへの展開も非常に楽である。
良かった点はノウハウに、悪かった点と挑戦することは次への改善案になるため、次のKeepとなる。
このサイクルが組織の地力となるため、あらゆるプロジェクトの振り返りに適応されている。
- YWTM
Y(やったこと)
W(わかったこと)
T(次にやること)
M(次にやることのメリット)
このフォーマットでは、行動して得られた結果から次にやることとそのメリットを明確にする。
もちろん、KPTで振り返りをしている最中に出てくるとは思うがYWTMではフォーマットとしてそれを明文化する。
Mをチームで合意している場合、次のYにTが必ず入る。そういう意味で、Tが「できたらいいな」ではなくなり無駄を省くことが出来る。
プロジェクト中の細かな振り返りをKPTで行い、一つの区切り(地区大会、チャンピオンシップ大会)でYWTMを行うと効果的かもしれない。
チームに合う方法で振り返りを行おう
本記事ではKPTとYWTMについて紹介したが、チームに合う合わないは出てくるだろう。
あくまで手法の一つであるため、使いやすい方法を選ぶといい。
ただし、問題の分析だけではなく次に何をするべきかまで考えなくてはならない。
問題の責任については個人ではなくチームとして取り組むべきだが、改善は誰がいつまでに何をすると決めておかないと宙に浮いてしまうだろう。
最後に
ETロボコンプロジェクトを円滑にすすめるために①~④を通して、ETロボコンをより楽にするための方法を紹介した。
- プロジェクトのゴールを明確にしよう
- ゴールに至るまでのプロセスを明確にしよう
- 作り込みを重要だが異常事態の対策も忘れずに
- 振り返りは問題 VS 私達と捉えて議論しよう
上記4つについて説明してきた。
この記事を読んで何か思うところがあり、チームに持ち寄ってもらえると嬉しい。
ETロボコンというコンテンツは教育機会の提供が目的である。
様々なツールや手法を使いながらものづくりの砂場として活用してもらいたい。
そして、それを学業や業務に役立てて欲しい。
願わくば、学んだことを後輩へ引き継ぎ、組織の継続的な発展へと結びつけてもらいたい。