WeakMapを使用しキャッシュを作成する

WeakMapとは？

WeakMapは使用するキーと値のペアを保持するコレクション。
WeakMapのキーはオブジェクトである必要があり、プリミティブ値（文字列、数値など）は使用できません。

WeakMapのメリット

• メモリリークの防止
  オブジェクトが他に参照されなくなったときに自動的にガベージコレクションされるので、不要なデータがメモリに残り続けることを防く事ができる。

Mapを使ったオブジェクトとWeakMapの違い

• Mapを使ったオブジェクト
  Mapのキーとしてobjが使われるため、objはガベージコレクションされません。

let obj = { name: 'Alice' };
let map = new Map();
map.set(obj, 'Developer');

obj = null;  // objはnullに設定されても、Mapが参照を保持し続けます
console.log(map); // 出力例Map(1) {{…} => 'Developer'}　Mapはまだ値を保持しています

• WeakMapを使ったオブジェクト
  WeakMap のキーとして格納されたobjが他に参照されなくなった場合、自動的にそのobjはガベージコレクションされます。

let obj = { name: 'Alice' };
let weakMap = new WeakMap();
weakMap.set(obj, 'Developer');

obj = null; // ガベージコレクションの対象にする

WeakMapを使ってみる

1. WeakMapの作成

WeakMapのインスタンスを作成します。

const weakMap = new WeakMap();

2. オブジェクトをキーとしてデータを格納

obj をキーとして値 "データ1" を格納しています。

const obj = {};
weakMap.set(obj, "データ1");

3. キーの存在確認

has メソッドで、指定したキーが WeakMap に存在するかどうかを確認します。

console.log(weakMap.has(obj)); // 出力例：true

4. データの取得

格納したデータは、get メソッドで取得できます。
さきほど格納したデータを取得します。

console.log(weakMap.get(obj)); // 出力例：データ1

5.データの削除

delete メソッドを使って、キーに対応するデータを削除できます。

weakMap.delete(obj);
console.log(weakMap.has(obj)); // 出力例：false
console.log(weakMap.get(obj)); // 出力例：undefined

WeakMapでキャッシュを作成する

// WeakMapを使ったシンプルなキャッシュ
const cache = new WeakMap();

function sampleComputation(obj) {
    if (cache.has(obj)) {
        console.log('キャッシュあり');
        return cache.get(obj);
    } else {
        console.log('キャッシュなし');
        const result = 'aaaaa';
        cache.set(obj, result);
        return result;
    }
}

let obj1 = { key1: 'value111' };

console.log(sampleComputation(obj1)); //  出力例：キャッシュなし、aaaaa
console.log(sampleComputation(obj1)); //  出力例：キャッシュあり、aaaaa

// 値の参照を解除しガベージコレクションの対象にする
obj1 = null;

参考