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AIに専門用語で話さなくていい — 普通の言葉のざっくり指示を「動く指示」に変える3つの補足

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「AIにアプリを作ってもらうなんて、専門用語がわからないから自分には無理」——プログラミング未経験の方から、よくこう言われます。

でも実際にAIコーディング(Claude Code など)を使ってみると、拍子抜けします。AIに渡すのは専門用語ではなく、ただの「普通の言葉」でいいからです。最近は Grok Voice や Gemini Live のように、AIと音声で会話しながら指示できるツールも出てきて、入力のハードルはむしろ下がっています。キーボードで身構える必要すらなくなってきました。

とはいえ、普通の言葉で頼めるからといって「いい感じにToDoアプリ作って」だけ投げると、返ってくるものが微妙にズレます。ここで多くの人が「やっぱり専門用語で正確に指示しないとダメなんだ」と誤解して気後れしてしまう。

違います。必要なのは専門用語ではなく、**普通の言葉のまま足せる「3つの補足」**だけです。この記事では、ざっくり指示(before)→補足済み指示(after)で、AIが返すコードがどう変わるかを具体的に見ていきます。

この記事は「専門用語を使わずに指示の精度を上げる」話に絞っています。「そもそも何を作りたいか自体が言葉にできない」という一段手前の分解(Who / What / Done の整理)は、別記事「AIが全部コードを書く時代、未経験者が最初に詰まるのは文法じゃなく『やりたいことを言葉にする力』だ」に譲ります。今日はその次、「作りたいものは頭にある」人向けです。


なぜ「ざっくり」だとズレるのか

AIは、あなたが言わなかった部分を勝手に補完してコードを書きます。悪気はなく、そういう仕組みです。だから曖昧なところは、AIの「よくある想定」で埋められます。それがあなたのイメージと違うと「ズレた」と感じるわけです。

たとえば、こう頼んだとします。

やりたいこと(before):
買い物メモを追加できるアプリを作って。

AIはこう解釈するかもしれません。

// AIが返すコード(抜粋・イメージ)
"use client";
import { useState } from "react";

export default function ShoppingMemo() {
  const [items, setItems] = useState<string[]>([]);
  const [text, setText] = useState("");

  return (
    <div>
      <input value={text} onChange={(e) => setText(e.target.value)} />
      <button onClick={() => { setItems([...items, text]); setText(""); }}>
        追加
      </button>
      <ul>{items.map((it, i) => <li key={i}>{it}</li>)}</ul>
    </div>
  );
}

追加はできます。でも「消したかった」「空っぽのまま追加できてしまう」「リロードしたら消える」……頭の中のイメージと細部が合いません。専門用語を知らないから悪いのではなく、言い忘れただけです。

ここから、専門用語を一切使わずに精度を上げる3つの補足を足していきます。


補足1:具体例を1つ添える

抽象的な言葉は、人によってもAIによっても解釈が割れます。「たとえばこういう感じ」を1つ見せると、一気に固まります。

やりたいこと(after):
買い物メモを追加できるアプリを作って。
たとえば「牛乳」と入力して追加を押すと、リストに「牛乳」が並ぶ感じ。
各項目の横に「削除」ボタンがあって、押すとその行だけ消える。

「削除」という言葉と、動きの具体例を1つ添えただけです。専門用語はゼロ。これでAIはこう返してきます。

// afterで返るコード(抜粋)
<ul>
  {items.map((it, i) => (
    <li key={i}>
      {it}
      <button onClick={() => setItems(items.filter((_, idx) => idx !== i))}>
        削除
      </button>
    </li>
  ))}
</ul>

filter を使った削除ロジックを、こちらが「filterで」と言わなくてもAIが用意してくれました。専門用語はAI側が持っているのです。人間は「牛乳を追加、横の削除で消える」という普通の言葉の例を出すだけでいい。


補足2:「やってほしくないこと」を普通の言葉で言う

指示は「やってほしいこと」だけ書きがちですが、ズレの多くは「やってほしくないこと」の言い忘れから生まれます。ここも専門用語は不要です。日常の言葉で「これは困る」を言えばいい。

やりたいこと(after):
買い物メモを追加できるアプリを作って。
(補足1の具体例に加えて)
- 何も入力していないのに追加ボタンを押しても、空っぽの行が増えないようにして
- 同じものを2回追加しようとしたら、追加せずに軽く知らせてほしい

「バリデーションを入れて」なんて言葉は知らなくて大丈夫。「空っぽの行が増えないように」で伝わります。

// afterで返るコード(抜粋)
function addItem() {
  const value = text.trim();
  if (value === "") return;                 // 空なら追加しない
  if (items.includes(value)) {
    alert("すでに追加されています");          // 重複を知らせる
    return;
  }
  setItems([...items, value]);
  setText("");
}

trim() で空白だけの入力をはじき、includes で重複を止める——この「気の利いた処理」を、専門用語ではなく「困ること」の説明から引き出せました。何をやってほしくないかを普通の言葉で言う、これが2つ目の補足です。


補足3:「できたと言える状態」を普通の言葉で言う

最後は、ゴールの共有です。「完成」の基準を人間が持っていないと、AIも「たぶんこれで完成でしょう」と勝手に線を引きます。ここも専門用語ではなく、自分が「よし、できた」と言える状態を日常語で書くだけです。

できたと言える状態(after):
- ページを再読み込みしても、追加したメモが消えずに残っている
- スマホの画面幅でも、ボタンがはみ出さずに押せる

「永続化して」「レスポンシブにして」という用語は知らなくてOK。「再読み込みしても消えない」「スマホでもはみ出さない」で十分伝わります。この一文があるかないかで、AIの動きが変わります。

// afterで返るコード(抜粋)— localStorageで保存
useEffect(() => {
  const saved = localStorage.getItem("items");
  if (saved) setItems(JSON.parse(saved));
}, []);

useEffect(() => {
  localStorage.setItem("items", JSON.stringify(items));
}, [items]);

「再読み込みしても消えない」というゴールを普通の言葉で伝えただけで、AIは localStorage での保存を選んで実装してくれました。用語を覚えるのは、必要になってからで間に合います。


この3つは「話し言葉」でもそのまま効く

ここまでを整理すると、精度を上げる補足はこの3つだけです。

補足 普通の言葉での言い方(例)
①具体例を1つ 「牛乳を追加すると、リストに牛乳が並ぶ感じ」
②やってほしくないこと 「空っぽの行が増えないように」
③できたと言える状態 「再読み込みしても消えないでほしい」

大事なのは、この3つは全部「話し言葉」で言えるということです。だから Grok Voice や Gemini Live のような音声AIに口頭で伝えても、まったく同じように効きます。

(口頭でそのまま話しかける例)
「買い物メモのアプリを作って。牛乳を追加するとリストに並ぶ感じで、
 横の削除ボタンで消せて。空のときは追加できないようにして。
 あと、再読み込みしても消えないようにしてほしい」

キーボードで構えて専門用語を並べる、というイメージが未経験者の足を止めていましたが、実際はしゃべった内容がそのまま指示になる時代です。入力のハードルはむしろ下がっている。気後れする理由は、もうほとんど残っていません。

まとめ

  • AIに渡すのは専門用語ではなく「普通の言葉」でいい。用語はAI側が持っている
  • ざっくり指示がズレるのは、専門知識不足ではなく言い忘れ。足すのは3つの補足だけ
    • ①具体例を1つ添える/②やってほしくないことを言う/③できたと言える状態を言う
  • この3つは話し言葉で言えるので、音声AIでもそのまま使える
  • 「専門用語がわからないから無理」という気後れは、いちばん要らない

Qiita 読者の方にはやさしすぎる内容だと思います。プログラミング未経験の知り合いや、社内で非エンジニアに開発を教える場面の参考にしていただければ。

未経験の方向けに、未経験から Next.js + Supabase + Claude Code で Webアプリを公開するまで を全20セッションで体系化した教材を運営しています。

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