AIコーディングで地味に効いてくるのが「文脈の引き継ぎ」問題です。チャットを閉じる、セッションが切れる、別日に再開する——そのたびにAIは前回の文脈を忘れていて、また一から説明し直すことになります。
これを解決する考え方が「ナレッジを会話の外(ファイル)に出す」ことです。私は Obsidian の Vault を Claude Code の作業ディレクトリにして、知識をMarkdownで外部化し、AIが毎回読み込む構成で運用しています。要点を3つの設計で紹介します。
設計1: 1ファイル1ナレッジ + インデックス
知識を1つのファイルに詰め込むと、AIが必要な部分だけ引けません。代わりに「1ファイル = 1つの事実」に分割し、frontmatter で要約を持たせます。
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name: qiita-curl-over-urllib
description: Qiita API書き込みはurllibでなくcurl経由が安全(401回避)
type: feedback
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Qiita API への POST は Python urllib だと 401 になるケースがある。
同じトークン・スコープでも curl だと 201 で通る。
そして MEMORY.md に1行インデックスを置きます。
- [qiita-curl-over-urllib](qiita-curl-over-urllib.md) Qiita書き込みはcurl経由が安全
AIはまずインデックスを読み、関連しそうなファイルだけを開きます。これで「毎回全部読む」必要がなくなります(段階的開示)。
設計2: SessionStart hook で文脈を自動ロード
毎回手で「これ読んで」と指示するのは続きません。Claude Code の SessionStart hook を使うと、セッション開始時に必要な情報を自動で差し込めます。
{
"hooks": {
"SessionStart": [
{
"matcher": "",
"hooks": [
{ "type": "command", "command": "cat ./今日の進捗.md 2>/dev/null | head -20" }
]
}
]
}
}
セッションを開いた瞬間に「今日どこまでやったか」が文脈に入ります。人間が思い出す前に、AIが思い出している状態を作れます。
設計3: 「会話で更新 → ファイルに書き戻す」ループ
ナレッジ基盤は、放っておくと古くなります。だから「会話で得た学び」をその場でファイルに書き戻す運用にします。
- 失敗・発見があったら、AIにメモファイルを作らせる(frontmatter付き)
- インデックスに1行追加させる
- 次のセッションで、それが文脈として効く
このループが回ると、使うほどAIが自分の現場に最適化されていきます。会話は流れて消えますが、ファイルは残って育ちます。ここが「ナレッジ基盤」と「ただのチャット」の決定的な差です。
運用してみて分かったこと
- 1ファイル1ナレッジは検索性が段違い(grep やリンクで一発で引ける)
- frontmatter の
descriptionが命。ここが雑だとAIが拾えない - hook は「軽い読み込み」に留める(重い処理を入れると毎回遅くなる)
AIの賢さは、モデルの性能だけで決まりません。「何を覚えさせ、どう引かせるか」という基盤の設計で、同じモデルでも体験が大きく変わります。これは特定のツールに限らず、AIを実務で使いこなすうえで共通して効く観点だと感じています。
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