初めに
コード修正、資料作成、調査、業務改善。
AI Agentに任せたい作業はたくさんあります。ただ、同じように依頼しても、自律的に進めやすいタスクと、人の判断が必要なタスクがあります。
今回は、**「目標が明確か」×「自動で検証できるか」**の2軸で整理します。Agentへの任せ方を考えるための、実務上の分類です。
1. 両方Yesの左上が、Agentの得意領域
| 自動検証:Yes | 自動検証:No | |
|---|---|---|
| 目標が明確:Yes |
① 実行・検証を任せやすい 例:仕様とテストがあるバグ修正 |
② 実行を任せ、人が評価する 例:対象読者と主張が決まった記事作成 |
| 目標が明確:No |
③ 目標を決めてから実行する 例:指標は計測できるが、優先順位が未定の最適化 |
④ 探索と対話から始める 例:「新しい事業を考えて」 |
ここでいう「目標が明確」とは、何を達成したら完了かが決まっていることです。
「自動検証できる」とは、テストやルール、計測結果などで、達成を機械的に確認できることです。
2. 左上では、修正のループを回しやすい
たとえば、次のバグ修正です。
空の入力では400を返すように修正する。
対応するテストと既存テストが通れば完了。
目標が具体的で、結果もテストで確認できます。
Agentは、コードを修正し、テストを実行し、失敗したら結果を見て再修正できます。
Anthropicも、明確な成功条件とフィードバックループを持つタスクでAgentが価値を出しやすく、コードは自動テストで検証できると説明しています。
ただし、手順が固定された単純作業なら、スクリプトで処理できる場合もあります。左上に入ることは、Agentが常に最適という意味ではありません。
3. 他の3領域では、任せる範囲を変える
② 目標は明確だが、自動検証できない
「初心者向けに、読みやすい記事を書く」
読者やテーマは決められますが、読みやすさや納得感を完全に自動判定するのは難しいです。
下書きや構成案はAgentに任せ、表現や内容の最終評価は人が行う方法が考えられます。文字数や必須項目だけは、自動チェックできます。
③ 自動検証できるが、目標が曖昧
「このシステムを最適化して」
応答時間、メモリ使用量、費用は計測できます。でも、どれを優先するかが決まっていません。
たとえば、次のように目標を具体化します。
エラー率を増やさず、p95応答時間を500ms以下にする。
測定条件と達成基準が決まれば、左上のタスクへ近づきます。
④ 目標も検証方法も曖昧
「何かよい新規事業を考えて」
まず必要なのは、対象顧客、課題、予算、評価基準の整理です。
Agentには、事例調査や選択肢の比較を任せ、人との対話で目標を固める使い方が向いています。
4. 大きな仕事を、そのまま1つに分類しない
記事作成でも、すべてが自動検証できないわけではありません。
| 作業 | 検証方法 |
|---|---|
| 文字数を制限する | 自動計測 |
| コード例が動くか確認する | 実行テスト |
| 読者に伝わるか確認する | 人によるレビュー |
大きな仕事を分解すると、Agentに任せやすい部分が見つかります。
その際、自動チェックが本来の目標を測っているかも確認します。「テストが通る」「文字数以内」は重要ですが、それだけで成果物全体の品質が保証されるわけではありません。
Agentへ依頼する前に、完了条件と検証方法をセットで書く。これだけでも、任せる範囲と人が判断する範囲を整理しやすくなります。
