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Agent、Agent Runtime、Agent Platformの違いを、「作業者」「仕事場」「会社」という例えで整理してみた

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Last updated at Posted at 2026-07-19

初めに

生成AI関連の資料を読んでいると、次のような言葉がよく登場します。

  • Agent
  • Agent Runtime
  • Agent Platform
  • MCP
  • Skills
  • Memory

どれも似た文脈で使われるため、最初は違いが分かりにくいです。

今回は、Agent、Agent Runtime、Agent Platformの違いを、「作業者」「仕事場」「会社」という例えで整理します。

先に結論

簡単に言うと、次のように整理できます。

Agent          = 目的を持って仕事をする作業者
Agent Runtime  = Agentを実際に動かす実行環境
Agent Platform = 複数のAgentやRuntimeを管理・提供する基盤

会社に例えるなら、

Agent          = 社員
Agent Runtime  = 社員が働くオフィス
Agent Platform = オフィスや社員を管理する会社

という関係です。

Agentとは何か

Agentは、ユーザーから目的を受け取り、その目的を達成するために次の行動を判断する主体です。

例えば、コードレビューを行うAgentであれば、次のように動きます。

  1. 変更されたコードを確認する
  2. 変更の目的を理解する
  3. 関連ファイルを調査する
  4. テストを実行する
  5. 問題を見つける
  6. 修正案を提示する

通常の関数は、指定された処理を実行して終了します。

一方、Agentは実行結果を観察しながら、

次に何をすべきか

を繰り返し判断します。

そのため、Agentは単なる「機能ブロック」ではありません。

Agentは、目的、役割、指示、判断ロジックを持った実行主体です。

なお、「機能ブロック」に近いものは、AgentよりもToolやSkillです。

Agent Runtimeとは何か

Agent Runtimeは、Agentを実際に動かすための実行環境です。

Agentが「何をするか」を判断する存在だとすれば、Runtimeはその判断を実行に移す存在です。

主な役割には、次のようなものがあります。

  • LLMの呼び出し
  • Agent Loopの制御
  • Toolの実行
  • MCP Serverとの接続
  • Skillsの読み込み
  • MemoryやSessionの管理
  • ファイルやコマンドの実行
  • 権限と承認の管理
  • エラー処理
  • ログの記録

構造にすると、次のようになります。

User
  ↓
Agent
  ├─ Goal
  ├─ Role
  ├─ Instructions
  └─ Decision
  ↓
Agent Runtime
  ├─ LLM Call
  ├─ Agent Loop
  ├─ Tool Execution
  ├─ MCP
  ├─ Skills
  ├─ Memory
  ├─ Session
  └─ Permission
  ↓
External Systems

例えば、Agentが「ログを確認する必要がある」と判断しても、Agent自身が直接ログを取得するわけではありません。

RuntimeがToolやMCPを通してログを取得し、その結果をAgentへ返します。

つまり、

Agentが考え、Agent Runtimeが動かす

という関係です。

Agent Platformとは何か

Agent Platformは、AgentやAgent Runtimeを作成、実行、管理、監視するための、より上位の基盤です。

Agent Runtimeが1つのAgentを動かす仕事場だとすると、Agent Platformは複数の仕事場や作業者を管理する会社に相当します。

Agent Platformには、次のような機能が含まれます。

  • Agentの作成と登録
  • Agent Runtimeの提供
  • 複数Agentの管理
  • Agent間の連携
  • Modelの選択と切り替え
  • Tool、MCP、Skillsの管理
  • Memory Storeの管理
  • ユーザーと権限の管理
  • 実行履歴の確認
  • ログ、トレース、評価
  • コストと利用量の管理
  • Agentのデプロイ
  • APIやUIの提供

整理すると、次のような階層になります。

Agent Platform
  ├─ Agent A
  │    └─ Agent Runtime
  ├─ Agent B
  │    └─ Agent Runtime
  ├─ Shared Tools
  ├─ MCP Servers
  ├─ Skills
  ├─ Memory Store
  ├─ Observability
  └─ Access Control

ただし、実際の製品ではRuntimeとPlatformの境界が明確に分かれていないこともあります。

1つの製品が、Agent、Runtime、Platformの機能をまとめて提供している場合もあります。

Tool、Skill、MCP、Memoryとの関係

Agent周辺の用語も整理しておきます。

要素 役割 会社での例え
LLM 推論する 頭脳
Agent 目的に向かって判断する 社員
Tool 実際の操作を行う 道具
Skill 再利用可能な作業手順 マニュアル
MCP 外部システムとの接続方式 共通接続口
Memory 過去の情報を保持する ノート、業務履歴
Agent Runtime Agentを動かす オフィス
Agent Platform 全体を管理する 会社

ここで重要なのは、SkillやToolはAgentそのものではない、という点です。

例えば「Jiraのチケットを確認する」という処理はToolです。

「Jiraを確認し、優先順位を判断して、週次報告を作る」という再利用可能な手順はSkillです。

そして、そのSkillやToolを使いながら、目的に応じて行動するのがAgentです。

CodexやClaude Codeは何に分類されるのか

CodexやClaude Codeを、単純にAgent Runtimeと呼ぶのは少し不十分です。

これらは、Agent Runtimeを内包したCoding Agent製品と考える方が分かりやすいです。

Codex
  = Coding Agent
  + Agent Runtime
  + Tool実行環境
  + Skills / MCP
  + ユーザーインターフェース

Claude Code
  = Coding Agent
  + Agent Runtime
  + Tool実行環境
  + Skills / MCP
  + ユーザーインターフェース

OpenClawやHermes Agentも、Runtimeだけではなく、Agentや拡張機能を含むAgentシステムとして見る方が自然です。

製品によっては、さらに複数Agentの管理、権限制御、監視、デプロイ機能などを提供します。

その場合、その製品はAgent Platformに近い存在になります。

つまり、製品名を次のどれか1つだけに分類できるとは限りません。

Agent
Agent Runtime
Agent Platform

多くの製品は、これらを組み合わせて提供しています。

MCP、Skills、Memoryは必須なのか

MCP、Skills、Memoryは、実用的なAgentシステムを作るうえで重要な要素です。

ただし、Agent Runtimeの必須条件ではありません。

最小構成のAgent Runtimeは、次のようなものです。

LLMを呼び出す
  ↓
LLMがToolを選ぶ
  ↓
Toolを実行する
  ↓
結果をLLMへ返す
  ↓
完了するまで繰り返す

MCP、Skills、Memoryは、このRuntimeを拡張するための仕組みです。

  • MCP:外部システムとの接続を標準化する
  • Skills:作業手順を再利用可能にする
  • Memory:過去の情報や経験を利用可能にする

つまり、必須ではありませんが、複雑な業務を安定して実行するには重要です。

まとめ

Agent、Agent Runtime、Agent Platformの違いは、次のように整理できます。

Agent
= 目的を持ち、次の行動を判断する主体

Agent Runtime
= Agentの判断を実行し、ToolやMemoryを管理する環境

Agent Platform
= AgentとRuntimeを作成、運用、監視、管理する上位基盤

さらに短く表現すると、

Agent          = 考えて判断する
Agent Runtime  = 判断を実行する
Agent Platform = 全体を管理する

です。

Agent開発では、LLMやPromptだけを見るのではなく、

どのAgentを、どのRuntime上で動かし、どのPlatformで管理するか

を考える必要があります。

また、Tool、Skill、MCP、Memoryは、それぞれAgentを支える部品です。

これらを分けて考えると、Agent関連の製品やアーキテクチャを理解しやすくなると思います。

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