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第十四話:世界初達成?「Basic認証のサイトでも使えますか?」という問い合わせから始まった話

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Last updated at Posted at 2026-07-26

🟨 この記事はClaude Code(AI)と2ヶ月で開発した日本初のWebサイト校正ツール「fuSen」の開発ブログです。登録不要でデモを試せます → https://app.fusen.cloud/demo

ある日、fuSenにこんな問い合わせが届いた。

「Basic認証がかかったサイトでも、fuSenで校正できますか?」

Web制作をしている人なら、この質問の意味がすぐわかると思う。


リリース前のサイトこそ、校正が必要な場所

Webサイトを公開する前、多くの制作会社はテスト環境(ステージング環境)を用意する。

そして、そこにはBasic認証をかける。IDとパスワードを入力しないと見られないようにして、検索エンジンや無関係な人がアクセスできないようにするためだ。

日本のWeb制作現場では、これはもう当たり前の作法だ。

そして、クライアントに確認してもらうのは、まさにこの公開前のステージング環境なのだ。

「ここの文言を変えてほしい」「この画像を差し替えて」——そういう修正指示のやりとりは、公開前にこそ集中する。

つまり、Basic認証がかかったサイトで校正できないツールは、Web制作者が一番使いたい場面で使えないということになる。

image.png


調べてみたら、業界全体の未解決問題だった

問い合わせをもらって、まず競合ツールがどう対応しているのか調べてみた。

結果は、驚くべきものだった。

本家のMarkup.ioは、Basic認証のサイトに対応できていない。プロキシ経由でサイトを取得する仕組みが、認証の壁を越えられないのだ。

公式のヘルプページには、こう書かれている。

「開発チームに相談して、認証を一時的に無効化できないか確認してください」

つまり、**「諦めてください」**と言っているに等しい。

海外のレビュー記事でも、こう指摘されていた。エージェンシーが最もフィードバックを必要とする場所——まさにそこで機能しない、と。

Ruttlというツールは、Chrome拡張機能を追加でインストールすれば使える、という回避策を用意している。ただ、これはクライアントにも拡張機能を入れてもらう必要があり、ハードルが上がる。

その他のiframe型ツールも、軒並みBasic認証には対応できていない。

つまりこれは、fuSenだけの課題ではなく、業界全体の未解決問題だったのだ。


だからこそ、やる価値があった

ここで自分の頭に浮かんだのは、4話で書いたノーコード対応のときと同じ感覚だった。

「みんなができていない。だからこそ、やる価値がある。」

日本のWeb制作現場を20年見てきた自分には、この機能がどれだけ重要かがはっきりわかっていた。

ステージング環境で校正できないなら、fuSenは「公開後のサイトにしか使えないツール」になってしまう。それでは、実務で本当に必要とされる場面をカバーできない。

問い合わせをくれたその方は、まさに現場でそれを必要としていた。

だから、対応することにした。


拡張機能なしで、実現した

実装のアプローチについて、詳しくは書けない。

でも、ひとつだけ強調しておきたいことがある。

fuSenのBasic認証対応は、Chrome拡張機能のインストールを必要としない

クライアントに「まずこの拡張機能を入れてください」とお願いする必要はない。これまで通り、URLを共有するだけ。相手は何もインストールせず、登録もせず、ブラウザで開くだけで校正に参加できる。

この「クライアント側に負担をかけない」というfuSenの原則は、絶対に崩したくなかった。

そもそもfuSenを作った理由が、「クライアントがツールを使えない」という20年間の悩みだったのだから。


ユーザーの声が、世界水準の機能を生んだ

こうしてfuSenは、Basic認証のかかったステージング環境でも使えるようになった。

本家Markupが「諦めてください」と案内している問題を、正面から解決した。Ruttlのように拡張機能を追加する必要もない。

改めて振り返ると、これはノーコード対応に続く、fuSenの2つ目の決定的な差別化になったと思う。

そして何より嬉しいのは、この機能がユーザーからの問い合わせから生まれたことだ。

「こういうことはできますか?」というひとつの質問が、世界の主要ツールが解決できていない機能の実装につながった。

10話で「プロモーションは大変だ」と書いたけれど、こういう瞬間があるから続けられる。使ってくれる人がいて、声をかけてくれる人がいて、その声が製品を前に進めてくれる。

問い合わせをくださった方に、心から感謝したい。


次回:Webサイトが「看板」から「基幹システム」になった20年。Web制作の現場で見てきた変化の話。


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