・人の感情を測ることはできる?
・ウェアラブル機器や、非接触測定が可能?
Freddy Paz, J. Pow-Sang, International Journal of Software Engineering and its Applications (2016)
ソフトウェアの評価法にはさまざまなカテゴリがありますが、その中にユーザビリティの評価があります。
上の論文では、さまざまなユーザビリティ評価の方法が記載されています。
質問紙や、Thinking Aloudなど、言葉を使った方法が多く挙げらています。
ソフトウェアを扱っているときの、ユーザの感情を、もっとダイレクトに測ることはできないのでしょうか?
感情を測る方法としては、たとえば、以下の文献では複数の計測について特徴が述べてあります。
Human Emotion Recognition: Review of Sensors and Methods
Electroencephalography (EEG) 脳波計
Electrocardiography (ECG) 心電計
Galvanic Skin Response (GSR) 皮膚コンダクタンス反応
photoplethysmography (PPG) for Heart Rate Variability (HRV) 心拍計
Electromyogram (EMG) 表情筋の筋電計
測定機器の小型化が進められており、wifiなどの無線通信によるウェアラブル機器が出ています。
また、最近では画像をベースにした表情検知もあります。これは非接触機器です。
さまざまな信号を複合したり(multimodal、マルチモーダル)、機械学習で解析したりする方法も出てきています。
少し古い話しになりますが、1998年に、アップル社の半透明プラスチック、モニター 一体型の iMac G3 が出たときに、おしゃれ、と思った人、多いのではないかと思います。
本体、キーボード、マウス、電源ケーブルに、半透明のプラスチックカバーが使われており、それまで、ベージュや白が多かったパソコンのイメージを一新したモデルでした。
サードパーティーから透明ケースのアクセサリが販売され、さらには、ぜんぜん関係がないものまで半透明のものが発売されました。
当時を思い出しても、衝撃的でした。
1億ドルを超える大規模マーケティングキャンペーンが展開されたこと、178,000円(当時)という低価格が広く受け入れられ、4ヶ月で80万台出荷というヒット商品となり、それまで経営危機が囁かれていたAppleの復活を強く印象づけた(実際には1997年第4四半期に黒字化している)。
Apple ウィキペディア より引用
デザインが人に与える影響は、たくさんあります。
ふだん使っているものに、非常にすぐれたデザインがされていることも多々あります。
こうした製品をさわるときのユーザの感情を測ることで、よいデザインを意図して作り出すことができるのでしょうか?