「え、OpenAIとAnthropicが協力?ライバルじゃないの?」
そう思った方、正解です。でも現実に起きました。
2025年12月、Linux Foundation傘下に**Agentic AI Foundation (AAIF)**が設立。創設メンバーにはOpenAI、Anthropic、Google、Microsoft、AWSが名を連ねています。
これはAI業界にとってHTTPの標準化に匹敵する歴史的な出来事です。
結論から言うと...
AIエージェント開発者は**MCP(Model Context Protocol)とA2A(Agent2Agent)**の2つのプロトコルを今すぐ学ぶべきです。これらは今後のAIエージェント開発の「共通言語」になります。
Agentic AI Foundation (AAIF) とは?
創設メンバーがヤバい
Platinumメンバー:
- Anthropic(Claude)
- OpenAI(ChatGPT)
- Microsoft
- AWS
- Block
- Cloudflare
- Bloomberg
Goldメンバー:
IBM、Oracle、SAP、Snowflake、Cisco、Docker、JetBrains、Datadog...
Silverメンバー:
Hugging Face、Uber、Pydantic...
競合他社が全員集合しています。これが何を意味するか分かりますか?
AIエージェントの相互運用性が業界全体の最優先課題になったということです。
3つの創設プロジェクト
| プロジェクト | 開発元 | 役割 |
|---|---|---|
| MCP | Anthropic | エージェントとツールの接続 |
| goose | Block | オープンソースAIエージェントフレームワーク |
| AGENTS.md | OpenAI | AIコーディングエージェントのガイドライン標準 |
MCP vs A2A:何が違う?
ここが超重要です。
MCP(Model Context Protocol)
エージェント ←→ ツール・データ・API
MCPは**「縦の統合」**を担当。エージェントが外部ツールやデータソースにアクセスするためのプロトコルです。
例:
- Claude CodeがGitHubリポジトリを操作
- エージェントがSlackにメッセージ送信
- データベースからの情報取得
Anthropicはこれを**「AIのUSB-C」**と表現しています。どんなツールでも同じ規格で繋がる、という意味です。
A2A(Agent2Agent Protocol)
エージェント ←→ エージェント
A2Aは**「横の連携」**を担当。複数のエージェント同士がコミュニケーションするためのプロトコルです。
例:
- 調査エージェントが分析エージェントにデータを渡す
- 購買エージェントが支払いエージェントと連携
- 複数の専門エージェントがチームとして動く
図解:MCPとA2Aの関係
┌─────────────────────────────────────────────────────┐
│ エージェントチーム │
│ ┌─────────┐ A2A ┌─────────┐ │
│ │Agent A │◄──────────►│Agent B │ │
│ └────┬────┘ └────┬────┘ │
│ │ MCP │ MCP │
│ ▼ ▼ │
│ ┌─────────┐ ┌─────────┐ │
│ │ GitHub │ │ Slack │ │
│ └─────────┘ └─────────┘ │
└─────────────────────────────────────────────────────┘
覚え方: MCP = ツール接続、A2A = エージェント間通信
開発者が今すぐやるべきこと
1. MCPサーバーの構築を学ぶ
MCPサーバーは既に10,000以上公開されています。
// 最小限のMCPサーバー例
import { Server } from "@modelcontextprotocol/sdk/server";
const server = new Server({
name: "my-tool",
version: "1.0.0"
});
server.setRequestHandler("tools/call", async (request) => {
// ツールの実装
});
2. AGENTS.mdを書く
60,000以上のオープンソースプロジェクトが既に採用しています。
# AGENTS.md
## Project Overview
このプロジェクトはXXXを行うアプリケーションです。
## Coding Guidelines
- TypeScript 5.x を使用
- テストは Jest で実行
- コミットメッセージは Conventional Commits 形式
## Agent Instructions
- 新機能追加時は必ずテストを書くこと
- セキュリティに関わる変更はレビュー必須
対応済みのエージェント:
- Claude Code
- GitHub Copilot
- Cursor
- Devin
- Gemini CLI
- VS Code
3. A2Aプロトコルを理解する
マルチエージェントシステムを構築するなら必須です。
# A2Aでエージェント間通信(概念コード)
from a2a import AgentClient
client = AgentClient()
# 別のエージェントにタスクを依頼
response = await client.send_task(
to="research-agent",
task="2026年のAIトレンドを調査して",
callback="analysis-agent"
)
Googleの衝撃発表:Universal Commerce Protocol
2026年1月11日、GoogleがUniversal Commerce Protocolを発表しました。
これは何かというと...
AIエージェントがネットショッピングできるプロトコルです。
パートナー企業:
- Shopify
- Etsy
- Wayfair
- Target
- Walmart
- Visa
- Mastercard
近い将来、こんな会話が当たり前になります:
あなた:「来週の出張用にビジネスシューズ買っておいて」
AIエージェント:「承知しました。予算と好みのブランドを教えてください」
あなた:「3万円以内で、黒の革靴」
AIエージェント:「Amazonで評価4.5以上の商品を3つ見つけました。1番目を注文しますか?」
なぜ今、標準化が急務なのか
Before(標準化前)
OpenAI Agent ────?────► Anthropic Agent
│
通信不可能
各社が独自プロトコルで開発 → エージェント同士が連携できない
After(AAIF標準化後)
OpenAI Agent ───A2A───► Anthropic Agent
│ │
MCP MCP
│ │
Tools Tools
共通プロトコルで相互運用性が保証される
企業への影響
エンタープライズ採用が加速
Anthropic Claudeは既に**企業市場シェア32%**を獲得し、OpenAIを抜いています。
AAIF設立により:
- ベンダーロックインの懸念が減少
- マルチベンダー戦略が取りやすくなる
- セキュリティ・ガバナンスの標準化
予測される市場変化
| 項目 | 2025年 | 2026年予測 |
|---|---|---|
| Anthropic収益 | $47億 | $150億 |
| OpenAI収益 | $130億 | $300億 |
| MCP対応ツール数 | 10,000+ | 50,000+(予測) |
まとめ
今日のポイント:
- AAIF設立 - AI業界の巨人たちが標準化で協力
- MCP - エージェントとツールを繋ぐ「USB-C」
- A2A - エージェント間の共通言語
- AGENTS.md - プロジェクトにAIエージェント用のガイドラインを書こう
- Universal Commerce Protocol - AIが買い物する時代へ
AIエージェント開発は2026年、実験段階から本番投入段階へ移行します。
今のうちにMCPとA2Aを学んでおけば、確実に市場価値が上がります。
参考リンク
皆さんはMCPやA2Aを使ったことがありますか?感想や質問があればコメントで教えてください!
次回は「MCPサーバーを30分で作る実践チュートリアル」を予定しています。お楽しみに!