この文章は初めてAndroidスマートフォン用アプリケーションをKotlin言語(ことりん)で開発する方法を学びたい人向けに書かれています。
はじめに
新しいプログラミング言語や開発環境を覚えようと思ったら、まず大切なのは情報収集です。
良質の本を用意して読破すると良いでしょう。一通り覚えたら、次は実践です。インターネット上のサンプルをじっくり読んだり、サンプルが豊富な書籍で学習していくと良いでしょう。最後に自分でお題を決めてなにか一つのアプリケーションを完成させてみましょう。
Kotlinでも同じです。本を読み、サンプルを理解し、実際にアプリを完成させることが重要であり、学習の近道です。
Kotlinを覚えるコツ
手を動かしましょう。本を読んだり動画を見たりして理解できたつもりでも、実際に手を動かさないとなかなか記憶として定着しにくいものでです。実際にKotlinのREPL環境でコードを入力して実行してみましょう。
※REPL=対話型評価環境。プログラムを書いてすぐに試してみる事ができる環境です。Android StudioをインストールすればKotlinのREPL環境も一緒にインストールされます。
少し変更してみましょう
サンプルソースをちょっとだけ変更してみましょう。どこを変更すると、どのように動作が変わるのかを理解することとができます。
多くのサンプルに触れましょう
たくさんのサンプルソースを実行してみましょう。KotlinとAndroidで何ができるのかを理解することが、あなたの作りたいアプリケーションを現実のものにする近道です。またどんなアプリケーションを作りたいか決めていない人には、アプリのアイディアの源泉となるでしょう。
Kotlin学習のためのリソース
Kotlinを学習するにあたり参考にしたもの、参考になりそうなものを集めてみました。
書籍
まだKotlin言語の参考書は多くありません。定番の書籍を記載しておきます。
スッキリわかるJava入門
http://amzn.to/2B7i81S
Java入門書のベストセラーです。全くのプログラミング初心者は一通り目を通してからKotlinに入りましょう。そのほうがオブジェクト指向やJavaのことを理解できるので、すんなりとKotlinに入ることができます。
KotlinとはJava Vertial Machine言語です。Javaと無縁のものではないのです。そのため、Javaの知識も多少必要です。オブジェクト指向の知識がない、Javaを全く知らないという、全くのプログラミング初心者は、Javaに関する一通りの知識と、オブジェクトとは何か?というところから入ると良いでしょう。Kotlinを覚えるためにJavaを覚えるというのは、遠回りなようでそれが一番の近道です。
特にAndroid開発をするのであれば、現状Android APIがJavaで作られている関係上、Javaはかけなくても読めるぐらいにはしておくと何かと役に立ちます。
Kotlinスタートブック
http://amzn.to/2iKHE6v
いわゆる赤べこ本です。太郎さん(日本Kotlinユーザグループ代表)の本です。
Kotlinイン・アクション
http://amzn.to/2A4N2LH
Kotlinスタートブックが物足りなくなったら、これも読むと良いでしょう。Kotlin1.0に対応しています。
Kotlin for Android Developers(English)
https://leanpub.com/kotlin-for-android-developers
Leanpubという電子書籍の販売および購入ができるサイトで販売されています。購入後に内容が思ったものと違っていれば返品も可能です。細かな説明はありませんのでサンプルコードをダウンロードして参照しながら読み進めることのできる人、ある程度プログラミング経験のある方向けです。初心者にはおすすめしません。
Android Kotlinスタイルガイド
https://android.github.io/kotlin-guides/style.html
KotlinでAndroidアプリケーションを開発する際のルールやコーディング基準です。命名規則やフォーマットなどはこれに則っておくと良いでしょう。
Kotlinチートシート
https://qiita.com/emboss369/items/c39f196e703447820b47
Javaはマスターしていて、ちょっとKotlinも触って見たいという場合、実際にKotlinのコードを動かすのが早いと思います。そこで実行できるコード付きのKotlinチートシートを作成しました。Kotlinをさらっと10分で眺めて見たいJavaプログラマや、Kotlinを始めたばかりのプログラマさんでKotlinの書き方をど忘れした時なんかに便利です。またWebブラウザからコードを実行できるので理解が早まります。
はじめてのAndroidプログラミング 第3版
https://amzn.to/2HkGEA5
今回AndroidをKotlinではじめたい方向けに書いた本です。Kotlin&Androidが初めてでもつまずかないよう丁寧に説明しています。Androidの入門書でKotlinの本はこれが初めてだと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
サンプルソース
実践で使えるコードをどんどん書けるようになるためには、とにかく人のソースを真似しましょう。サンプルソースは良い教材です。サンプルを動かしながら、KotlinとAndroidを深く理解していきましょう。そして、サンプルソースを自分なりに変更してみて、どのように動作がかわるのかを試してみましょう。
Try Kotlin
https://try.kotlinlang.org/
「Examples」にKotlinのサンプルコードが沢山あります。しかもオンラインでKotlinを実行することができるので、実際に動かして試してみることができます。また「Kotlin Koans」では42問の問題を解くことで短時間でKotlinの言語、構文、構造、およびいくつかの一般的な関数とライブラリを学ぶ事ができます。
※ちなみにkoanとは禅の公案(禅の精神を究明するための問題、いわゆる禅問答)に由来し、不完全なコードと、答えであるテストケースがセットになったものです。不完全なコードを修正したりコードを足したりすることで、テストケースが成功すれば正解です。koanは新しい言語やフレームワークを学習する最善の方法の1つです。
Kotlin samples
https://developer.android.com/samples/index.html?language=kotlin
まだKotlinのサンプルソースは少ないですが、Googleのサンプルが豊富で参考になります。
あなたのおすすめのリソースがあれば是非コメント欄へお願いします!