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生成AIによってプログラマの“最初の一歩”がラクになったと思う話

Last updated at Posted at 2025-06-08

はじめに : プログラミングの「最初の一歩」は結構難しい

プログラミングを学んでいて、「とにかく何か作ってみろ」と言われた経験はありませんか?
私はあります。

参考書やe-Learningなどで勉強して基本的なことは多少わかってきても、「何か作ってみろ」と言われると、案外手が動かないものです。

振り返ると、ゼロから何か1つ動くものを作るというのは、初心者にとって精神的・技術的になかなかのハードルだと思うわけです。

どの言語を使うのか、どうやってその言語を使えるように環境を構築するのか、そもそもその言語で良いのか…
――そんな状態からスタートする人にとって、「まず作ってみる」という行為は大きな壁になります。


既存コードの編集は取り組みやすい

逆に、ある程度組まれたコードが最初から手元にある場合、学びやすさは一気に変わります。
「これが実際に動くコードです」と提示されたものに対して、「ここを少し変えてみよう」と試行錯誤するプロセスは、比較的スムーズに入っていけることが多いのではないでしょうか。

私が大学で画像生成AIの研究をしていたときも、最初は1からモデルを構築するのではなく、GitHubに公開されている既存のコードを持ってきて、「動かすところまで持っていく」ことに注力していました。
(とはいえ、その「動かす」までが本当に大変で、英語のドキュメントを読んだり、論文を漁ったり、地道な環境構築で何日も潰れましたが…)


それでも「動くところまで持っていく」ことの難しさ

初学者と、ある程度経験を積んだ人の間には圧倒的な「実装力」の差があると思います。
この実装力とは、単にプログラミング言語の文法を知っているだけでなく、

  • やりたいことをどうコードに落とし込むかを考える力
  • 必要な技術やライブラリを調べて組み合わせる力
  • 環境構築やコーディングで発生したエラーを調べて解決できる力

など、総合的な力のことだと思っています。

「とりあえずやってみよう」と思っても、そもそも「やってみる」ことのハードルが高い――そんな現実に直面して、学習の歩みを止めてしまう人も少なくないのではないでしょうか。


生成AIによる変化 : 最初のハードルが下がった

そうした「初学者の最初のハードル」が、生成AI(LLM)の進化によって最近かなり下がっていると感じています。

✅ やりたいことを投げれば手順が返ってくる

ChatGPTやClaudeのようなLLMに
「チャットアプリを作りたい」「簡単なToDoリストを作りたい」
と投げかければ、どの言語で、どんなライブラリを使って、どう手を動かせばいいのか、手順を具体的に教えてくれます。

✅ Cursorが詰まりポイントを減らしてくれる

最近流行りのCursorのようなAI支援機能を搭載したコードエディタを使えば、コードを打っていて発生する小さな詰まり――

  • スペルミス
  • 型の不一致
  • 構文ミス

といった、本質的ではないエラーで学習が止まることを避けられます。
(しょうもないエラーの割に、慣れていないと意外に時間を取られるんですよね)
Cursorを使えば、「ここを直せば動くよ」すぐ提案してくれるので、スムーズに思考を続けることができます。
普段は業務で使っていますが、便利すぎて最近プライベートの開発でも使いたくなってきたので、個人用として自前で課金をしようかと悩んでいます。

✅ Amazon Q Developerなどでアプリも作れる

さらに、AWSを触れる環境にあるのであれば、Amazon Q Developer のようなツールを使うことで、IDE上でコード補完や生成、テストまでサポートしてくれるので、LLMの助けを借りながら簡単なWebアプリやLambda関数、S3との連携なども、一人でも十分に取り組める時代になっています。


初学者にとって今が学び時だと思う理由

このように、今はプログラミングで何かを作ろうと思ったときの 「最初の一歩」をラクに踏み出せる時代 になっています。
昔なら何時間もかけて調べていた環境構築や手順確認が、LLMとの対話で数分に短縮される。
ちょっとしたコードエラーにもすぐ気づける。

「動いた!」という体験が得やすい。

この“最初の動くものを作る”という成功体験をスピーディに得られることは、初学者にとって大きなモチベーションになるでしょう。
生成AIは、学習の加速装置であるだけでなく、「やめずに続ける」ための支えにもなると思うわけです。


「生成AIがプログラマの仕事を奪う」は本当か?

生成AIの進化によって「人間のプログラマは不要になる」という論調があります。
たしかに、コードの補完や自動生成はAIの得意分野になりつつありますが、
AIが出力したコードの意味を理解し、状況に合わせて取捨選択する判断力は、依然として人間の役割です。

むしろ、AIがルーチン的な作業を肩代わりしてくれることで、
人間のエンジニアは より創造的で本質的な部分(設計・最適化・ユーザー視点の改善など) に集中できるようになってきました。

つまり、「奪われる」というよりは、役割の質が変わっていくというのが実態に近いと感じます。

これからプログラミングを学ぶ人にとっては、
“AIと一緒に考える力”こそが、今後ますます重要になるスキル だと言えるでしょう。


まとめ : 生成AI時代の学び方

かつての「まずは何か作れ」は、今では「AIと一緒に作ってみよう」に進化しました。
すぐに動くものができる時代だからこそ、次は

  • どうして動くのか?
  • どうすればもっとよくなるか?

といった、より本質的な学びに目を向けられるようになっています。

これからプログラミングを学びたいと思っている方、途中で挫折してしまった方にも、 「今なら、前よりもずっと学びやすい環境が整っている」 と伝えたいです。

そして何より、“最初の一歩がラクになる”ことは、誰にとっても嬉しいことです。


おわりに

もしこの記事が、これからプログラミングを始めようとしている誰かの”最初の一歩”を後押しできたなら幸いです。
私もまだまだ修行中の身ですが、AIの力をふんだんに借りながら、一歩ずつ進んでいきたいと思います。

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