本記載は、Kiro Pricingが開始された当日に、一般ユーザーが試してみた内容です。
公式からの情報と差異がある場合は公式の内容が正となりますので、あらかじめご了承ください。
はじめに
- 本日2025年8月16日、朝起きると以下メールがAWSから届いていました(日本語訳)。
こんにちは、 多くの方から、現在の制限を超えてKiroを使用する方法についてお問い合わせをいただいておりました。 Kiro料金プランの開始により、これが実現可能になりました。 Kiroはまだプレビュー版ですが、本日より、既存のアカウントを新しいKiro Freeプランに移行し、課金オプションを有効にいたします。 Kiro Freeプランでは、月に50回のvibeリクエストに加え、すべての機能をお試しいただけるよう2週間のボーナスとして100回のspecリクエストと100回のvibeリクエストをご提供いたします。 本日からいつでも別のプランに変更することができます。 必要な操作 新しい使用量ダッシュボードと料金プラン管理をご確認いただくため、Kiro IDEをv0.2.13以降にアップデートしてください。古いバージョンのKiroを継続してご使用いただけますが、気づかないうちに無料割り当てを消費してしまう可能性があります。 本日リリースされるその他の機能 ✓ IDE内でのspecおよびvibeリクエストのリアルタイム使用量追跡 ✓ 課金ダッシュボード ✓ アップグレード時のシンプルな日割り計算 ✓ プロフィールアイコン → 「プランをアップグレード」をクリックするだけの簡単アップグレード ご質問がございましたら、料金ページをご確認ください。 料金体系の詳細については、以前のブログ投稿をご覧ください。 または、ドキュメントをご確認いただくか、Discordでお気軽にお話しください。 この旅路にご参加いただき、ありがとうございます! Kiroチーム
- ついにKiroの有料プランが有効化されたということですね。
- 本記事では、Kiroの有料化に伴い、これってどうなの?と疑問に思っていたところを、実際に触って確認してみようと思います。
公式サイトをチェック
- Kiroの公式サイトにはいくつかサブページが存在しており、その中で有力なリリースノートと公式ブログの内容を翻訳し、気になる点を整理してみます。
リリースノートチェック
リリースノート v0.2.x
このリリースでは、アクセシビリティ、アカウント管理、プラットフォーム全体の信頼性に関する主要な改善が行われました。
🎟️ ウェイトリストコードサポート
ウェイトリストコードにより、より多くの開発者がKiroにアクセスできるようになりました。
ウェイトリストコードをお持ちの場合、登録してAI搭載の開発ワークフローで成長するコミュニティと共に開発を始めることができます。
💳 有料プランが利用可能に
有料プランが開始され、より高い使用量制限にアクセスできます。
開発ニーズに合ったプランを選択し、AI搭載ワークフローをスケールしてください。
📊 使用量追跡と課金ダッシュボード
Kiroの消費量をモニターするための包括的な使用量追跡を導入しました。
新しい課金ダッシュボードでは、specおよびvibeリクエストのリアルタイム使用量、プラン管理オプション、有料プランの超過使用量制御が表示されます。
その他の改善点
セキュリティ・信頼性
コマンド信頼性の強化:パイプコマンド(ls -la | grep ".js")の処理を改善し、コマンドチェーンに対するより明確な信頼要件を設定
ワークスペース保護:ファイルシステムツールの制限を改善し、外部への意図しない変更をより適切に防止
コマンド境界:潜在的に危険なパターンを含むコマンドは、明示的に信頼されない限り手動承認が必要
パフォーマンス・信頼性
自動リトライ:バックエンドリクエストの失敗時に自動的にリトライし、信頼性を向上
モデル効率の最適化:Sonnetでのフロンティアモデル使用を最適化する改善
ユーザーエクスペリエンス
ライトモードの改善:視覚的一貫性を向上させるためのテーマ問題を解決
ログインエラーの明確化:認証失敗時により分かりやすいエラーメッセージを提供
コメント
- 使用量追跡と課金ダッシュボード
- これが一番気になっていました。この後見ていきましょう。
- 自動リトライ
- 旧来のバージョンでも、例えばtasksがエラーになった場合はコマンドを変えたりして再実行してくれていましたが、これはそれと比べてどう違うのかが気になりますね。
- と言いつつ、これは確認する方法がぱっと思い浮かばないのですが...
- ログインエラーの明確化
- 過去Proxy環境下で認証が正常にできない場合にエラーとなっていたのですが、どのステータスでエラーになったのかがわかりませんでした。
- これがわかるようになると想像されるこの修正はいいですね。
Blogチェック
Blog内容
# Kiroの料金プランが開始されました
過去数週間にわたり、いくつかの重要なKiroの料金更新をお知らせしてきました。
これらの料金モデルの更新は、皆様からのフィードバックに応じて行いました。
コミュニティの多くの方々から、日次プレビュー制限を超えてKiroを使用する方法についてお問い合わせをいただき、また他の方々はウェイトリストから外れてKiroを試してみたいとお考えでした。
本日、料金プランを提供開始いたします。
これにより、既にウェイトリストに登録いただいているすべてのKiro愛好者の方々のオンボーディングを加速し、既存ユーザーの皆様にKiro使用量をより細かく制御していただけるようになります。
## これがあなたにとって何を意味するか
本日より、Q Developer subscriptionを持たないGoogle、GitHub、またはAWS Builder IDアカウントでログインするユーザーは、新しい料金モデルに移行されました。
これらのアカウントは現在Freeティアに設定され、月50回のVibeリクエストと0回のSpecリクエストが含まれます。
また、すべてのユーザーに100回のSpecリクエストと100回のVibeリクエストのウェルカムボーナスを導入しています。
このボーナスは新しい料金プランでの使用開始から最初の14日間利用可能で、どのティアをご利用であってもお客様の最初のリクエストから計算が開始されます。
これにより、Kiroの全機能を体験し、使用ニーズを把握する時間を提供いたします。
アップグレードの準備ができましたら、3つの有料オプションがあります:
## 使用量のモニタリング
VibeリクエストとSpecリクエストの両方について、プラン制限に対する月次使用量をモニターし、有効な場合は超過料金を追跡し、サブスクリプションプランを管理できます。
詳細については、Kiroドキュメントをご確認ください。
## プランのアップグレード
準備ができましたら、アップグレードは簡単です:
1. Kiroでプロフィールアイコンをクリックし、「プランをアップグレード」を選択
2. お好みのプラン(Pro、Pro+、またはPower)を選択
3. 支払い詳細を入力すると、新しいプランがすぐに有効になります
いつでもアップグレード、ダウングレード、課金履歴の確認、支払い詳細の更新が可能で、変更は即座に反映されます。
どのプランを選択すべきかわからない場合は、以下の推奨事項をご参考ください:
**開始時**:使用パターンを学習している間は柔軟性のためProを選択し、超過使用を有効にしてください。
**既知の使用パターン**:通常の月次使用量を若干の余裕を持ってカバーする最小のプランを選択してください。
**固定コスト**:ピーク使用量をカバーするプランを選択し、超過使用を無効にしてください。使用量は月次制限で停止し、翌月にリセットされます。
## 重要:v0.2.13以降にアップグレードしてください
新しい使用量ダッシュボードにアクセスしてプランを管理するには、Kiroの設定アイコンをクリックして「アップデートを確認...」を選択し、Kiro v0.2.13以降にアップグレードしてください。
## ご質問とフィードバック
詳細な料金に関するご質問については、更新された料金FAQとドキュメントをご確認いただくか、サブスクリプションモデルに関する最近のブログ投稿をお読みください。Discordコミュニティに参加して、フィードバックを共有し、質問をし、他の開発者がKiroをどのように使用しているかをご覧ください。
Kiro v0.2.13にアップデートし、使用量ダッシュボードを探索し、開発ニーズに合ったプランを選択して、新しい料金ティアを始めましょう。
コメント
- 有料プランの対象
- 以下の記載はかなり重要な意味を持つと考えています。
本日より、Q Developer subscriptionを持たないGoogle、GitHub、またはAWS Builder IDアカウントでログインするユーザーは、新しい料金モデルに移行されました。
- すなわち、Q Developer ProのsubscriptionとKiroの有料subscriptionは完全別だと思っていましたが、ある程度連動させる気があるのかもしれない、ということです。
- ただ、現状Kiroには組織請求(Organizationの一括請求)ができないため、その一時策なのかもしれません。
- 以下の記載はかなり重要な意味を持つと考えています。
- プランのアップグレード
- Pricingを有効化する方法が記されています。これは後程試してみます。
試してみよう!!
Update
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サインイン状況の確認
今回、バージョンアップ前の段階でIdentity Center(Amazon Q Developer Pro Subscription)でログインしていたため、ログイン状況が表示されています。
AWS Builder IDでリログイン
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Identity Centerでのログインからログアウト
使用状況確認機能
初期画面
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一方、以前のPricing Listでは、"Kiro Free"プランであっても、2週間はトライアルとして100Spec Requestが可能と言われていましたが、それが表現されていないように見えます。
- あれ?と思って最新のPricingListを見に行くと、以前はあったトライアル100Spec Requestの記載が消えていました。
- おそらく、14日間のwelcomeボーナスにまとめられた(期間も14日=2週間で同じ)のでしょう...
- このwelcomeボーナスがなくなった後、Kiro Freeプランがどうなるかが気になるところです。
- あれ?と思って最新のPricingListを見に行くと、以前はあったトライアル100Spec Requestの記載が消えていました。
使ってカウントを見てみる
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適当に、以下の要件を伝えてみました
AWSで個人ブログサイトを作成したいです。
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最初の"Requirements"Stepが終わったところで使用状況を確認してみたところ、以下でした
この操作では2 Vibe Request/0 Spec Requestが使用されました。
なお、ブログにも記載されていますが、Specモードのやり取り=Spec Requestではありません。
具体的にどの操作がSpec Requestで、どの操作がVibe Requestなのかは、使ってみつつ確認します。 -
次の"Design"Stepが終わったところで使用状況を確認してみたところ、以下でした
この操作では1 Vibe Request/0 Spec Requestが使用されました。
操作の中でMCPサーバを呼び出しているため数リクエスト消費される?と思っていましたが、特にそうでもないようです。 -
次の"task"Stepが終わったところで使用状況を確認してみたところ、以下でした
この操作では2 Vibe Request/0 Spec Requestが使用されました。
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(本来は"Requirements"Stepですべきだったのですが...)ここで、taskに追加要望を伝えてみます
以下追加要望AWS環境構築はTerraformを使用するようにしてください
この操作では1 Vibe Request/0 Spec Requestが使用されました。
SpecモードにおけるチャットもVibe Request換算なんですね。 -
"tasks.md"の1つ目のタスクを"Start task"してみます
この操作では1 Vibe Request/3 Spec Requestが使用されました。
ついにSpec Requestがカウントされました。ただ、taskの実行は主にはSpec Request換算のようですが、Vibe Requestもカウントされているのが正直不思議でした。このtaskの中では、14ファイルが作成され、6コマンドが実行され、コマンドのエラーから4ファイルが修正されていました。当然ながらその分量にもよる点と、複数taskがあるうちのまだ1つ目という点もありますが、思っていたよりRequest数の消化が少ないな...と感じました。
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taskに対して、追加リクエストを出してみます
実行したことを日本語で解説してください
この操作では2 Vibe Request/0 Spec Requestが使用されました。
taskに対しての追加指示はVibe換算なんですね。
Upgrade Planしてみる
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支払い画面が表示されるので、必要事項を入力して申し込みます
ポイントとして、初月は日割り計算になっているということ、また、$20のプランもちゃんと消費税が含まれて$22が必要になる(´;ω;`)ことがわかります。
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Kiroに戻ると画面表示自体は変更はありませんでしたが、使用状況を確認すると、すでにProプランになっていることを確認できました
よく見ると、利用料金が日割り(約半額)になっているように、利用可能なRequest数も半分になっていました。
しっかりしてやがる...もう一つ気になる点として、Overages=規定のUsageを超えた場合に追加費用を払って使うか?というトグルがあることにも意識しておく必要があります。デフォルトはOFF(画像の通り)ですが、無意識に使いすぎて追加費用がとんでもなくなる...なんてことがないのはいいですね。
もちろん、今月はしっかり使いたい、費用は掛かってもしょうがない、という場合はトグルをONにしておきましょう。
おわりに
- 使ってみた結果としては、Spec RequestとVibe Requestは以下を利用したときにカウントされるようです。
- Spec Request
- taskを実行する。
- Vibe Request
- Spec Modeで要件を伝え、"Requiremens"、"Design"、"Task List"を作成する。
- Spec Modeで追加要件を伝え、"Requiremens"、"Design"、"Task List"を編集する。
- taskを実行中に、プロンプトで追加指示を出す。
- Spec Request
- 正直に言って、Specモードの処理がSpec Requestにカウントされないのは直観的じゃないなぁ...とは思います。
- 一方で、単価としてはSpecモードの方が高く、また、Specモードの実行は他のAIツールと比較すると動作が遅いといわれている情勢を加味すると、Kiro Freeプランを用いてSpecモードで安価にRequirements/Task Listをまとめ、Claude CodeやいっそAmazon Q Developer Proでコーディングする、という方式が主流になるのかも?と妄想しました。
- また、今回要件変更をほぼしなかったというのもありますが、RequirementsからTask List作成までで5Vibe Requestということもあり、Kiro Freeプランの50 Vibe Requestでも個人なら十分に余るような気がします。
皆さんもKiroが良いサービスだ!!と思われた方は、ぜひお布施を惜しまず、今後の発展に貢献されてみてはいかがでしょうか?
え?Kiro Powerプランにしないのかって???
無理のないお布施が大事なんですよね。ええ。はい。