はじめに
- 2025年8月2日に起床すると、TwitterにてKiroのPricingが公開されたという話が話題になっていました。
- Kiroの代名詞であるSpecと、旧来のAIツールでも実施できたVibeが別リクエスト換算になっていたことが特徴的だなぁと感じています。
- 実際にこのPricingやQAを覗いてみて、内容を整理したり、感じたことを整理してみました。
本記事は、事実と筆者の主観を交えて記載をしています。
内容の確からしさは保証が出来かねますのでご了承ください。
本記事は、2025年8月2日時点の情報に基づきます
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Kiro料金プラン
基本プラン
プラン名 | 月額料金 | Vibeリクエスト | Specリクエスト | 備考 |
---|---|---|---|---|
KIRO FREE | $0/月/ユーザー | 50 | 100(2週間トライアル) | 永続無料プラン移行後はSpecリクエストなし |
PRO TIER | $20/月/ユーザー | 225 | 125 | - |
PRO+ TIER | $40/月/ユーザー | 450 | 250 | - |
POWER TIER | $200/月/ユーザー | 2,250 | 1,250 | - |
追加料金(オーバレージ)
リクエストタイプ | 追加料金 | 適用プラン |
---|---|---|
追加Vibeリクエスト | $0.04/リクエスト | Pro、Pro+、Power |
追加Specリクエスト | $0.20/リクエスト | Pro、Pro+、Power |
料金計算例
Pro Tierユーザーが月間制限を超過した場合:
- 使用量:Vibeリクエスト250回(制限225+超過25)、Specリクエスト130回(制限125+超過5)
- 追加料金:$1.00(Vibe:25 × $0.04)+ $1.00(Spec:5 × $0.20)= $2.00
- 月額合計:$20.00(基本料金)+ $2.00(超過料金)= $22.00
料金に関するQ&Aの日本語訳
Kiroを無料で使用できる期間はどのくらいですか?
既存のプレビューユーザーは、料金プランが利用可能になるまでの今後数週間、Kiroを無料で継続して使用できます。その時点で、追加容量が必要な場合は有料プランを選択するか、無料プランで継続する必要があります。
Kiroには使用制限がありますか?
現在、Kiroの使用制限は緩和されていますが、料金プランが利用可能になる数週間後には、より明確な制限が設けられます。新規ユーザーは2週間の無料トライアルをご利用いただけます。トライアル終了後は、Kiroの有料プランのいずれかを選択するか、永続無料プランに切り替えてKiroを継続使用する必要があります。
Kiroの料金詳細で変更された点はありますか?
開発者コミュニティから、料金プランに関する貴重なフィードバックをいただきました。これには、異なるインタラクションの計算方法、vibeコーディングを通じて完了したタスク、異なるモデルを使用する際のタスクと仕様の計算方法などが含まれます。これらの洞察に基づき、開発者がKiroを使用する方法により適合するようにアプローチを進化させました。
Kiroは合理的な制限付きで無料のまま継続します。今後数週間で料金プランが利用可能になると、開発者は永続無料プランでKiroを無料で継続使用するか、有料プランにアップグレードすることができます。
Kiroの無料トライアルと永続無料プランはどのように機能しますか?
無料トライアルでは、2週間にわたってVibe(50リクエスト)とSpec(100リクエスト)の両方の機能にフルアクセスでき、Claude 4 Sonnetを搭載したKiroの完全な機能セットを体験できます。トライアル終了後は、有料プランにアップグレードするか、月間50のVibeリクエストを含む永続無料プランに移行して、コアコーディング支援への継続的なアクセスを維持できます。永続無料プランにはSpecリクエストは含まれません。
VibeリクエストとSpecリクエストはどのように定義されますか?
Specリクエストは、Kiroのspec駆動ワークフロー内でタスクを実行する際に発生します。これは構造化された開発プロセスを通じて機能を実装することです。
Vibeリクエストは、Kiroとのチャットベースのすべてのインタラクションをカバーします。これには、要件の生成、設計仕様の作成、リアルタイムコーディング支援、コード説明、バグ修正、コード補完、フック統合が含まれます。
リクエストのサイズ設定により、通常1つのvibeリクエストはユーザーからの1つのメッセージまたはプロンプトに相当し、1つのspecリクエストは単一タスクの実行に相当します。複雑なリクエストは、インタラクションごとに追加のspecまたはvibeリクエストを消費する場合があります。各リクエストはKiroとのインタラクションを開始した時点でカウントされ、使用量は月次でリセットされます。
KiroのSpecとVibeリクエストはどのモデルで動作していますか?
KiroのSpecとVibeリクエストは、Claude 4 Sonnetによって動作しています。
Kiro Pro、Pro+、またはPowerサブスクリプションで追加リクエストの支払いは可能ですか?
はい。すべての有料プラン(Pro、Pro+、Power)では、月間制限に達した際にKiroの使用を継続するためのオーバレージを有効にできます。追加のVibeリクエストは1つあたり$0.04、追加のSpecリクエストは1つあたり$0.20です。オーバレージは使用前に有効にする必要があり、プランに含まれる制限を超えた実際の使用量に基づいて月次で請求されます。
例えば、Proプランで250のVibeリクエスト(制限を25オーバー)と130のSpecリクエスト(制限を5オーバー)を使用した場合、追加で$2(Vibeリクエストで$1、Specリクエストで$1)が請求されます。
Kiroサブスクリプションをチームと共有できますか?
いいえ、サブスクリプションと使用制限は個人ユーザー単位です。チームでの使用には、各開発者が独自のサブスクリプションが必要です。
どのような支払い方法を受け付けていますか?
すべての主要なクレジットカードを受け付けています。
チーム全体の料金を支払うことはできますか?
現在、ソーシャルサインインとBuilder IDを使用した個人アカウント向けの有料プランをサポートしています。チーム請求と管理機能は近日提供予定です。
感想
Free Tierについて
正直、KiroのメインであるSpecリクエストを、Free Tierに対しては2週間のトライアル以降は利用不可にするというのは思い切ったなぁ...と思いました。
一方で、VibeリクエストについてはAmazon Q DeveloperのFree Tierのチャット回数と同じにしているのは、お互いを意識しているんだろうなと感じます。
統合開発者環境 (IDE) でのチャット、コードのデバッグ、テストの追加など (1 か月あたり 50 回まで)
尚、現時点で、Amazon Q Developerの50回とKiroの50回が合計でなのか、それぞれでなのか確定したことは言えませんが、おそらく分けて...なんじゃないかなと思ってみています。
もちろん、良いものにはお布施をしましょう。
そのお布施によってそのサービスが強化されます。
Pro Tier(有償プラン)以上について
前提
支払い金額が2倍、10倍となると、Vibeリクエスト/Specリクエストがそれぞれ2倍、10倍になります。
KiroはSpec機能が注目されている感がありますが、Hooksも忘れてはいけません。
ということで、Hooksが利用できるVibeリクエストも、Specリクエストも両方ともしっかり使用することを前提に考えてみます。
なお、以下の通り、1回の指示が1リクエストとしてカウントされる場合も、複数リクエストとしてカウントされる場合もあるため、何度リクエストが出せるか?を厳密に計算することは諦めています...
リクエストのサイズ設定により、通常1つのvibeリクエストはユーザーからの1つのメッセージまたはプロンプトに相当し、1つのspecリクエストは単一タスクの実行に相当します。複雑なリクエストは、インタラクションごとに追加のspecまたはvibeリクエストを消費する場合があります。
試算
- Pro Tierを契約し、規定の回数リクエストを行う/追加利用をする(オーバレージ)としたとき、どれくらいの利用だと上位プランに変更するとよいのかを試算してみました。
- 結論、Vibeを中心に使用する場合は、Pro契約+オーバレージする方が安上がりになる可能性があります。
- 一方で、Specを中心に使用する場合は、上位契約(Pro+もしくはPower)にした方がコスト効率は高くなりそうです。
シナリオ | 利用構成 | 月額 | 総回数 | 実質単価 |
---|---|---|---|---|
基本Pro | Vibe 225 + Spec 125 | $20.00 | 350回 | $0.0571 |
+Vibe倍増 | Vibe 450 + Spec 125 | $29.00 | 575回 | $0.0504 |
+Spec倍増 | Vibe 225 + Spec 250 | $45.00 | 475回 | $0.0947 |
+両方倍増 | Vibe 450 + Spec 250 | $54.00 | 700回 | $0.0771 |
- 同様の試算をPro+ Tierでしてみましたが、同様の試算になります。
シナリオ | 利用構成 | 月額 | 総回数 | 実質単価 |
---|---|---|---|---|
基本Pro+ | Vibe 450 + Spec 250 | $40.00 | 700回 | $0.0571 |
+Vibe倍増 | Vibe 900 + Spec 250 | $58.00 | 1,150回 | $0.0504 |
+Spec倍増 | Vibe 450 + Spec 500 | $90.00 | 950回 | $0.0947 |
+両方倍増 | Vibe 900 + Spec 500 | $108.00 | 1,400回 | $0.0771 |
- 一方で、1回の指示=1リクエストではないことから、今何リクエスト目であと何回できるのか?を常に確認する術が必要です。
- この機能がAWSからKiroの1機能としてリリースされるのか、それともClaude Codeにおけるccusageのように有志の方のツールがリリースされるのか、楽しみにしているところです。
料金に関するQ&Aについて
- 利用可能モデル
- 現在のKiroは、Claude 4 SonnetとClaude 3.7 Sonnetの両方を使用できます。
- この状態で、Claude 3.7 Sonnetを使用する...という方は正直少ないと思いますが、Q&Aによると、Claude 4 Sonnetに一本化されるようにみえます。
- Claude Codeの動向をみるとClaude 4 Opusが統合されるのはかなり...かなーーーーり先になる気はしますが、待ち遠しいです。
- 個人的に、AWS re:Invent2024やAWS Summit2025でも話題に上がっていた、コーディングに特化しているという噂のpoolsideのリリース、並びにKiro統合を楽しみにしています。
- 請求方法
- 現時点ではクレジットカード支払いにのみ対応を予定しています。
- また、Amazon Q Developerと異なり、AWSアカウントに紐づくチームでの利用は将来的に対応予定であり、最初のリリースでは個人請求のみに対応予定のようです。
- これは個人開発には影響はありませんが、会社としての利用を想定している場合は結構めんどくさいなぁ...という感覚です。
- 弊社では、請求書払いの場合は初回の申請時に清算処理をすればよいだけに対して、クレカ払いの場合は毎月清算処理が必要であり、清算が円払いだけなので毎月費用が為替で変わることになるんですよ...
- 似た境遇の方は、会社としての利用はしばらく我慢した方がよさそうです。
おわりに
KiroのPricingが公開され、また、来週からWaitlistに登録されていた方への受け入れを開始されるということから、Kiroを使ってみようとする方が本格化するのでは?と思ってみています。
https://x.com/kirodotdev/status/1951349714709782715
今までは無料だから使っていた方が多少離れたりはするでしょうが、Spec、そしてHooksなどかなり便利な機能が使いやすい形で提供されており、離れられないという方もかなり残るのでしょう。
いいものへは最適なコストをお支払いつつ、業務効率化に役立てていきましょう。
追伸
Proxy環境下でも認証が通るような仕組みができると弊社でも使えるのになぁと切に願っています...( = =) トオイメ
Proxy設定ができれば、弊社でも使える範囲はあるんですけれど...