はじめに
こんにちは、GxPのearlyです。
この記事は、グロースエクスパートナーズ Advent Calendar 2025の16日目の記事です。
私は普段、開発メンバーとして働いているのですが、今年の秋から新しいチームに参画することとなりました。案件はまだ走り出しの段階で、メンバーと密にコミュニケーションを取りながら認識を合わせていく必要があります。
その中で 「どうすればもっと自分の考えを伝えやすくなるんだろう?」 と考えるようになり、周りを観察したり、これまでの経験を振り返ったりしていました。
そこで得られた気づきについて、せっかくなので共有したいと思い、今回この記事を書くことにしました。
1. 用語を適切に扱う
「それからね、ぼくたちみんな、食料もっていかなくちゃいけないんだ。」
「なにをもってくんですって?」
「たべるもの。」
「ああ、そうか。」と、プーは、うれしそうにいいました。
「ぼくはまた、あなたが、しょくりょうっていったと思ったもんだから。」
—『クマのプーさん (岩波少年文庫)』A.A.ミルン著 https://a.co/bBVEQAB
自分の好きな場面から、クリストファー・ロビンとプーの会話をご紹介しました。
プーは「食料」という言葉の意味がわからず、「たべるもの」と言い換えられて初めて理解します。なんとも可愛らしいやり取りです。
現実のコミュニケーションでも、こうしたことは発生し得ることだと思います。相手が知らない言葉を使えば、話は伝わりません。
コミュニケーションが上手な方は、相手と同じ認識を共有するために用語を上手く使う傾向があると思います。
- 専門用語は、共通認識を前提に使う
- その場に詳しくない人がいると判断すれば、用語を避けたり補足を入れる
- 「誰と話しているのか」を常に意識している
つまり、説明の効率を上げるために、用語を状況に応じて使い分けていると感じました。
また、受け取る側にとって安心感のある話し方になるという利点もあるのではないでしょうか。
2. 結論から話す
観察してきた方々はよく、「結論から言うと…」 で話し始めます。
一般的にも推奨される方法と思うのですが、自分が良いなと感じたポイントとしては以下の3点です。
- 聞き手がどこに注目すればいいか分かる
- 話の構造が予測しやすくなる
- 時間の節約になる
逆に、だらだらと背景から入り始めると、聞き手の負担が一気に増えるのだと改めて感じました。
私は意見に自信がないとき、どうしても結論をぼかして前置きが長くなってしまいがちでしたが、意識的に少し実践して感じたこととしては、ひとまずの結論を先に伝えるだけでも、会話がずっと進めやすくなるということです。
3. 聞き手のインプット状況を把握してから話す
コミュニケーション上手な人は、どこまで説明すればいいかを見極めることがとても上手だと感じます。
例えば、
- 「ここまでは分かっていますか?」
- 「前提として共有しておきたいんですが…」
- 「この部分だけ説明すれば大丈夫ですか?」
というように、相手の理解度を探りながら話を進めていました。
このスタイルで会話が進むと、最小限の説明でスムーズに場が回ることが多い印象です。
また、逆に自分が聞き手側のときでも、理解度を明確に伝えてくれる方はとてもありがたい存在です。
- 「ここまでは分かっているので、その先の理由だけ教えてほしいです」
- 「AとBの違いだけ知りたいです」
といったように、相手がどんな情報を求めているのかを先に示しているため、説明する側の負荷が一気に下がり、やり取りがスムーズになっていたと感じます。
私自身もこの点は実践中です。話し手としては相手ごとに説明量を調整することが難しい時があります。例えば、聞き手が複数人いてインプット状況にばらつきがありそうな場面です。
一方で、聞き手側として実践するのであれば比較的容易で、すぐに効果を実感しやすい方法だと感じています。
4. 返答に困ったら“困っている理由”そのものを伝える
「どう答えればいいか分からない…」
そんな時には黙り込むのではなく、
- 「AとBのどちらで考えるべきか迷っています」
- 「情報が不足していて決めきれないです」
など、迷っている理由そのものを言語化して伝えるということです。
こちらは以前、上長から教えていただいたことでもあります。
簡単な割に得られる効果が高く、
- 会話が止まらない
- 相手が追加情報をくれる
- 共同作業として問題を進められる
という利点があると感じます。
私自身も、この部分は最低限できるように意識して実践しています。一歩踏み出して、考えていることを言葉にするだけなので、今回紹介した中でも特に手をつけやすかったです。
5. 認識の違いに気づいた瞬間に割り込む
割り込むこと自体には慎重さが必要ですが、認識のズレについて気づいた瞬間に発信することで、会話がスムーズに進んでいる場面があると気がつきました。
これにより、
- 誤解が膨らまない
- 会話の回転が圧倒的に速くなる
- 無駄な結論や遠回りを避けられる
といったメリットがあります。
ただ、前提として関係性や場の空気がとても重要だと思います。
話の割り込みが原因で関係性が悪くなったり、会話が滞るようなことがあれば本末転倒です。
そのため、こちらは「正しく使えば強い」けれど「扱いの難しい技術」だと感じています。
先読みするための知識が必要だったり、相手の話はまず最後まで聞くという自分の癖があったりして、自分にはまだ少しハードルが高いのですが、いずれ挑戦してみたいと思っています。
さいごに
今回紹介した “コミュニケーション上手な人の特徴” を以下にまとめると、
- 用語の使い分けで認識コストを下げる
- 結論から話して相手の負荷を減らす
- 聞き手がどこまで理解しているかを把握する
- 返答に困ったら「迷いの構造」を共有する
- 認識のズレを見つけたら早めに修正する
という5点でした。
特別なテクニックというより、日々のちょっとした意識の積み重ねが、「上手だな」と感じるようなコミュニケーションを形作っているのかなと感じました!
自分自身はここに書いたことをすべて体現できているわけではなく、日々少しずつ改善を試みている最中です。まずは「気づくこと」が第一歩になっているのかなと思います。
この記事が、どなたかのコミュニケーションのヒントになれば幸いです。
また、皆さんの気づきや工夫もぜひ教えていただけると嬉しいです。