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寒い。クリスマスまであと数日になってきた。今日は私がバーボン屋さんで聞いた話をしよう。20xx年、日本。タイトルはちょっとミスリード。想像しながら聞いてほしい。

Scrum Smells...
先にことのあらましを説明しよう。

  1. 日本企業を相手にするアジャイルは難しいですぞ
  • だからドキュメントですぞ
  • しかしドキュメントも万能ではないですぞ
  • ゴリラさんよ、よく聞け

昨日「カタログ」の話をしたが、その続きだ。

イントロダクション

ここは日本のソフトウェアハウス。
不確実性と付き合おう。そのために大事にすべきものは何か考えよう。
アジャイルだからドキュメントを残さないで良いなんて誰が言った?

日本企業を相手にするアジャイルは難しいですぞ。

まず君たち、「アジャイル」はご存知か。

Fail fast。広木大地さんがこんなツイートをされている。もとはGoogleの元CEO、エリック・シュミットの言葉にも Fail fast, fail cheap, and fail smart! というのがあるらしい。

さすがGoogleさんすごいね、と、なってしまうのだが、ポイントは我々は今、日本に居るってことだ。我々開発は日本人からなる組織であって、かつ、お客様もおよそが「不確実性を嫌う」日本企業。やはり失敗はこわい。怒られたくない...

だからドキュメントですぞ。

開発者提案書」があると楽。コミュニケーションも楽。そんな話を聞いたことはあるかな?
がっちがちの後戻り不可な仕様書を言いたいわけではない。まさに「提案書」がその役割を担うはずだ。行きあたりばったりの「トーク」で交わすのがアジャイルじゃない。アジャイルにドキュメントは必要だ。アジャイルだからこそ必要。

そういえば「頭出しです」という言い回しも界隈ではよく見るが、これはいきなり相手から否定をくらわないためのちょっとした自己防衛術だろう。それはそれなりのアジャイル思考から来るものだ。失敗は開発内なら万々歳だ。

でも対顧客では許されない。頑張り屋さんな**ゴリラ**が暴れ始める。

しかしドキュメントも万能ではないですぞ。

アジャイルだからドキュメントを残さないで良いなんて誰が言った?
マネジメント好きな**ゴリラ**は、ドキュメント、製品、工数、納期の計算で忙しい。しかし忙しい理由がわからなかった。永遠に合うはずのない計算だった。

なぜだろうか。工数が減らないのだ。ヒトは、プロジェクトを離脱しちゃったりするからだ。

開発メンバーたるヒトの気持ちは結構不確実だった。対顧客へのコミュニケーションを達成しようとするために、大事な開発メンバーとの、ヒトとしてのコミュニケーションが置き去りにされた。ドキュメントは大事だけど、完璧でもなかった。プロジェクトは割と失敗するし、ヒトも居なくなるし、もちろんドキュメントも残らない。

ゴリラさんよ、よく聞け

これはマネジメントの問題だ。マネジメントがマネージするのは、製品か?工数か?納期か?

不確実性に向き合う方法論がアジャイル。とりわけ日本企業とのコミュニケーション。全顧客がステークホルダーというやつだとしたら例えばその顧客数が1000を超えるなんてこともあるな。そうだよ、簡単じゃない。不確実性に向き合えない日本

だから製品の提供そのものに不確実性を許容したラクな逃げ道を常に確保したい。それは担当者レベルでは小さく作っておくこともそうだし、組織レベルでは、とか、製品の設計ではとか。テストとか。色々なゴリラが色々な意見を言いだしたな。右往左往に前後上下が必要なくらいだ。

しかしだ。大事なのは、マネジメントがマネージしないといけないのは、不確実性だと言ったな? それは製品、工数、納期、それを足すよりそのプロジェクトでもっと不確実になっていた ヒト、開発メンバーだったということじゃないか。もう一度言うぞ。

アジャイルだからドキュメントを残さないで良いなんて誰が言った。
ヒトは残る、とでも思ったのか?

引用:
コミュニケーション

  1. 組織で求められるコミュニケーション能力とは、コミュニケーションの不完全性を減少させる能力
  2. 組織内で連鎖的に発生する不確実性のループを止めることが出来る能力
    補足(情報の透明性について)
    「出来る限りの情報を公開すること」ではない。伝達の不確実性をわずかに下げるのみ。
    「情報の透明性」とは意思決定と意思決定に関わる情報が、組織内に正しく整合性をもって伝達されるように継続して努力し、何か分からない決定があったとしても、それを隠そうとしたわけではなく、抜けてしまったのか、聞き逃したのだから、直接聞いてみようという関係性をつくること
    「透明性」とは継続したコミュニケーションや仕組みを通じて、コミュニケーションの不確実性を低く維持して、情報の非対称性が削減され、限定合理性の働きが弱められている状態

...おっといつの間にか寝てしまったみたいだ
物語は以上かな?

参考

日本にアジャイルが普及しづらい本当の理由〜不確実性に向き合うマネジメント論〜
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