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エンジニア提案をしよう
指示をするなら”得たい結果”を指示する

という記事を最近読んだ。またそれがきっかけで外資ITトップセールスが考えた提案書テンプレートを配布します!!という記事を見つけた。

で、自分は経験上「カタログ」というものを書いてきたのだが、それについて考えたもの。時間があれば以下から読んでもらうとわかりやすい。あるいは「カタログ」にピンとこない人はこれ、あるいはこのカタログレビューというプロセスを見てほしい。

それは「開発者による提案書」

まず結論。「カタログ」を叩き込まれてきたが。

開発者が書く「カタログ」という言葉、知らない人にはなんのこっちゃであるうえ仕様書とも設計書とも違う「電化製品のカタログのようなものですよ」とか旧来説明されてきたのだが、十分な説明はそれだけでは難しいと思っている。というか客観的に考えてちょっと言葉のチョイスがおかしい。

冒頭の記事を読み、それって、そういやこういうこと言っていたのではなかったか?と、もう一度言語化したくなった。以下私の理解を書く。

それはこういうものだった

機能の「メリット」を書く

「メリット」あるいは「デメリット」という考え。これは辞書的に引用すれば

ITストラテジスト試験では、顧客企業の競合優位性の確保など経営課題を定義し、その経営課題に対してITを活用したビジネスモデルを考え、そのビジネスモデルがユーザーにどのような価値を届けることによって事業として成り立つのかを考える観点を学ぶことができます。

の「ユーザーにどのような価値を届ける」のか、というのがわかりやすい。

「なぜ」それが必要なのか書く

理由を書く。背景を書く。例えば「ボタンが正面に1つだけあります」ではなくて、老若男女どのような誰でもそのボタンを押せばスタートとなるホームポジションに「安全に」「迷わずに」戻ることが出来ます、などという感じ。お気づきだと思うがこれはiphoneを例えば説明しようとする場合。

「理想」を書く

ネイティブアプリのページであれば、わざわざAppleのロゴを出す必要はないと思います。ただ、Webサイトを考えたときに何のサイトを見ているかの情報をなくすことはできないので、その解決策としてスクロールしない限りは上に隠れるという考え方

冒頭の記事で引用されていたAppleの製品ページに関する話。
例えば「〇〇ができます」ではなく、「どうして」それができるのか。それができると何が嬉しいのか。IT界の有名な風刺画に「顧客が本当に必要だったもの」があるがそのギャップを埋めようとしたツールこのカタログだったのだと自分は理解していて。つまり開発者だからこそ書ける技術的リアリティと顧客への嗅覚 への落とし所がその肝だったと思っている。

では逆に?

それはこういうものではなかった

ボタンの上の文言の説明ではない

「読込」ボタンをつけるとなったときに、ただ「これを押すと読み込むことが出来ます」というのはカタログではない。ボタンを押すと写真が取れます、というのもカタログではない。

「CSVが出せます」ではない

「CSVファイルが出力出来ます」というのはカタログではない。よく言うドリルの穴とドリルの話。CSVを出したいのではなく、外部システムと連携したい、ということを書くのが「カタログ」。

そして無責任な空想ではない

ええと、本題。開発者が地に足のついた技術的リアリティを持って、顧客に提案する資料。
本来、それをいつお客様に届けるか、どういった価値を届けるかという文書だった「カタログ」。それは無責任に夢だけ描いた怪文書ではなく、定量的な価値判断や市場、価格動向すら理解して、実現のための道を示すものだったと思っている。

結論:開発者だから書けるリアリティを持った「提案書」

指示をするなら”得たい結果”を指示する。得たい結果というよりは「理由」を先に説明しろってことだよな、と思った。調査でdumpファイル下さい!って言ったら標準出力、エラー出力のログくらいはセットで下さいって思うけれど、でも、それが伝わる人はよほど慣れている人で普通はdumpファイルしかくれない。

だから、「◯月◯日◯時◯分に何がアプリケーションサーバで起こったかを確認したいです」からの、「なので、〇〇ログ下さい、それがあれば把握できます」。というか視点が離れがちな相手ほどこれを意識したほうが良い。ってこれ、本来こういうときすら「カタログ」がそのプロトコルだ。

でネットを漁っていたらそんな概念、既にある。例えばこういうテンプレート。妥当な表現が本当は「開発者提案書」って感じじゃないだろうか。
開発者が地に足のついた技術的リアリティを持って、実現の道筋を顧客に提案する資料。
とは、外資ITトップセールスが考えた提案書テンプレートを配布します!! 仰っていることがほぼそれである。

つまり「カタログ」というやつ、カタログっていう呼び方がミスリーディングだしましてや神格化の必要は全く無いし、このおかげで新人さんへの教育コスト無駄上がりするし、ま、控えめに言ってイケてないかもね~と思った話でした。一般的な用語、**「提案書」**等にでも置き換えて定義し直して、良いところ見直して書籍化でもしたほうがメソッドとしてもう一発売れるとおもう、良い考え方だと思うのである。

他所参考

以上なにがしか、有用になればさいわいです。

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