リア充70歳母に#stayhomeさせるために彼女のITリテラシーを向上させたいと思ったが結局大衆向けアプリの偉大さに心を砕かされている話(ポエム)です。
母紹介
70歳母は東京近郊に一人暮らししている。これまでどうしても子どもの面倒を見てもらいたいときは小一時間かけて東京の私の家まで来てもらっていた。平日はなにがしか友達と会うやら英語のお稽古やら大学の講座やら岩盤浴やらと勤しんでおり旅行・移動が大好きそれを厭わないむしろ歓迎するリア充老年であった。
コロナが来るまでは。
2020年4月からの母
母はとてつもなく暇を持て余している。想像に難くない。本来なら連日長電話でもしてやりたいが私も一応仕事はある上、変に人が老年扱いし気遣われるのも面倒くさがる人なのでさり気なさが求められる。こちらが移動することもできない。各携帯キャリアショップも営業自粛だろう。言わずもがな#stayhomeであり家に出来るだけ居たくなるモチベーションを彼女に与える必要があるのだ。
いくらか考えた
米を送ってもらう
もともと実家で利用中の生協が定期的に米を配達してくるらしい。当然定期サブスクしているからだろうが一人暮らしの身で月に何合も米を消費するわけもなく、だが本人曰く、定期的に誰かに独り身を生存確認してもらう手段として有効とのこと。それは私も合理的だと思ったので米Keepalive、特に口出しすることなくたまに余った米を私の家に転送してもらうということを行っていた。
だからこの渦中も私の家に米を変わらず転送するというタスクを彼女に投げたままにしておくことは構わない。だが、それもいい年のおばあちゃんである母を少しでも外出させたくない身からすると別にいい手段ではない。
LINEの頻度を上げる
リア充なだけあって基本的なスマホのツールは知っている母。なので単純に1日1回はテキトウなメッセージングをしてみる。うちの近所でどこの店が開いてるだの閉まっただの。娘が縄跳び始めただの息子が何歩歩いただの。
子どもの動画を送る
同じく撮りためた娘・息子画像、動画をちょいちょいと一言添えて送りつける。しかしこれらは私の工数がほぼそのまま奪われる。連絡を取ることはいとわないが連絡を取らずともただただ元気でいてほしい。もっと何かないものか。
インターネットが使えることの面白さ
ここまで考えて最もボトルネックとなっているのは彼女のITリテラシー、というかスマホスキルであることが間違いない、と私は思っていた。もっと自力でスマホの中の楽しみを見つけていただきたい。彼女のスキルを向上させる必要を感じていた。思いついたのがこれだ。
Youtubeの動画を送る
時代は宅録宅配信一億総Youtuberだ。ありとあらゆるジャンルの著名人が自宅から動画であれやこれやオモシロ動画をこぞってUpしている。だけではなく博物館・美術館・水族館やら動物園に至るまで自宅で見られないものはないのではという勢いだ。
送った動画
… まだまだあるはずなんだが。よくわからないスタンプでリアクションが返ってくる。見られた?と聞くとみられてはいるようだ。
ここまでやってみて結局楽しんでもらえているのかわからずLINE通話を始めてしまった。曰く「嵐のLive映像は楽しかった。寄席動画があればもっと送って(スタンプ付き)」とのこと。
##「送って」
...送ってじゃなくて検索して見つけてもらいたいなあと思うんだがLINEが「URLを送ったらサムネイルを表示」してくれる、母にも、誰にも変わらぬ優しさ。そしてご本人に今更努力というようなことを強いられたくもないと言われればそれはそれ。せめてこれで楽しんでもらえてるからやはりLINEはすごい。ああこうなる前からスマホの使い方真面目に教えてあげておけばよかったと思いつつ、これでもどうにかしてくれている大衆向けアプリの偉大さ (あるいはいわゆるエンタープライズなアプリの傲慢さ) をまだまだ感じているこの頃です。