はじめに
Power BI初心者なのですが、たくさんある小さいアイコンから最適なものを探すのって大変だな… と思いながらグラフを作成していました。
ということで、学習のためにPower BI Desktopのビジュアル全部使ってみたいと思います。40種類以上あるように見えるため、何回かのシリーズになる想定です。適当にビジュアル化しても面白みに欠けますので、公式ドキュメントのガイドと併せて、「どのようなデータに対して、どのビジュアルを使うのが最適か?」 ということも整理していきます。
ビジュアルの種類
今回は、以下の記事で整形済みのデータを使用しました。週数別、都道府県別のインフルエンザ感染報告数のデータです。
時系列による変化や地域ごとの変化が分かるようなビジュアルとして、今回は以下を使用してみました。なお、「折れ線グラフ」と「マトリックス」は上記の記事で作成済みのため省略します。
- 棒グラフ
- カード
- ゲージ
- スライサー
- 塗分け地図
棒グラフ
「異なるカテゴリの特定の値を調べるときの標準的なグラフ」とのことです。今回の場合ですと、同じ週数における都道府県ごとの感染数比較に利用できそうです。
「集合横棒グラフ」を使って、以下の通り作成してみました。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| Y軸 | 都道府県 |
| X軸 | 値 の合計 |
| ビジュアルのフィルター | ・週番号=45 ・指標=定当 ・都道府県:総数を除く |
作成したビジュアルは以下です。45週なので、11月上旬ごろのインフルエンザの感染数になります。東北・関東の感染数が多いことが分かります。
カード
「1つ以上のデータポイントを表示」するためのカードも使ってみました(レポート右上)。単体で使うよりは、他のビジュアルと一緒に強調したい指標の表現に使うのが良さそうです。棒グラフと一緒に、同じ週の感染数の全国合計を表示させました。
設定としては「カード」を選択して、「フィールド」に「値 の合計」をセットすると表示されます。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| フィールド | 値 の合計 |
| ビジュアルのフィルター | ・週番号=45 ・指標=報告 ・都道府県:総数を除く |
ゲージ
目標(ターゲット)に向けた進行状況を表現するゲージも使用しました(カードの下に表示)。インフルエンザの感染数に目標値などはありませんが、警報発令の基準(定点当たり30人/週)に対する感染数が分かるようにしてみました。
設定は以下です。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| 値 | 値 の合計 |
| 最小値 | (設定なし) |
| 最大値 | (設定なし) |
| 目標値 | (設定なし) |
| ビジュアルのフィルター | ・週番号=45 ・指標=定当 ・都道府県:総数を除く |
ゲージの最小・最大値と目標値は、「ビジュアルの書式設定」>「ビジュアル」>「ゲージの軸」から手動で設定しています。
「カード」の画像では最大値と目標値を同じ値にしていますが、この目標値を超える週もあるため、最終的には目標値よりも大きい値を最大値に設定しました。
スライサー
ここまでのビジュアルでは、毎回「ビジュアルのフィルター」で週数を指定していました。この設定方法だと、別の週数で同じビジュアルを表現したいときに、3グラフ分のフィルターを毎回調整する必要があります。そこで「スライサー」を追加しました。
スライサーは以下のようなユースケースで利用されるもので、今回のような複数のビジュアルに共通のフィルターを設定したいケースに適切です。
- よく使うフィルターや重要なフィルターの表示
- ドリルダウンさせたいレポートにフィルターを表示
設定方法としては、「スライサー」を追加して「値」にフィルタリングしたい列(今回だと週番号)を追加するだけです。スライサーを設定した状態で各グラフのフィルタリング設定を削除すると、スライサーで選択した週数によって自動でフィルタリングされたグラフが表示されます(楽しい…!)
塗り分け地図
やはり都道府県別のデータがあるので、地図上の濃淡で感染者数を表現したくなります。塗分け地図で感染者数を表現してみました。
設定は以下です。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| 場所 | 都道府県 |
| ビジュアルのフィルター | ・週番号=45 ・指標=定当 ・都道府県:総数を除く |
グラデーションについては、「ビジュアルの書式設定」>「塗りつぶしの色」について、以下を設定しています。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| スタイルの書式設定 | グラデーション |
| 基準にするフィールド | 値 の合計 |
| 要約処理 | 合計 |
まとめ
今回は5種類のビジュアルを使ってみました。まだまだ使っていないビジュアルがありますが、そもそも今回のデータに使うのは適切でなさそうなので、次回に向けてデータを探しておきます。
BIツールは目に見えるものなので触っていて楽しいですね。同じくPower BI初学者の方の参考になりますと幸いです。







