Eclipseとは？その概要と用途について解説

■ はじめに

Eclipseとは、統合開発環境（IDE¹）の一つのことを指します。
主にJava開発を中心に使用されていて、多くのプラグインが提供されているため拡張性が高く、
Java以外にもC/C++、Python、PHP、Webアプリケーションなどの多様な開発に対応しています。

本記事ではEclipseの基本的な概要、何ができるのか、
そして実際にどういった場面で活用されているのかについて解説します。

■　目次

1. Eclipseとは？
2. Eclipseでできること
3. Eclipseのメリット
4. Eclipseのデメリット
5. まとめ

1. Eclipseとは？

EclipseはIBM社によって2001年にJava開発のために開発されたIDEですが、
その後はオープンソースプロジェクトとして成長しており、様々なプログラミング言語やテクノロジーに対応するようになりました。

Eclipseの特徴

• オープンソースで、誰でも無料で利用可能
• 拡張性が高く、多数のプラグインにより機能を追加できる
• 主にJava開発に使用されるが、他の言語にも対応
• クロスプラットフォーム（Windows、macOS、Linux）で動作

2. Eclipseでできること

Javaの開発

Eclipseは主にJavaの開発環境として広く使用されており、以下のような機能を提供しています。

• コード補完機能

  • 入力中に適切なコード候補を表示し、コーディングを効率化

• デバッグ機能

  • ブレークポイントを設定し、ステップ実行や変数のウォッチ

• プロジェクト管理

  • 複数のJavaプロジェクトを一つのワークスペースで管理し、ビルドパスや依存関係の設定を容易に

他のプログラミング言語への対応

EclipseはJavaだけでなく、数多くのプログラミング言語にも対応可能です。

• C/C++

  • Eclipse CDT（²）プラグインを利用することでCやC++の開発環境として

• Python

  • PyDevというプラグインを使うことで、Pythonのコード補完やデバッグを実行

• PHP

  • PHP開発のためのプラグインも存在し、Webアプリケーションの開発などに

Webアプリケーションの開発

また、EclipseはWebアプリケーションの開発にも対応しています。
Javaを使用したサーバーサイド開発や、HTML、CSS、JavaScriptを使用したフロントエンド開発も可能です。
また、Eclipse Web Tools Platform (WTP) プラグインをインストールすることで、動的Webプロジェクトの作成や、Tomcatなどのサーバーでの動作確認も簡単に行うことができます。

Gitなどのバージョン管理との連携

Eclipseは、GitやSubversionといったバージョン管理ツールとの連携がスムーズに行えます。
Eclipse内でリポジトリのクローン、コミット、プッシュ、プルなどの操作が可能なため、
開発チームでの効率的な作業を行うことができます。

Gitのコマンドについて詳しく知りたい方はこちら の記事

プラグインによる機能拡張

Eclipseの大きな強みは、何と言っても拡張性でしょう。
開発に必要な機能はプラグインを通じて必要に応じて追加することができ、以下のような拡張が可能です。

• テストツールの統合（JUnit、TestNGなど）
• データベース接続ツール（SQL開発用プラグイン）
• クラウドツールの統合（AWS、Google Cloudなど）

3. Eclipseのメリット

無料で利用できる

Eclipseはオープンソースなので誰でも無料で利用可能です。
Java開発のツールとして業界で広く使われており、企業や個人を問わず多くのエンジニアが使用しています。

豊富なプラグインと拡張性

上記でも説明した通りEclipseの拡張性は非常に高く、公式やコミュニティから提供されている数多くのプラグインを利用することで
様々なプロジェクトに応じた環境を整えることができます。
プラグインのおかげでJava以外のプログラミング言語や、フレームワーク、データベース管理、クラウドサービスとの統合も容易になります。

クロスプラットフォーム対応

EclipseはWindows、macOS、Linuxで動作し、クロスプラットフォーム対応の開発環境です。
異なるOSを使用しているチームメンバーがいても、同じ開発環境を利用できるため、開発プロセスが一貫します。

Eclipseのデメリット

初期設定やプラグインの管理が複雑

Eclipseは機能が豊富で拡張性が高い反面、初期設定やプラグイン管理がやや複雑であるという面もあります。
特に初心者にとっては、必要なプラグインの選定や設定に時間がかかることがあります。
開発環境の構築においては必須の作業となるため、詰まってしまうこともあります。

動作が重くなることがある

Eclipseは多機能のため大規模なプロジェクトや多数のプラグインを使用していると、
メモリ消費が多くなる傾向がありPCの動作が重くなることがあります。

その際は不要なタブを閉じたりガベージコレクションを利用するなどして対策しましょう。

5. まとめ

• Eclipseは、Javaを中心とした総合的な開発環境として多くの開発者に利用されてる。
  • 拡張性やオープンソースのメリットを活かして、多種多様なプロジェクトに対応できる強力なツール。

• 初期設定や動作の重さといった課題もあるが、適切な設定と環境整備の上で運用することで効率的な開発を実現可能

• Javaの開発を始めたい方や、複数言語や技術を組み合わせたプロジェクトを行いたい方にとっての選択肢になる

1. Integrated Development Environment ↩

2. C/C++ Development Tooling ↩