はじめに
VMwareCloud on AWS の利用を想定した現実的なコストで実装できるオンプレ環境のクラウドDRについて考えてみました。実環境での検証も実施したいのですが、まずは考え方のみの投稿です。
何がうれしいの?
- そこそこのコストでそこそこすぐ立ち上げ可能なDR環境の構築が実現できます
前提条件
- オンプレでONTAPストレージをvSphereのNFSデータストアとして利用している
- SnapMirrorのライセンスがある
- AWSのアカウントがある
- VMwareCloud on AWS のアカウント登録が完了していてSDDCの構築が可能
このアイディアに思い至った仕様
- VMware Cloud on AWSはホストが起動していなければ費用がかからない
- VMware Cloud on AWSではAmazon FSx for NetApp ONTAPの既存NFSボリュームをデータストアとしてマウントが可能
- マウントしたNFSデータストアのvmxファイルをvSphereクラスターに登録可能(当然Power onも可能)
普段の運用
- VMware Cloudは契約のみでSDDCのデプロイはしないがいつでもデプロイできる状態にしておく
- オンプレのNFSデータストアをAmazon FSx for NetApp ONTAPにSnapMirrorでレプリケーションしておく
DRシナリオ
- 災害でオンプレ環境が使えなくなる
- VMware CloudにSDDC作成し必要なホスト数でvSphereクラスター作成(1時間くらい)
- 転送しておいたNFSデータストアをマウント(5分くらい)
- データストア内のvmxファイルから仮想マシンを登録(リストア不要ですぐに利用可能)
- 登録した仮想マシンを起動
- ネットワークまわりの設定を実施
- 必要に応じてAmazon FSx for NetApp ONTAPの性能を動的拡張
注意点(2022/12/08時点)
- VMware CloudはSDDCバージョン1.20以降でAmazon FSx for NetApp ONTAPのNFSデータストア接続をサポート
- ストレッチクラスター構成はNFSデータストア接続を未サポート
- Amazon FSx for NetApp ONTAPのSingle AZ構成は未サポート
まとめ
AWS上のAmazon FSx for NetApp ONTAPにデータストアのレプリケーションを実施しておく事でサーバーの準備なしでも緊急時にちゃんと稼働するDR環境が実現可能です。
今回のDRシナリオでは実際に災害時に初めてSDDCを作成しDR環境を起動するとなるとデプロイ後にネットワークまわりの設定も必要になり、その他vmxファイルの登録や登録した仮想マシンの起動も含めて自動化しておいた方がより短いリカバリ時間を実現可能です。
自動化のハードルが高い場合はVMCを2ホスト構成で作成しておき、災害時に必要な数だけホストを追加する運用であれば、よりスムーズなシステム復旧が可能です。