はじめに
今回は,windowsのwsl2環境で生成されたvtkファイルを可視化するために,wsl2(ubuntu)にpvserverをインストールする手順をまとめました.
余談ですが,wsl2はwindowsとはほとんど完全に切り離された仮想環境なので,ファイルのやり取りが意外と大変です.デフォルトの設定では,windows側のcストレージを/mnt/c/でマウントしていますが,このディレクトリを普段使いするのは,主にスピードの点で問題があると感じました.
そこで,今回はwsl2側をサーバー・windows側をクライアントとしてsshでつないでしまうことにしました.
サーバー(wsl2)側の設定
sshのインストール
OpenGLのインストール
pvserverのインストール
paraviewを公式から落としてきます.LinuxタブからParaView Server for Headless Machinesと書かれているところからダウンロードします.~egl~.tar.gzと~osmesa~.tar.gzの2種類がありますが,積んでいるGPUによほど問題がなければeglを選びます.osmesaについては,昔書いたこちらの記事も参考にしてみてください.
ダウンロードが終わったら,wsl2にtar.gzを移動させて解凍します.
binの中にあるものを確認した後,それをローカルにコピーさせることでインストールします.
tar -zxvf <your paraview>.tar.gz
#インストールする物の中身を確認
cd <your paraview>/bin
cd ..
sudo cp -rf <your paraview>/bin/* /usr/local/bin
同様に,lib,shareの中身も/usr/local/lib, /usr/local/shareにコピーします.
cd <your paraview>/lib
cd ..
sudo cp -rf <your paraview>/lib/* /usr/local/lib
cd <your paraview>/share
cd ..
sudo cp -rf <your paraview>/share/* /usr/local/share
端末を再起動して,以下のコマンドを打つことで,下のような待機状態になれば成功です.
"12345"の部分は,最初が1の,好きな5桁の数字を入れてください.
pvserver --server-port=12345
Waiting for client...
Connection URL: cs://<your computer>:12345
Accepting connection(s): <your computer>:12345
クライアント側の設定
まず,"サーバー側(wsl2)側の設定"で落としてきたバージョンと同じバージョンのparaviewを落としてきます.そのとき,こちらは普通のGUI付きのものを選んでください.
インストール&起動した後,左上のボタンを押します.
"Add Server"をクリックし、Name(任意)、Server Type(Client / Server)、Host(サーバ名.基本的にlocalhostのままで良い.)Port(先程設定したポート番号…12345など)を指定し、Configure後Saveします.
最後に,"connect"を押して10秒ほど待ち,左上の"built-in"が"リモート先のマシン名"になったら接続成功です.