はじめに
Windows PCで手軽にLinux環境を導入する方法の1つにWSL(Windows Subsystem for Linux)というものがあります。使用可能なLinuxディストリビューションも様々です。通常は、Microsoft Storeからオンライン接続をしてインストールを実施しますが、環境によってはMicrosoft Storeには接続できないため、オフラインでWSL環境(Linuxディストリビューション導入含むを導入したい場合があります。
以下は、Ubuntu24.04をLinuxディストリビューションとして、WSLをオフライン・インストールする手順を纏めました。
導入するPCは、Windows11 Enterprise 24H2を使用しました。
オフラインでの導入手順
基本的には、下記リンク先に記載の手順1から順に実施していきます。
なお、手順1から3にあたっては、コントロールパネル→「プログラム」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化と無効化」から、下記項目のチェックボックスにチェックを入れてPCを再起動する方法でも対応可能です。
導入時のトラブル
現在、下記の障害事象が報告されており、どうもWindows 24H2のPCに対応したファイルではなく、正しいファイルのリンクが記載されています。
x64用のファイルをダウンロードすることになりますが、それに対する正しいファイルのリンクは下記になります。ですので、こちらのリンク先のファイルをダウンロードし、PC上に作成されたmsiファイルを実行して、WSL環境を作成します。
x64:
https://github.com/microsoft/WSL/releases/download/2.3.26/wsl.2.3.26.0.x64.msi
作成が終わったら、手順5を実行して、WSLのバージョンのデフォルトを2にします。
Linuxディストリビューションの導入作業
ここからは手順6のLinuxディストリビューションの導入作業について記載します。
Microsoft Storeから導入できない場合は、ディストリビューションの導入用ファイルを個別にダウンロードします。下記リンク先の「ディストリビューションのダウンロード」を参照し、Ubuntu24.04に該当するものをダウンロードします。
ダウンロードが終わると、PC上に「Ubuntu2404-240425.AppxBundle」というファイルが作成されていますので、これをダブルクリックすると、ダイアログが表示されてインストールするか否かを聞いてきますので、インストールを進めます。インストールの過程で、下記のWindowが立ち上がり、Linux環境で使用するユーザーIDとパスワードを設定するように要求されます。ここでは、testuserという名前のユーザーIDを作成しました。その後、インストールが完了し、下記のようになったら、導入作業は完了です。
Linuxディストリビューションの導入後、WSLを起動すると下記のようなエラーが出力されたことがありました。
ディスク 'C:\Users\xxxxxxx\AppData\Local\Packages\CanonicalGroupLimited.Ubuntu24.04LTS_79rhkp1fndgsc\LocalState\ext4.vhdx' を WSL2 にアタッチできませんでした: 指定されたファイルが見つかりません。
エラー コード: Wsl/Service/CreateInstance/MountVhd/HCS/ERROR_FILE_NOT_FOUND
これは、記載の通り、ファイルが該当のディレクトリに存在していなかったので、ディストリビューションの再インストールで対応できました。
導入後の確認
コマンドプロンプトから「wsl -l -v」コマンドを実行し、下記のようになっていればOKです。
C:\Windows\System32>wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu-24.04 Running 2
さいごに
今回は、Microsoft StoreからWSLの環境導入(Linuxディストリビューションの導入含む)ができない場合のオフラインでのインストールに関して、Windows11 Enterprise 24H2にUbuntu24.04をディストリビューションとして導入する手順を紹介しました。
現在報告されている事象の部分にさえ気をつければ、後は比較的スムーズに実行可能です。