これまでのあらすじ
技術書典19に出展したけど、全然売れない。悲しみの投稿
をしたのが11月19日23時頃。特に反応もなく、「誰もお前を愛さない」状態になる。翌日は、いつもの愚にも付かない伝言ゲームをして(それを世の中では仕事というらしい)、帰宅。そうしてSNSを開くと、前日の記事を読んで頂けたようで、反応があった。ありがたい。
刺され!技術書アワード
技術書典では「刺され!技術書アワード」というイベントがあって、公式のYouTubeで自分の書籍が紹介される。何日かに分けて、すべての応募書籍が紹介されるらしいのだが、順番はよく分からない(ランダム?)ので、自分の書籍がいつ紹介されるのかはドキドキだ。私のはちょうど昨日(11/20)の回で紹介された。
前回の記事で耳目を集めている中での書籍紹介だったので、注目度は高かった(と思う)。
#技術書典 19
— mae616 (@mae616_) November 20, 2025
すごいなぁ。記事のタイミングと、技術書典の公式YouTubeの紹介のタイミングが完璧だったのです٩( ᐛ )و https://t.co/RpZYn1JSuf
これは千載一遇! 誰もが喉から手が出るほど欲しがる…… 狂喜のフィーバータイム……!
一方その頃筆者は、SymPyの自作バグがちょうど発覚し、おっとり刀で修正しているのだった――。
結果
盛り上がりは最高潮に達したわけだが、肝心の売上はどうだっただろうか。
結果は――2冊。
YouTube放映後から2冊売れました!! お買い上げ頂いた方々、ありがとうございます。
これまでの売上が2冊だったから「倍になった」は嘘ではない。嘘ではないが、人間の欲は限りない。もっと売るにはどうしたらいいかを改めて考える。
いろいろなご意見など
何度も発信しよう
認知の問題というのは、そのとおり。だから、自分の書いた本のURLをSNSやブログで何度も露出するのだ。一度呟いて終わりじゃない。一日に何度も出して、ようやく見る人が少しでるのだ。…
— Takuro SASAKI 技術書典19 え01 (@dkfj) November 19, 2025
私も技術書典17のときオンラインのみで宣伝しなかったら全然売れませんでした。初日、2日目(会場)、最終日に大きな人の流れがあるみたいなので、サークル主様はせめてこれらの日の朝夕は #技術書典 タグ付きで宣伝ツイートしましょう。理想はお昼休みもですけど。 https://t.co/lqYcL4q5pd
— 佐伯@技術書典19ス34 (@HisafumiSaeki) November 20, 2025
単純接触効果という用語もある。発信大事。
もっと中身が分かるように
オフライン会場では、見本誌で試し読みができる。オンラインでは、サンプルページでしか試し読みができないので、「買う価値」があるか判断できないのではないだろうか。そのような仮説の下、マーケットのサンプル画像を増やしてみた。各章冒頭2ページを載せようと思ったが、技術書典マーケットの制約で8ページまでしか載せられないようだ。
ジャンルについて
『原始根や平方根、べき根を求めるアルゴリズムについて』
— flurry (@flurry) November 20, 2025
『SymPyで使われる素数判定や素数列挙について』
は好きなひとがいると思うので、 #技術書典 のタグを付けて何度かツイートすれば通販で買う人はいるのではないでしょうか。
会場で売るための方法はわかりませんが…… https://t.co/xE7FGanczt
素数の話題は、なぜか需要がある。でも、ウェブを検索してみても、ミラー・ラビン素数判定法は数多く紹介されているのに比べて、リュカ素数判定法を紹介するページは少ない。みんな、ゆるふわっとしたカジュアルな素数に需要があって、ガチの素数には尻込みをするのだろう(私もそうだ)。なので本書の3章以降は正直、減点要素になれど加点要素にはならないと考えている。
筆者について
書籍紹介のときに言われたのが、「筆者誰なの?」ということだった。私の経歴を書いても面白くないと思うので、SymPyに関わる所だけ書いた。個別ページの書籍紹介欄に次の内容を追加した。
【著者について】
2023年頃よりSymPyにコントリビュートし始める。現在、SymPyのコミッター。
なお、OSSにコントリビュートし始めてからコミッターになるまでは、以前に記事を書いているので、こちらもご覧いただきたい。
さいごに
「本を売るのって、本を書くより大変じゃね?」というのが、最近の心境だ。オススメされた『届ける工夫 ~欲しい誰かに見つけてもらえる60の方法~』でも「イベント開催中の工夫」は5つしかない。実に49個がそれ以前に行っておくべきことであって、正に勝敗は戦う前に決まっているのだ。
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