OPENLOGI Advent Calendar 2025 7日目の記事です。
6日目の投稿は、@kt-tsutsumi さんの イレギュラーだらけの現場とどう向き合うか? WMSの面白さはここにある!でした!
まだの方はぜひぜひ上記リンクから内容チェックしてみてください! ![]()
ご挨拶
ということで、7日目の記事を担当します
2025年2月にオープンロジに入社しました @ditto29 です。
入社当初はSREチームに所属していましたが、CTOから直々にお声がけいただき社内AI推進チームに異動しまして、
現在は社内AI活用レベルの向上施策の実施、ビジネスサイドの方々向けのAI活用の促進、AIを使用したDXを主業務としています。
オープンロジAI推進チームの発足の経緯や発足後3ヶ月の活動について
下記Noteの記事で紹介されていますので、もしよろしければそちらもご確認ください。
CTO直下でAI推進──物流×AI立ち上げまでの3ヶ月の奮闘記
Google Workspace Studioとは
早速ですが「Google Workspace Studioがもたらすワークフローの民主化 と 拡張ステップで超える標準機能の壁」という長々しいタイトルでお話をさせていただきます。
この記事をご覧の皆さんの組織では、ちょっとした業務自動化(ワークフロー)をどのように実現していますか?
Slack WorkflowやZapier、最近であればDifyやn8nといったワークフロー上でAIを活用できるものなど、様々なノーコード/ローコードのワークフローサービスが存在しますが、
Google Workspaceを利用している組織においては、Google Workspace Studio が今、最も熱いのではないでしょうか。
元々は「Google Workspace Flows」というサービス名称で展開されており、Google Workspace Business あるいは Enterprise プランを契約している、かつ管理コンソールでGemini Alpha版機能を有効化している場合のみ使用することができました。
先日12月4日に「Google Workspace Studio」に名称が変更されてGAとなり、Business あるいは Enterprise 契約をしていれば使えるようになりました。
Google Workspace Studioの特徴
まず第一の特徴は、Google製ツールということもあり、Google系のツール間の連携を得意としていることでしょう。
サービストップ画面上でテンプレートとして用意されているものをいくつかピックアップしても、
- Google Meetの終了を起点として、会議メモを要約しアクションアイテムを抽出しGoogleチャットに送信する
- 未読Gmailの要約を取得する
- メールに添付されたファイルをGoogle Driveに自動保存する
と、Google系ツール to Google系ツールを前面に押し出していることがわかります。

もう一つの特徴は、APIキーを発行せずにGeminiやGem実行を組み込んだワークフローの構築が可能という点です。
他のサービス・ツールを利用してワークフロー内でLLMを実行する場合、
APIキー等の認証情報をワークフローサービス上に設定する必要があり、「認証情報を個人と組織のどちらで管理するか」「APIキーの利用料金はどれくらいかかるか」といった懸念や考慮事項がありました。
Google Workspace Studioではそういった料金上や管理上の煩わしさはなく、Google Workspace 契約料金内で制限なく利用できます。
その他にも自然言語でワークフローを作成する指示を出せたり、AsanaやAtlassian、Salesforceといった一部SaaSと連携ができるところには、今後の期待を強く感じます。
Google Workspace Studio がもたらすAI搭載ワークフローの民主化
Google Workspace Studio は、これまでのツールでネックになっていた「コスト・管理・セキュリティ」の課題を解消し、ビジネスサイドが主体となってワークフローを活用するための環境を提供してくれます。
具体的には下記のような違いをもたらしてくれます。
- 従量課金を気にしなくていい : 他ツールにあるような実行回数制限やユーザー課金がない
- APIキー管理が不要 : 他サービス利用では懸念となるAI活用時の認証情報管理が不要
- データがGoogleから出ない : 処理がGoogleテナント内で完結する
今まで社内でも一部のメンバーに閉じられていたワークフロー構築や活用が、誰でも簡単にできる。これは「民主化」と言っても良いのではないでしょうか。
拡張ステップを使えば標準機能の壁を超えられる
まだまだリリースされたばかりということもありますが、やはり「外部連携できるサービスが少ない」「トリガー(起点)に設定できる項目数が少ない」といった標準機能の不足を感じる場面はあります。
トリガーが少ない点については、2025年12月現在では残念ながら打ち手はありません。
しかし、外部連携先の不足に対しては、Google Apps Script (GAS) で自作の拡張ステップを作成して、GASコード内で外部連携を行う手段が公式から提供されています。
以降は、その拡張ステップの作成について紹介したいと思います。
拡張ステップを作成する手順 (クイックスタート)
下記で、簡単な四則演算を行うステップをGASで作成する手順が公開されています。
クイックスタート: Google Apps Script を使用して計算機ステップを作成する
- 新規 Google Apps Script を作成
- appsscript.json, Code.gs を作成する
- デプロイ > デプロイをテスト > インストールの手順でステップをデプロイ
と、手順自体は非常に少なくシンプルです。
実際にステップの作成・デプロイをすると、下記画像のように Google Workspace Studio のステップ項目上に自作したステップが表示されるようになります。
Google Workspace Studioのステップ独自の書き方や構文がありますので、クイックスタートを応用して完全自作する場合にいくつか躓きポイントはあるかもしれませんが、拡張ステップを使えばできることの幅は格段に広がります。
※ 画像に載っている「Slackメッセージ投稿」ステップは、作成した拡張ステップです。
※ Google Workspace Studio のSlack連携は先日一部のユーザーのみに試験公開されていたので、近日正式に公開されるかもしれません。
まとめ
ということで、簡単にですがGoogle Workspace Studio について紹介させていただきました。
Google Workspace Studio は、単に「無料で使えるワークフローツール」というだけでなく、組織全体のAIを活用したDXを加速させるための 「プラットフォーム」 だと感じています。
Zapierを使って構築しているワークフローや、契約している有料のAIサービスを一部代替、全代替する可能性を秘めたツールにも成りうるのではないでしょうか。
今回はだいぶさっぱりとした内容になってしまいましたが、機会があればもっと踏み込んだ内容について記事を書ければと思います。
本記事については以上となります。以降の、OPENLOGI Advent Calendar 2025もお楽しみに!

