こんにちは、ふれーむです。
これはエンジニア集会 Advent Calendar 2025の3日目のやつです
昨日は @n2naokun さんのあれ?俺なんかやっちゃいました?【ノリで作ったソフトウェアでどっかの大学寮の検閲システムが崩壊した件】でした。
質問
いきなりですが質問です。
もし、VRやAR、XR系の技術(主に3D画像生成系)の話を学びたいと思った時、どういった形で学ぶのが良いでしょうか?
体系的な技術を学ぶには
体系的な特定の技術を学ぶには、主に次のような方法があります。
- それ専門の学校に行く(専門学校や大学の情報メディア系学部学科など)
- それ専門のEラーニングで学ぶ
- 専門書で学ぶ
- 資格試験をマイルストーンにして学ぶ
個人的な感覚としては、学校に行ったり、Eラーニングで学ぶ場合はコストと時間の制約が大きく、また専門書の場合は合う合わないや、そもそもその専門書が自分の学びたい方向と完全に合っているのか?(そもそも学びたい分野の専門書がそんな都合良くあるのか?)といった課題があるのでは?という気がしています。
その点、資格試験をマイルストーンにすると
- そんなに高くなく学べる(受験者が多い事でスケールメリットが効いており、対策書なども多く、かつ安価に手に入るため)
- 資格試験は特定分野の知識や経験を得ている事を証明するものなので、シラバスにそって学習すると体系的な学習ができる
といったメリットがあると言われています。
当然、国家資格の方が箔はつきやすいだろうと考えられるため、まずは国家資格でそれに類するものがあるかを見ていきましょう。
メディア関連の事を学べる国家資格って……?
ITの技術を体系的に学べる国家資格としては、情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験が有名です。
試験の種別には色々ありますが、ITSSなどのスキル標準に沿って出題されます。
例えば基本情報技術者試験だと、対象者像は「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」となっています。
また、試験要項には具体的に次の記述があります(P.20より)。

また各資格に対応する出題分野表も次のようになっています(P.22より)。

情報処理技術者試験で実際に出題されているメディア系の問題って?
さて、実際に出題されている問題を見てみましょう

※平成29年秋期 問25より
はて……?

※平成27年春期 問25より
はて…… ……?
おわかりいただけただろうか。なんか画像処理の問題が荒いわけです。
というのも、例えば基本情報技術者過去問道場などのページを見てみるとよく分かるのですが、情報メディア系の設問というのは、IPAの試験ではそもそも問題数も全然ないのです。

重点テーマではない事がよくわかります。
国家資格以外だと?
国家資格以外の資格(公的資格)についても範囲を広げて探してみましょう。
実はこの分野には、そのものズバリのCG-ARTS検定(※以下「CG検定」と記載)というのがあります。
CG検定には5分野それぞれにベーシックとエキスパートの2グレードの検定試験があるのですが、おそらくVRやARなどの分野に一番近いものでいうと、CGエンジニア検定が該当します。
※なお私は、ここらへんの技術の基本的な所を拾っておきたかった時期がかつてあり、受かっています(13年も前なんだっけ……となってるw)

なお出題範囲はこんな感じです ※公式HPの出題範囲より引用
また、検定元の協会から出ている解説書がすさまじくわかりやすいです。

もしVR,AR,MRなどの〇〇現実系の技術を基礎から掘ってみたくなったときは、ここらへんの学習リソースを一通りおさえておくと素早く学べるんではないかと思っています。
余談:なぜIPAの情報処理技術者試験ではCG系の設問がクソ弱いのか
今回はCGなどの情報メディア系の話を対象としましたが、元々の話として、情報処理技術者試験は情報処理技術者試験が情報技術の試験として一般化する前からあった、他の試験でカバーできる範囲は基本的に出題をがんばらない(試験制度としても作らない)傾向が顕著にあります。
ですので、CG関連の技術を深堀りしたければIPAの試験とは別にCG検定を受けたほうが良い という今回のケースと同様の話でいうと、
- 物理的な通信路について深く学びたければ電気通信の工事担任者試験や、電気通信主任技術者試験を
- 色にまで踏み込んだユーザーインターフェースデザイン(カラーユニバーサルデザイン)について深く学びたければ色彩検定 UC級を
- 他にも、例えば簿記や会計などの諸論点についても、IPAの試験で出るのはさわりだけで、日商簿記や全経簿記を
拾ったほうが、実はちゃんと学べるようになっています。
まあ、ここらへんは試験制度の棲み分けがされている…… のだろうなぁと思っていますが、個人的にはもう少し学習パスがわかりやすくても良いのかもしれないな と感じる所ではあります。
おわりに
CG検定は実際に受けてみると面白いのと、教科書がちゃんとフルカラー刷りでかつ非常にわかりやすいので、ぜひVR勢の人で興味があれば本を買ったり、学んでみるのがおすすめです。
なお、試験のグレードはベーシックとエキスパートがありますが、いきなりエキスパートから受験しても良いのではという気がします。多岐選択の問題しか出なかったはずですし。
ぜひ、気になった人は試してみてください!

