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非エンジニア・人事未経験から始めるDevRel|開始8ヶ月で感じたやるべきことと失敗

Last updated at Posted at 2025-12-17

はじめに

こんにちは。ディップアドベントカレンダー18日担当の岩城茉優です!

人事もエンジニアも未経験でDevRelに参入し、8ヶ月ほどが経ちました。今回は、自分のための振り返りとしても、これまでの道のりをまとめます。私のように、何もわからない段階からDevRelを始めることになった方のお役に立てば嬉しいです。

🙅‍♀️書かないこと

・DevRel全体の戦略(大枠はリーダーが担っているため)
・未来の施策
・直接的な採用施策

❓なぜDevRelに

2023年新卒入社で、2年目までは主に採用ページコボットのディレクター(営業、撮影、企画、ライティングなど)やバイトルの原稿作成などを担当していました。

そして、2025年4月からDevRelを担当しています。
なぜ入ったのかを毎度聞かれるのですが、「新しい組織作るからどう?」と言われて単純に 「なんかおもろそう」 と思ったからです。

面接で「なんでディレクションが好きなの?」と言われて悩んだ挙句「カッコいいからです!」と発言し、お祈りを確信した記憶があります。

🚀 DevRelとは? ディップでの定義と私の役割

まずは、DevRelの定義とチーム内での役割分担についてご紹介します。

DevRelとは(GPTによる定義)
企業や組織と外部の開発者(エンジニアなど)との良好な関係性を構築するためのマーケティング活動。

ディップでのDevRelの定義

ディップでは「文化と技術でコミュニティをデザインする旗振り役」と定義しました。

変わらない目標は、主体的に動き、周りを巻き込んで文化やコミュニティを作り、ディップ=テックカンパニーにしていくことです。

チーム内の役割分担

メンバー 役割 フェーズ
田中さん(リーダー) 作る 0 → 1
育てる 1 → 10
小林さん ハックする 10 → 100

私は、「生まれた施策やアイデアを現場で広げ実行する」という、フェーズ1から10への拡大に責任を持って動いていきます。

船で宝島を目指すとして、宝島までの舵取りと戦略立てを田中さんが、その舵取りを元にどうすれば宝に近づけるかを考え船を進ませるのが私、より効率的に楽に宝に近づいていけるようハックをしていくのが小林さん、という認識です。(間違っていたらDMください)
立ち上げに関しては田中さんが書いてくれるはずです。

Gemini_Generated_Image_18lkq018lkq018lk.png
※実際はもっと茨です。

🗓️ 異動直後から8ヶ月間のバタバタ

異動当初「何もわからん」と迷い、しかも同じような職種の人が少なく悩んだので、半年前の私のような方のために月ごとに 「やって良かったこと」「失敗」「やった方が良かったこと」 をまとめつつ振り返ろうと思います。

🌸 4月:とにかく勉強の月

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️やって良かったこと DevRelの定義をチームと話しながら理解する 死ぬほど色々話して基礎を聞いた気がします。
組織図や組織目標などを見て組織を理解する 弊社はTUNAGを使っているので毎日のようにTUNAGを見ていました。
自社エンジニアとの1on1面談 今後の関係構築と現状把握に非常に重要です。
🙅‍♀️失敗 イベントを選別せずに行きまくった 技術的なものも聞いたりしたのですが初っ端はDevRel・人事関係のイベントに参加するようにした方が有効です。
💡 やった方が良かったこと 軽い企業ピッチの練習 自社の理解を深めるためにも今後のためにもやっておくと良いです。私は後に失敗します。

4月はとにかく勉強の月。「LT」「カンファレンス」 という言葉自体知りませんでした。そのレベルであれば初歩的な用語も調べつつ1on1を開催し組織に入り込んで行くのがいいと思います。

🎏 5月:THE 行動と信頼度獲得の月

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️ やって良かったこと イベント参加(DevRel Guild Meetup #4など) 前月の失敗を活かしエンジニア採用領域に絞りつつ計4回社外イベントに参加しました。
自社エンジニアとの1on1面談継続 これはイベント開催が安定するまでは多少断られてもめげずに続けるべき。
wantedlyで「社員のB面」を作成 仕事以外のリアルな情報を発信する箱を設けました。
各組織の課会などに参加 プロダクトの現状理解が出来ました。1on1よりも親密度を上げる効率が良いので2ヶ月目で入って良かったと思います。
🙅‍♀️ 失敗 闇雲に開発を勉強した 勉強は必要だが「闇雲に」目的がない状態での勉強は非効率。
ゆるめのブログを社員に書かせようとした 執筆がハードルならゆるいブログなら書けるかも!と思って箱を作ったが全く執筆されない。テックブログの施策に変えました。
💡 やった方が良かったこと 企画の基礎勉強 企画の基礎をここで学んでいれば、その後の施策がもっと早く進んだかもしれません。

5月もTHE行動。開発組織関連で誘われたイベント、飲み会はほぼ行きました。社外だとDevRel guild は色々教えてくれる人が多いし登壇機会にも出来るので参加して良かったです。

☔ 6月:リスト化と1on1での広報の強化

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️ やって良かったこと 自社エンジニアリストの作成 依頼の参考にするため名前、ミキワメタイプ、趣味、業務量、最後にいつ何を頼んだか、などをリスト化。
社内のスラックにイベント広報 こんなイベントあるんだけどどう〜?的なやつです。
🙅‍♀️ 失敗 無知な状態での新卒採用ページ改修 採用を勉強し、実際に新卒の声を聞いてからやるべきだった。当たり前。
1対Nでの広報 イベント参加が浸透していない序盤は、1対N では動かない。1対1を重視することで協力者が増えました。

100人社員がいて100人発信する、は不可能だと思っています。なので「発信したい」上位20%に注力しました。後に偏りに悩みますがこれは合っていたかなと思います。

社員リスト
ミキワメタイプがこのタイプなら実は発信得意?このタイプ同士なら意外と合いそうだな、この人こないだ頼んだから少し時期をあけようなど...今も更新しつつ使っています。
珍しくメイドカフェ時代のお客様リストの経験が活きたのかもしれません。
開発メンバーの残業時間やtimesも頻繁に見ています。(ストーカー)

🏖️ 7月〜8月:ブース設計とテックブログリニューアル

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️ やって良かったこと イベント参加 技術広報メインに週1回は社外イベントに参加しました。
  テックブログのリニューアル 社員がそれぞれ執筆した記事のキュレーションサイトに変更しました。
iOSDC/DroidKaigiブース設計 点で接するのは勿体無いと考え、当日にブースでアフターイベントの登壇者を集める設計で継続的な関わりを意識しました。
稟議の通し方を覚える これは大事。
🙅‍♀️ 失敗 登壇情報回収をワークフローで実施 全然集まらなかった。Notionに変更し入力率は向上したが、広報チェックと一貫したワークフローにし、じわじわ浸透させています。
社員を巻き込まずにブース企画を進めてしまった 社員の負担を減らそうとしたが、クオリティ向上と当日の運営の理解度向上のため0段階での相談ではなく企画提案へのFBをもらう形にしました。
💡 やった方が良かったこと 分析の勉強 今後絶対に重要になってくるのでもっと先に勉強しておいたら効果的な施策を打てたかも。

初のブース設計、悩みましたが、点ではなく線で考えられ始めたのは良かったと思います。ただ、繋がったから何なのか?は今後もっとちゃんと考えていく必要があると思います。

🍁 9月〜10月:自社イベント企画と採用活動への参入

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️ やって良かったこと イベント参加 週1回でイベント社外参加。特に良かったのはDevRel kaigiです。採用面だと技育祭や逆求人に参加しました。
  自社イベント企画の開始 最初はとりあえず作る、から共催相手やターゲットを考えるフェーズへ徐々に移行。
採用活動への参入 逆求人イベント、内定者交流会など。
🙅‍♀️ 失敗 企業ピッチで爆死する プロダクトの知識不足。 逆求人の学生からの興味度が下から数えた方が早かったので統合報告書などを読み話す練習をし上位3位に入れるようになりました。(時期の問題もあるので一概には言えず)
カンファレンス続きで体調を崩した 健康大事。
💡 やった方が良かったこと 継続的な施策 これは今もですが採用に関して点での施策ではなく線で追えるような施策を先回りして考えておいた方が無駄が少なかったように思います。

カンファレンスが多く体調を崩しがちなので注意の月です。
色々なイベントに参加した中でもDevRel kaigiはかなり勉強になったのでこの時期に行くことをおすすめします。自社イベントの企画を始めました。最初はとりあえず出来るイベントを作成していましたが10月に入って共催相手やメリット、参加者がうちのターゲットに合っているのかを考え始めました。

☃️ 11月〜12月:インプットとアウトプットの整理

区分 内容 ポイント/反省
🙆‍♀️ やって良かったこと 採用イベント参加 技育系や逆求人、JPHacksなど新卒採用中心にブース企画&参加しました。
  採用を体系的に学ぶ会への参加 半期のクラスなので今も絶賛宿題と授業に追われ中です。分析を一から教えてくれるので勉強になっています。
共催イベント企画の質向上 弊社のエンジニアとタイプの似た参加者が集まるようなタイトル・テーマを設計し始める。
インプットした内容を他者に説明する(内定者インターンなど) アウトプットは知識の定着に重要だと改めて気づきました。
🙅‍♀️ 失敗 軽い気持ちでハイブリッド配信に挑戦し爆死 一方向と双方向は難易度が全く違う。香盤表作成と練習を徹底したことで現在は大分スムーズになりました。

採用を学び始めたこと、内定者インターンで自分自身が言語化し説明すること、アーキテクチャカンファレンスで現状のプロダクトについて勉強し直したことでかなり頭が整理できた月でした。インプットだけでなくそれを他者に説明することも大事。 そしてイベント企画では弊社のエンジニアとタイプの似た参加者が集まるようなタイトル、弊社と同じ課題感のテーマ、などを設計し企画し始めました。

📊 8ヶ月間の成果と今後の課題

📖 読んで良かった本

📈 半期の結果(6月〜12月半時点)

2025年6月以前は数値を取る仕組みもなかった&執筆数はアドカレによってかなり変動しそう&DevRel参入前はどの月も数値に大差ないということで2024年同時期の数値と比較してみました。

指標 去年の同月  6月〜12月半時点   
登壇者数(社内外) - 56人
登壇回数(社内外) - 128回
テックブログ執筆数 68本 80本
テックブログ執筆者 21人 39人
自社イベント開催数 2回 14回
connpassフォロワー数 330人 632人
1イベントあたりのconnpassフォロワー増加平均 10人/イベント 25人/イベント

開発組織150人のうち 約40% が登壇したことになりますね。
去年だと社外登壇数はほぼ0に近いと思うので(4〜5月時点で2人以下だったため)歴代最多なのではないかと思います。

🤔 結果から見えた課題

登壇やPV数は増えたものの、きっとPV数や登壇数はKPIにはならないのだと思います。(序盤のフェーズでは良かったと思う)登壇やイベント開催をゴールにしてしまうと「だから何?」状態になってしまいます。

まだ正解はわかりませんが...生後8ヶ月の私が思うこと
目的が 「DevRel」 になってはいけない。どんな施策も「ビジネスゴールに繋げる」ことを考えるべきで、登壇や発信、イベント施策が、結局その後何に繋がるのかを言語化していくのが大事。そして採用面であればそのつながりを絶やさずに数値として出せるような施策が必要。

今後は分析をしつつ、より採用面でインパクトを大きく出せる施策、取り逃さない施策に注力したいと思っています。

❣️ 忘れちゃいけないこと10箇条

  1. 逃げずに挑戦してみること
  2. 自社のエンジニアやコミュニティ、関わる人全員へのHRTの精神を持つこと
  3. 失敗しても落ち込みすぎず次に活かすこと
  4. 正解か疑ってみること
  5. 前向きに楽しむこと
  6. 旗振り役であること
  7. 勉強し続けること
  8. 行動が目標に向かっているか立ち返ること
  9. 健康であること
  10. 可愛くあること

意外と難しいのですこれが...日々精進

🌟 8ヶ月を終えて

色々な成果を書きましたが、これは決して私だけで動かしたものではなく、チームからFBをいただき、現場に協力していただき成し得た結果です。

未だに毎日無駄にバタバタしていますが、誰も正解を持っていないからこそ面白い領域なのかなと思います。未経験者は経験者より伸びしろが大きくてお得だし、課題があれば試せることも多くて面白いと思います。

忙しい中協力してくれたりFBをくれるエンジニアメンバー、失敗しても理解が遅くても呆れずに教えてくれているチームとCTOに、心から感謝しています。

下半期もバリバリときゅーとに頑張るぞ〜!
少しでもDevRel始めたての方の役に立てれば幸いです。

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