背景
弊社ではタスクフォースという形式で、特定の課題に対する改善プロジェクトを実施しています。その一環として、AI活用を進める「AIタスクフォース」に私も参加しています。本記事では、2024年に試したAIツールの成果と課題を振り返り、備忘録としてまとめました。
おすすめ(今後も使い続けていきたいもの)
1. Slack AI
良かった点
-
情報収集の効率化:
- リモート中心の弊社において、Slackは情報の宝庫
- 「OOというエラー」「課題番号 XXXについてまとめて」など、シンプルなプロンプトで多様な情報を整理できる
- オンボーディングにも活用可能
改善点
- 結果表示が見づらく、複数の検索結果を横断する際に手間がかかる
2. GitHub Copilot Free
良かった点
-
コード予測/補完が強力:
- 1行書くと、それを基に数行を補完できる
- リファクタリング作業で特に威力を発揮しました
- 一部言語やフレームワーク(PHP/Laravelなど)では非常に優秀な印象
- コミットタイトルも考えてくれるなど、VSCodeとの連携も十分
課題と限界
- コードレビューやエラー対応には弱い
- 有料プランはコードレビューにも使いやすそう?
- マイナーなフレームワークや古い言語(例: Angular)では誤りが多い
- 安易に使用するとリスクも伴う
- 例: 人間が意識せずに危険なコードを書き込む可能性
3. NoteBookLM
良かった点
-
独自ドキュメント生成:
- PDFやYouTube、Webサイトの内容を学習用ドキュメントとして再構築可能
- 英語の公式ドキュメントも分かりやすく翻訳・整理
-
有効なユースケース:
- 試験勉強や体系的な知識の習得
改善点
- まだまだベータ版という感じでドキュメントが見づらかったり、ちゃんとした製品ページが無い点
4. Perplexity
良かった点
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手軽な情報検索:
- ざっくりとした情報収集に便利
- SoftBankユーザー向けのプランも広告を見かけるなど、Chat-GPT以上に浸透する可能性もありそう
改善点
- 結果が見づらいと感じる
- 日本語対応の問題も影響している可能性
今後は他の手段を探すべきもの
1. Dify
良かった点
- ノーコードでAIを組み込める手軽さ
-
おすすめ用途:
- AIを試しに作りたい人
課題
- プロンプト設計が難しく、効果的な活用には工夫が必要
- 実際にAIを製品に落とし込むには課題が多いという点に、早く気付けた点は良かった
2. TaqTic
良かった点
- 議事録ツールとしての基礎的な機能は良好
課題
- 要約結果が不十分で、正確性に欠ける
- 録画可能な他ツール(例: tl;dv)の方が優勢
改善案と次のステップ
ただ闇雲に試しているだけだといつになっても業務の改善にはならないため、下記のような進め方も必要な印象です。
ツール評価基準の精緻化
- 導入したAIツールを定量的・定性的に評価する基準を策定し全社的に導入できそうな製品を探す
- 例: 情報収集効率、エラー削減効果、ユーザビリティ、トライアルしてもらってFB会を設けるなど
社内トレーニングの強化
- GitHub CopilotやSlack AIなどのツール活用スキルを向上させるための研修を実施
- 特にプロンプト設計や注意点の共有
- 活用事例の勉強会などもしたい
ツール間連携の強化
- 既存ツールを補完し合う形で組み合わせることを検討
- 例: PerplexityとNoteBookLMの活用で検索と学習をシームレスに
最後に
2024年はAI活用が大きな進展を遂げた年でしたが、まだ多くの課題も残っています。本記事を通じて、同様の課題に取り組む企業や個人に役立つ情報が提供できれば幸いです。引き続き試行錯誤を重ね、より良い活用方法を模索していきます。