1. はじめに
ESP32-S3を使った開発を始めるため、VSCodeとESP-IDFを使用して開発環境を構築した。
ESP32の開発環境には、以前紹介したように、Arduino IDEなどいくつかの選択肢があるが、今回はEspressif公式の開発フレームワークであるESP-IDFと、VSCodeのESP-IDF拡張機能を使用する。
本記事では、Kubuntu上のVSCodeにESP-IDFの開発環境を構築し、ESP32-S3向けのサンプルプロジェクトを作成して、オンボードLEDを使用したLチカを動作させるところまでを紹介する。
環境構築後は、以下の流れで動作確認を行う。
- ESP-IDF拡張機能のインストール
- ESP-IDF本体のインストール
- ESP32-S3向けの
blinkサンプルプロジェクト作成 - GPIOおよびLED設定
- ビルド・ESP32-S3への書き込み
- Lチカおよびシリアルログの確認
2. 筆者環境
筆者の環境は以下の通り。
2.1 開発PC
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Kubuntu 24.04.4 |
| CPU | Ryzen 5 7600 |
| メモリ | DDR5-5600 64GB |
| マザーボード | MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI |
2.2 ESP32-S3
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | Freenove |
| ボード | ESP32-S3 Camera Board |
| SoC | ESP32-S3 |
| Flash | 8MB |
| PSRAM | 8MB |
| 購入先 | Amazon |
3. 構築手順
3.1 ESP-IDF拡張機能のインストール
VSCodeの拡張機能画面でESP-IDFを検索してインストールする。
3.2 ESP-IDF本体をインストールする
まず、コマンドパレットからESP-IDF: Open ESP-IDF Installation Managerを選択する。
Start Installationをクリックして、インストールを開始する。

インストールが完了したら、Go to Dashboardをクリックする。

インストールしたESP-IDFのバージョンが表示されていることを確認する。

4. Lチカを試す
4.1 Lチカプロジェクト作成
VSCodeのプライマリサイドバーからESP-IDF: Explorerを開き、Commands -> Advanced -> New Project Wizardを選択する。
使用するESP-IDFには、先ほどインストールしたバージョンを指定する。
New Project画面が表示されたら、左側の検索欄にblinkと入力する。
Lチカ用のサンプルプロジェクトが表示されるため、blinkを選択し、画面上部のCreate project using template blinkをクリックする。
続いて、ビルド対象のESPチップおよび接続方式を以下のように指定し、Create Projectをクリックする。
Choose ESP-IDF Target (IDF_TARGET): esp32s3
Choose ESP-IDF Board: ESP32-S3 chip (via builtin USB-JTAG)
Create Projectをクリックすると、blinkサンプルをベースにしたプロジェクトが作成される。
4.2 Lチカの設定を行う
画面下部のツールメニューからSDK Configuration Editor (menuconfig)をクリックする。
Example Configurationを開き、使用するボードのGPIOピンやLEDの種別に合わせて設定を変更する。
筆者が使用しているESP32-S3ボードでは、オンボードLEDがGPIO2に接続されているため、以下のように設定した。
Blink LED type: GPIO
Blink GPIO number: 2
GPIO番号やオンボードLEDの仕様は使用するボードによって異なるため、自身が使用するボードの仕様を確認して設定すること。
4.3 ビルドと書き込み
ESP32-S3をUSBケーブルでPCに接続する。
画面下部のツールメニューからBuild Projectをクリックする。
ビルドが成功したら、Flash DeviceをクリックしてESP32-S3へ書き込む。
書き込みが正常に完了すると、オンボードLEDが点滅することを確認できる。
筆者環境では、基板上のIO2に対応する青色LEDが1秒ごとに点滅した。
また、blinkサンプルはシリアルコンソールにもログを出力する。
画面下部のMonitor Deviceを開くと、LEDの点滅に合わせて1秒ごとにON/OFFのログが出力されることを確認できる。
5. まとめ
VSCodeのESP-IDF拡張機能を使用して、Kubuntu上にESP32-S3の開発環境を構築し、ESP-IDFに用意されているblinkサンプルを動作させるところまで確認した。
ESP-IDF 拡張機能では、ESP-IDF本体のインストールからプロジェクト作成、menuconfigによる設定、ビルド、書き込み、シリアルモニタまでVSCode上から操作できるため、比較的簡単にESP32-S3の開発を始めることができた。
今回使用したESP32-S3では、Blink LED typeをGPIO、Blink GPIO numberを2に設定することで、オンボードの青色LEDを1秒間隔で点滅させることができた。また、Monitor DeviceからLEDのON/OFFに対応したログが出力されていることも確認できた。
これで、ESP-IDFを使用してESP32-S3のプロジェクトを作成・ビルド・書き込み・実行するための基本的な開発環境が整った。















