対象の読者
Djangoを学び始めたばかりのプログラマーで、多言語対応のウェブアプリケーションを開発したいと考えている方。
i18nとは
様々な地域での法律や規制、文化によって異なる要件に対応させることです。
_()の意味
Djangoでは、アンダースコア()は翻訳用のマーカーとして使用されます。これは、Djangoの翻訳ツールがテキストを検出して翻訳用のカタログに追加できるようにするためのものです。例えば、_(“Hello World”)で囲まれたテキストは、翻訳対象のテキストとしてマークアップされます。
翻訳カタログ(Translation Catalog)
翻訳カタログは、Djangoアプリケーション内のテキストを翻訳するためのデータベースまたはデータファイルのことを指します。これは、各言語ごとにテキストとその対応する翻訳バージョンを格納します。翻訳カタログは通常、Djangoの管理コマンドを使用して生成され、アプリケーションのlocaleディレクトリ内に保存されます。
翻訳カタログの生成と編集
翻訳カタログの生成は、以下のコマンドを使用して行います。
$ python manage.py makemessages -l <言語コード>
生成された.poファイルをテキストエディタで開き、テキストとその対応する翻訳を追加または編集します。
#テンプレートファイル名や行番号
msgid "オリジナルのテキスト"
msgstr "翻訳後のテキスト"
翻訳カタログのコンパイル
翻訳カタログをコンパイルして、実際の翻訳ファイル(.mo ファイル)を生成します。
$ python manage.py compilemessages
アプリケーションで翻訳を使用
Djangoアプリケーション内で翻訳を使用するには、テンプレートやPythonコードで gettext関数や{% trans %}テンプレートタグを使用します。Djangoはユーザーの選択した言語に基づいて適切な翻訳を表示します。
ユーザーが使用する言語を指定するための方法
- ブラウザの言語設定
Djangoは、ユーザーのブラウザから送られてくるAccept-Language HTTPヘッダーを見て、ユーザーの言語を推測します。これはブラウザの言語設定に基づいています。 - URLパラメータ
Djangoは、URLの一部として言語コードを含めることで、特定のビューで使用する言語を指定することができます。 - セッションやクッキー
Djangoは、ユーザーが明示的に言語を選択した場合(例えば、言語選択ドロップダウンメニューを使用して)、その選択をセッションやクッキーに保存することができます。これにより、ユーザーが次にサイトを訪れたときに同じ言語が使用されます。
Djangoの国際化(i18n)機能とGoogle翻訳の違い
Djangoの国際化(i18n)機能は、アプリケーションの開発者が提供する翻訳を使用して、アプリケーション内のテキストを翻訳します。一方、Google翻訳は、Googleが提供する翻訳サービスで、ウェブページ全体や任意のテキストを翻訳することができます。しかし、Google翻訳は動的な翻訳を提供するため、その結果は常に完全に正確であるとは限らない。
まとめ
Djangoのi18n機能は、多言語対応のウェブアプリケーションを開発する際に重要なツールです。これにより、開発者はアプリケーション内のテキストを翻訳し、異なる言語のユーザーに対応することができます。この記事では、Djangoのi18n機能の基本的な使い方と、それがどのように動作するかについて説明しました。これにより、開発者は自分のアプリケーションをより広いユーザーベースに対応させることができます。