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C言語によるアジャイル開発とテスト駆動開発(CI入門) ~ 4.Jenkins導入 ~

Last updated at Posted at 2021-02-12

概要

これまでで、アジャイル開発に対するテスト駆動の必要性を解き、CUnitによるテスト実行の自動化、CMakeによるビルド工程の自動化を行ってきました。
本記事では、Jenkinsとこれまでの成果を用いて、テスト工程を自動化していきます。

記事の全体像

環境

OS : Linux ubuntu 18.04.5 LTS
テストツール : CUnit 2.1-3

コンパイラ : gcc 7.5.0
ビルドツール:CMake 3.19.4
CIツール:Jenkins

CIツール

そもそもビルド自動化ツールとは

ソフトウェア開発のビルド、テスト、及びデプロイに関連する部分の自動化を支援し、継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を促進するためのツール。

これまでは、CMakeでビルドを自動化し、CUnitでテストを実行することができました。
では、誰がビルドを実際に行い、テストを実行し、報告してくれるのでしょうか?
そうです。__Jenkins__です。

CIツールでは、特定のイベントをトリガーにしてあらかじめ指定しておいた処理を実行する役割を担います。

代表的なツール

  • Jenkins
  • Travis CI
  • Circle CI
    など

SCM導入

Jenkinsを導入する前に、SCMを導入します。
ここではgithubを導入していきます。
詳細は説明省かせていただきますので、他を参照してください。

プライベートのリポジトリで、リポジトリ名をadd_sampleとします。
空のリポジトリの作成が出来たら、今まで作ってきた環境を登録します。

Bash
$ tree
.
├── CMakeLists.txt
├── add
│   ├── include
│   │   └── add.h
│   └── src
│       └── add.c
├── main.c
└── test
    └── unitTest.c

この状態から、先程作ったリモートリポジトリを登録します。

Bash
git init
git add .
git commit -m "first commit"
git remote add origin [githubへのURL]
git push -u origin master

Jenkins導入

Jenkinsのインストール

Bash
sudo apt install openjdk-11-jdk
wget -q -O - https://pkg.jenkins.io/debian-stable/jenkins.io.key | sudo apt-key add -
sudo sh -c 'echo deb https://pkg.jenkins.io/debian-stable binary/ > /etc/apt/sources.list.d/jenkins.list'
sudo apt-get update
sudo apt-get install jenkins

[Jenkins][Ubuntu] UbuntuにJenkinsをインストール
こちらに則って、初期設定を行います。

プラグインのインストール

git, xUnit, Coberturaをインストールしていきます
ログインしてこのような画面が出るはずなので、__Jenkinsの管理__をクリック
image.png

上段の右から2番目の__プラグインの管理__をクリック
image.png

利用可能 タブで git と検索し、チェック
image.png

同様に xUnit をチェック
image.png

同様に Cobertura をチェック
image.png

画面下部の ダウンロードして再起動後にインストール を押し、
インストール完了後、ジョブがなければJenkinsを再起動するにチェックを押します。
※上手く再起動出来ない場合があるので、一旦タブ消し、再度ログインしたりしてみてください。
image.png

再度ログイン後、同じ画面で__インストール済み__の箇所から先程インストールしたプラグインが表示されていればインストールは完了です
image.png

プロジェクト(ジョブ)の作成

Top画面に戻り、左上の__新規ジョブ作成__を押します。
image.png

プロジェクト(ジョブ)の名前に__add_sample__と入れ、__フリースタイル・プロジェクトのビルド__を選択し、OKを押します。
image.png

ソースコード管理で __git__を選択し、リポジトリのURLにgithubのURLを入力します。
image.png

認証情報の追加を押し、gitHubの__ログインユーザー名とパスワード__を入力します。
image.png

次に、ビルド・トリガの__SCMをポーリング__を選択し、* * * * *を入力します。
これは、SCM(Source Control Management ※今回はgitHub)をポーリング(定期的に問い合わせ)するということです。
gitHubがPushを受け取った際に、Jenkinsに知らせるイベントドリブン的なやり方もありますが、
これは、固定IPが必要になるのと、ルーターの設定等やらなければならないので今回はパスします。
image.png

次に、ビルドで、__シェルの実行__を選択し、下記のスクリプトを入力します。
ほとんどこれまでやってきたとおりですので、最後の行の箇所だけ説明します。
-r : ルートディレクトリ(gcovrはソースファイルを含む必要があるので、bulidフォルダの上の階層を指定する)
-x : XMLファイルを出力させる
-o : outputファイル名
です

echo TEST START

rm -rf build
mkdir build

cd build
cmake ..
cmake --build .

./UnitTest

gcovr -x -r .. -o gcovr_report.xml

image.png

一旦保存して下記の画面(以降プロジェクト画面と言う)に推移したら、__ビルド実行__を押して実行を確認しましょう。
するとビルド履歴が表示されます。青色であればビルドが成功しています。
image.png

エラーが出ている場合は、
ビルドの履歴部分(#1とか)をクリックし、ビルドの詳細に飛びます。
コンソール出力をクリックすると、コンソール画面が表示されますので、
この画面でどのようなエラーが出ているか確認しましょう。
image.png

プロジェクト画面に戻り、設定をクリックします。
一番下のビルド後の処理の追加で__Coberturaカバレッジ・レポートの集計__選択し、build/gcovr_report.xmlを入力します
(表示されない方:プラグインのインストール)
image.png

さらにビルド後の処理の追加から__Publish xUnit test result report__選択します
Report Type を __CUnit-2.1(default)__を選択し、__Includes Pattern__からbuild/CUnitAutomated-Results.xmlを入力します
image.png

保存を押して、再度ビルド実行します。
ビルドの履歴部分をクリックし、ビルドの詳細に飛ぶと、
__Cobertura カバレッジ・レポート__と__テスト結果__が表示されていると思います。
image.png

各々クリックすると下記の様な画面が出てきます。
image.png
image.png

これでJenkinsを用いてビルドの処理を自動化することが出来ました。

ついにテスト自動化

やっとここまで来ました。
ここまで読んでくれる人いるのか甚だ疑問。もはや一人舞台。

でももうひと踏ん張りです。
最後に、ローカルの環境でバグを治してgitHubにプッシュしましょう。
これまで通りの設定をしていれば、
1分以内にJenkinsがgitHubの更新を確認し、ビルドを行い、テストを実行し、テストレポートを吐いてくれます。

ではバグを治します。

add.c
#include <add.h>

// バグのあるadd関数(テスト対象)
int add(int x, int y) {
		return x + y; // ココ。return 0; から修正
}

gitHubに修正を登録します。

Bash
git commit -a -m "bug_fix"
git push

Jenkinsのプロジェクト画面を見張りましょう。
一分以内に新しいビルド履歴が表示されるはずです。
ついでに今回の バグフィックス でテスト結果の推移にも反映されていますね。
image.png

もちろん詳細を確認しても
image.png

おわりに

めでたしめでたし。
もし、間違いや指摘事項等あれば、コメントしていただけると大変助かります。

参考文献

JenkinsとGitHubのWebhook連携の整理
20年物のC言語で作られたシステムのテスト工程を改善しようとした話
開発者(個人)のためのJenkins - Git Plugin編

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