はじめに
みなさんは、新機能の開発や機能改善などで、実際に使っているユーザーの声を聞くためにユーザーインタビューを行っていますか?
プロダクトマネジメントでは最高のプロダクトをつくるために、プロダクトとユーザーを重視してデザインや開発を継続的に行なっていくために、ユーザーへのヒアリングは重要な要素になっています。
そのため、ユーザーインタビューを行なっている企業やプロダクトは多いと思います。
しかし、実際に効果のあるユーザーインタビューを行えているでしょうか?
この記事では、QiitaでおこなっているRECOROKUを使ったユーザーインタビューの方法を紹介します。
RECOROKUとは?
RECOROKUでは、Zoom/Teamsで録画した動画と文字起こししたデータをアップロードすることで、動画内の発言を検索できます。
ミーディング内の特定のシーンにコメントができたり、特定のシーンのリンクを発行することもできるため、ミーティングに参加していないメンバーへ共有するのが便利です。
また、RECOROKUのNote機能では、ミーティング中にNote機能でメモしたことが、アップロードした動画に紐ずくため、ミーディングを振り返って見返した時に、とても便利でした。
ユーザーインタビューで意識していること
ユーザーインタビューの目的
最高のプロダクト・機能を作るには、ユーザーの本質を見抜くことが必要です。
ユーザーの本質を見抜くために、ユーザーの事実を集めるのがユーザーインタビューです。
なぜなら、
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最高のプロダクト・機能を作るには、自分たちだけが知っているユーザーへのインサイトが必要になります。
- そのインサイトがあることで、競合との差別化ができるからです。
-
自分たちだけが知っているインサイトは、自分たちで推論や思考をする必要があります。
- 自分たちで推論や思考をすることで、自分たちしか知らないインサイトが見つかります。
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推論や思考をするためには、ユーザーの事実や行動データが必要になります。
- 推論や思考のスタートになるのが、ユーザーの事実や行動データです。
- ユーザーの事実や行動データを集めるために、ユーザーインタビューを行います。
つまり、最高のプロダクト・機能を作るには、自分たちだけが知っているインサイトが大切で、
自分たちだけが知っているインサイトを見つけるために、ユーザーの事実を知るためにユーザーインタビューを行うということです。
ユーザーインタビューで大切なこと
ユーザーインタビューでは、"聴く" ことが大切です。
大好きな人の話を聞くように耳を傾けましょう!
なぜなら、ユーザーインタビューは、アイディアの良さをユーザーに説得する時間ではなく、ユーザーの事実を集める時間であるからです。
そのため、「〇〇についてどう思いますか?」や「こうすれば解決すると思いますか?」などのユーザーに意見を求めたりするのではなく、
「〇〇の時どうしましたか?」や「なに苦労しましたか?」などのユーザーの事実を求めるのが大切です!
ユーザーインタビューのやり方
これらのことを意識して、RECOROKUを使ったユーザーインタビューを行なっていきましょう!
1. ユーザーインタビューの準備をする
ユーザーインタビューでは、準備が大切です。
準備では、インタビュー内容をきめたり、ユーザーへの連絡などを行います。
○ やること
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聞くこと内容を決める。
- 詳しくは↓したのセクションで🙏
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ユーザーインタビューに参加するメンバーを決める
- インタビュアー、メモする人の2人くらいがちょうど良さそう。
- インタビュイーを決める
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ユーザーインタビューする日・時間を決める
- 時間は、45分~1時間15分くらいがいいと思います。
-
MeetのURLの発行&共有 (録画しやすいので..)
- 録画できる設定と文字起こしできるような設定を忘れずに 🙏
-
RECOROKUの会議を準備する。
- オブザーバーがメモを取れるように事前に会議を開いておきます。
○ 聞くこと内容を決める
インタビューの内容決めるにあたって、↓こちらのフレームワークを参考に作っていきます。
このフレームワークで聞けなさそうな問いに関しては、以下のことを注意して追加していきます。
- 現在・過去の話を聞く
- 想像・未来の話にならないように注意する
- プロセスを聞く
- 結果だけを聞かないように注意する
- 具体的に聞く
- 抽象的な答えにならないように注意する
- オーブな問いにする
- Yes/Noで答えられるようなクローズドクエスチョンにならないように注意する。
- インタビュー内容が台本にならない程度に問いを追加する
- インタビュー内容をがっつりと決めてしまうと、ユーザーの本質を見抜くための質問ができなります。
2. インタビュー編
複数人でユーザーインタビューを行う場合、↑こんな感じに行なっています。
インタビューアーがGoogle Meetでユーザーへインタビューを行い、
それをZoomの画面共有を使い、オブザーバーに共有しています。
○ インタビューアー
インタビュアーは、事前に決めた聞くこと内容に沿って、質問をおこなっていきます。
インタビュー中には、ユーザーの事実を集めるために、必ず追加の質問をするようにしています。
追加で質問することで、さらに深い部分でユーザーの事実を知ることができるからです。
その時に注意したいのは、想像・未来の話にならないように過去の話を聞くことです。
また、アイディアを出したりするのもNGです。
できるだけ、解答を誘導しないようにオープンな質問で、具体的なことやプロセスを聞きましょう。
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⭕️ OK例
- 〇〇に似たものを使った出来事をおしえてください。
- 〇〇を使うシーンは今月何回起こりましたか?
- 最後に〇〇が起きた時は、対応しましたか?
-
❌ NG例
- 〇〇どのくらい使いたいですか?
- 〇〇はどのくらい頻繁に起こりますか?
- 次〇〇が起きたらどうしますか?
ちなみに、「もう少し〇〇について詳しく教えてください」 は最強で、おすすめです!
○ オブザーバー
オブザーバーは、インタビュー中に RECOROKUのNote機能を使って、感じたこと・思ったことをメモします。
メモする内容にNGはないですが、以下のような内容をメインにメモしていきます。
タグ付けてメモすることで、振り返りしやすくなります。
- ユーザーへの気づき(感じたこと、思ったこと)
- ex. こんな使い方してたんだ、〇〇の時も同じことになりそう
- インタビュアーに対してのFeedback
- ex. こういう聞き方の方がいいかも、もう少しゆっくり話して欲しい
3. 振り返り編
振り返りは、RECOROKUを使いながら行います。
まずは、インタビューの録画とインタビューの文字起こし情報、オブザーバーのノートをアップロードし、振り返りの準備をします。
振り返りでは、動画を見ながら、ユーザーインタビューを振り返りながら、自分たちで推論や思考をおこない、インサイトを見つけていきます。
インサイトを見つけていく中で、推論や思考したことやメンバー議論したことなどは、逐一RECOROKUにコメントしていきます。
まとめ
この記事では、QiitaでおこなっているRECOROKUを使ったユーザーインタビューの方法について紹介しました。
RECOROKUを使うことで、ユーザーインタビューの知見が溜まり、メンバーへの共有が楽になります。
ぜひこの記事を読んで、ユーザーインタビューの知見が溜まり、最高のプロダクトをつくる第一歩を踏み出していただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
普段はデザインやフロントエンドを中心にQiitaに記事を投稿しているので、ぜひQiitaのフォローとX(Twitter)のフォローをお願いします。