EC-CUBEは国内No.1オープンソースですが、
今回は少し視点を変え、海外の中でもインドの市場についてレポートしたいと思います。
英語版はこちらこちらを参照ください。
https://qiita.com/deepika_tiwari/items/da2993c236f05f98c555
導入
人口統計について
インドは多文化の国です。
122の主要言語と122の主要言語があり、9つの異なる宗教があります。
また、2000人以上の民族部族と難民の少数民族が在住しています。
人口が多く大変魅力的な市場ですが、このような複雑さはインド市場の拡大を困難にしています。
そのため、企業はインド市場に合うように製品変更する必要がある場合があります。
日本とインドの違い
インドと日本には大きな違いがあり、インドの職場環境は日本と比較してよりカジュアルです。英語が多用され、食習慣についても、宗教的に極端です。
また最近は、起業家ブームが起きております。
https://www.weforum.org/agenda/2016/10/india-startup-boom-in-charts/
日本とインドの類似性
両国には多くの類似点があり、同様の社会構造を持っています。
上下関係を強く意識し、敬語に対する扱いも重要視されます。
民族性として、争いを避ける傾向にあり、家族構成も似通っています。
インドのネット環境について
モバイル革命
インド国内でインターネットが普及し始めたのはごく最近であり、
コンピュータでのネット利用のフェーズを飛び越え、直接モバイルでのネット利用フェーズに入っています。
これは、手頃なスマートフォン、手頃なネットのデータプランが広がっていることからも裏付けられています。
そのため、いま多くの人がネットを活用したビジネスを模索しています。
また、インド国内の言語でのネット利用も増加しています。
ただし、インド国内言語での利用は、ウェブブラウジング、エンターテイメント、およびコンテンツに多く見られます。
https://www.morganstanley.com/ideas/india-millennials-makeover-disruption-growth
今後のインターネット普及について
Morgan Stanleyの調査によると、
インターネット普及率は現在の38%から、2020年までに60%に増加します。
そのうち、90%がスマートフォンで接続されると推定されています。
また、ミレニアル世代はインド人口の36%を占めており、
インターネットユーザーの61%、オンライン買い物客の78%を占めると予測されています。
インドのEC市場について
EC業界リーダーについて
現在、インドには約110種類以上のEC関連サービスがあります。
MagentoとShopifyよりも、WooCommerceが最も多く、
Wix、BigCart、Squarespaceなどの市場シェアは小さくなっています。
WooCommerceはWordpressとの親和性ととパートナーシップを構築しており、非常に人気があります。
彼らは巨大なエコシステムを背景に現在約53.33%の市場シェアを持っており、
多くのインド企業はWooCommerceと提携しています。
https://www.datanyze.com/market-share/e-commerce-platforms/India/
競合について
コーディング知識がないユーザーは、WIXやGoDaddyなどのテクノロジーを使用し、
Webサイトをすばやく構築しています。
その最も大きな要因は、ドラッグ&ドロップ機能の提供により、WIXが普及しています。
また、彼らはソーシャルメディアとYouTubeの積極的な広告戦略を持っています。
各都市のEC市場について
総売上高と収益面において、
デリー、ムンバイ、バンガロール、コルカタなどの主要都市が、主要市場であり、
これらの都市からの注文は全体のうちの10件中8件です。
デリーのNCRでは、全国のオンライン購入の3分の1を占めており、続いてムンバイとなります。
決済について
人気に支払方法
- デビット / クレジットカード
- ネットバンキング
- E-wallets
- UPI payments
- CoD or PoD (payment on delivery via cash or cards)
インドは現在、9,400万人のデビットカードユーザーを抱えています。
Popular UPI apps in India
UPI payment - インド独自の決済方法
インドではUPIの支払いが増加しています。
UPIとは、インド政府の支援を受けた、ユーザーが銀行間でモバイルからの取引を行うことを可能にする支払方式です。
また、銀行間取引を容易にし、インタフェースはインド準備銀行に決められております。
そのため、スマートフォンを使用し銀行間の取引を即座に行うことが可能です。
インドEC市場の配送・物流
インドのEC市場には確立された配送システムがありません。
そのため、顧客の要求ごとにサービス提供者側と契約を行います。
- 配信は1日から10日の間の任意の範囲指定が可能
- 会員の方が速く配信でき、非会員は1日/即日配達料を支払う必要があります。
- 顧客は追加料金を支払うことにより、より速い配送要求行えます。
- 在庫管理が行われているため、納期も小売業者によって異なります。
- 同じ日の配達、1日/2日の配達、朝の配達のようなオプションは、大きなECサイトで利用可能です。
インドのEC市場の未来について
インドの電子商取引市場は、2022年までに4倍以上の規模で1500億ドル規模で成長する可能性があります。
現在AmazonやFlipkartが多くを占めており、
インドの中流階級は2017年の3億8000万人から2022年には5億4000万人に増加すると見込まれている。
長期的な展望
インドは2025年までに世界最大の市場になる可能性があり、消費は今後20年間で年間7.3%の増加が見込まれています。
また、2040年までに10人のインディアンのうち9人が「世界中流階級グループ」に属すると言われています。
https://www.pwc.in/publications/2018/propelling-india-towards-global-leadership-in-e-commerce.html
Challenges
中国とは異なり、インドには民主的な議会制度があります。
よって、意思決定と実施には長い時間がかかります。
決定権は国家にあり、各州の中央政策の実施が難しくなり、成長が阻害されています。
インドは、人口の増加や汚染などまた多くの問題を抱えております。
https://www.weforum.org/agenda/2016/11/6-surprising-facts-about-india-s-exploding-middle-class/
直近の傾向
- モバイルファースト
インターネットセッションの80%はモバイルからのものであり、今後も増加すると言われています。また、農村地域の人々も今後増えていくとされています。 - オリジナルECサイト
オリジナルECサイトが増えつつあります。(主に、映画チケット、スポーツウェア、化粧品、文具、レンタルなど) - ローカライゼーション
インドの人口の97%は3つの主要都市以外に住んでおり、eコマース市場の成功は地域社会とのつながりが重要になり、ローカライゼーションが重要になってきます。 - 起業ブーム
スタートアップ文化の盛り上がりは小都市での成長と機会を促進していきます。