フリーソフト9VAeきゅうべえという、モーショングラフィックスアプリを、マルチOSで開発しています。
ZIPで配布しているWindows版9VAeを、C#を使ってMicrosoftストアアプリにできないか試したのですが、Win32 の HDCをつかった描画や fopenを使ったファイル処理が不合格になるので、Cの移植をあきらめていたところ
DXライブラリをつかった Amazon Fire版9VAeきゅうべえが、WSA (Windows Subsystem for Android(TM))で Windowsストアアプリになることを発見。ファイル共有を使って、Windowsのユーザーフォルダにも読み書きできるみたいです。DXライブラリをつかうとWin32用CプログラムをMicrosoftストアアプリにできました。
●WSAは 2024年3月で終了になり、現在、この記事の方法は使えません(追記)
ここでは、Windows11で WSAアプリを開発する方法を紹介します。
WSA (Windows Subsystem for Android(TM)) インストール
WSAをいれるには、Microsoft Store から Amazon アプリストアをインストールします。AmazonアプリとAndroidアプリは厳密には違うので、WSAはほんとは、Windows Subsystem for Amazon では?・・Amazon 開発サイトでは、Windows用も開発してねとアピールしてます。「Amazonアプリストア」をインストールするには Windows11 メモリ8GBが必要です。(4GB PCにはインストールできません)
Windowsボタン>すべてのアプリ>amazon appstore>Amazonアプリストアを入手
開発者モードON
WSAがはいったら、開発者モードをONにします。
Windowsボタン>すべてのアプリ>Android用Windowsサブシステム>詳細設定
- 開発者モード ON
- 試験的な機能
- ローカルネットワークアクセス ON
- ユーザーフォルダを共有する ON
動作しない場合、一度再起動してみてください。
adb インストール
WSAを実機デバッグするには adb を使います。Android Studio をインストールすればよいですが、単独でインストールしたい場合は、Android SDK Platform-Tools でもよいです。
PowerShell でWSA実機に接続
PowerShell から以下を実行(D:\tools に Platform-Toolsをいれた場合。AndroidStudioをいれた場合は、AndroidStudio>File>Project Structure>SDK Location から SDKの場所に platform-tools があります)
D:\tools\platform-tools\adb connect 127.0.0.1:58526
- 「ADBのデバッグを許可しますか」が表示されたら「許可」ボタンを押してもう一度実行してみてください。
ipconfig で、Windowsのアドレスを確認
ipconfig
IPV4アドレス(xxx.xxx.xxx.xxx)をメモします。xxxは数字。このアドレスを使って、開発用パソコンから接続します。
アプリ開発用パソコンとの接続
筆者は、Android版の開発を、M1 Macbookで行っています。iOS/iPad版と同時に開発できますし、ビルドも高速です。MacやLinuxから WSAをデバッグするには次のようにします。(Windows11上のAndroidStudioなら、デバッグできる状態になっているはずです)
開発機の adb パスの確認
Mac にAndroidStudio をインストールした場合、通常 adb はつぎのパスにインストールされます。ターミナルから以下の命令で、adb が動くことを確かめてください。<ユーザーフォルダ>はユーザーのフォルダ名に置き換え
/Users/<ユーザーフォルダ>/Library/Android/sdk/platform-tools/adb devices
エラーがなければ、OKです。
開発機 adb から実機への接続
Windows11と同じネットワークに接続し、ipconfig で調べた IPV4アドレスをつかって次の命令で接続します。
/Users/<ユーザーフォルダ>/Library/Android/sdk/platform-tools/adb connect xxx.xxx.xxx.xxx:58526
- 実機上で「ADBのデバッグを許可しますか」が表示されたら「許可」ボタンを押してもう一度実行してください。
成功すると、開発機の AndroidStudio に、WSA実機(Microsoft Corporation Subsystem for Android(TM)) が表示され、実機デバッグできるようになりました。
解説動画の作り方
この記事で操作手順を説明した動画素材は、フリーソフト9VAeきゅうべえのひとコマ(OnePicture)アニメで作成しました。