はじめに
Claude Codeを触っていると、「あれ、Skillってやつとカスタムスラッシュコマンドって何が違うの?」って思いませんか?どっちも機能を拡張できるっぽいし、一見すると同じようなものに見えるんですよね。
でも実は、この2つは似て非なるもの。使い方の思想が全然違うんです。というわけで、公式ドキュメントやコミュニティのナレッジを漁りまくって、27項目にわたって徹底比較してみました。この記事を読めば、「あー、なるほどね!」ってスッキリすること間違いなしです。
SkillとCustom Slash Commandとは
まずは基本から押さえていきましょう。
Skillとは
Skillは、Claudeに「これ使っていいよ」って渡しておく道具箱みたいなものです。開発者が定義しておくと、Claudeが「お、今これ使うタイミングだな」って自分で判断して勝手に使ってくれます。
たとえば、Excel分析のSkillを作っておけば、ユーザーが「このデータ分析して」って言った瞬間に、Claudeが「よっしゃ、あのSkill使おう」って自動で動いてくれるわけです。賢いですよね。
Custom Slash Commandとは
一方、カスタムスラッシュコマンドは、よく使うやつをショートカット登録しておく感じです。/command-name って打つだけで、毎回同じ説明をしなくても決まった処理をやってくれます。
たとえば /commit って打つだけでコミットメッセージを作ってくれたり、/optimize でコード最適化の提案をもらえたり。まあ、スマホの辞書登録みたいなノリですね。便利便利。
詳細比較表
さて、お待ちかねの比較表です。27項目も用意しちゃいました。ちょっと多いですけど、これだけ見ればバッチリ理解できます。
| 比較項目 | Skill | Custom Slash Command |
|---|---|---|
| 基本概念 | AIが自律的に判断して使う拡張機能 | ユーザーが手動で呼び出すプロンプトテンプレート |
| 呼び出し方法 | AI自身が状況判断で自動起動 |
/command-name で手動実行 |
| 起動タイミング | Claudeが必要と判断した時 | ユーザーが明示的に指定した時 |
| ファイル構造 |
SKILL.md(必須)+ 補助ファイル群 |
.mdファイル単体 |
| 保存場所(個人用) | ~/.claude/skills/ |
~/.claude/commands/ |
| 保存場所(プロジェクト用) | .claude/skills/ |
.claude/commands/ |
| ファイル名規則 | ディレクトリ名は小文字・最大64文字 | ファイル名がコマンド名になる |
| 記述形式 | Markdown + YAMLフロントマター | Markdown(フロントマター任意) |
| 引数の扱い | 特に規定なし |
$ARGUMENTS, $1, $2などで受け取り可能 |
| フロントマター(YAML) |
name, descriptionが必須 |
allowed-tools, descriptionなどが任意 |
| 対応ツール制限 |
allowed-toolsで制限可能 |
allowed-toolsで制限可能 |
| 説明文字数制限 | description最大1024文字 | 特に規定なし(character budgetの影響あり) |
| 複雑度 | 複数ファイル・スクリプトを含む複雑なワークフロー | シンプルなプロンプトまたは簡易的なbashコマンド実行 |
| 使用シーン | 複雑な多段階タスクの構成要素 | 頻繁に使う定型作業のショートカット |
| 共有範囲 | チーム全体で共有するプロジェクト機能 | 個人または小規模チーム向けの簡易ツール |
| バージョン管理 | バージョン履歴の記録を推奨 | 特に規定なし |
| 実行権限 |
allowed-toolsで細かく制御 |
allowed-toolsと権限設定で制御 |
| プラグイン対応 | プラグインとして配布可能 | プラグインとして配布可能 |
| 依存関係管理 | ドキュメント化を推奨 | 特に規定なし |
| トラブルシューティング | 公式ドキュメントにガイドあり | 公式ドキュメントにガイドあり |
| リリース時期 | 2025年10月16日にリリース | それ以前から利用可能 |
| 対象ユーザー | Pro, Max, Team, Enterpriseプラン | 全ユーザー |
| 典型的な用途例 | Excel分析、PDF処理、コードレビュー |
/commit, /optimize, /review
|
| bashコマンド実行 | Skillディレクトリ内のスクリプトを実行 |
!プレフィックスでbashコマンド実行可能 |
| ファイル参照 | 補助ファイルやテンプレートを含められる |
@プレフィックスでファイル参照可能 |
| 名前空間 | ディレクトリ構造で整理 | ディレクトリ構造で整理 |
それぞれの特徴と使いどころ
表だけ見てもピンとこないと思うので、もうちょっと噛み砕いて説明しますね。
Skillの特徴と向いているケース
Skillは「AIに道具を渡しておいて、適当なタイミングで勝手に使ってもらう」っていう、ちょっと大胆な発想の機能です。
特徴
- Claudeが作業を進めながら「あ、ここでこれ使えばいいじゃん」って自分で気づいて使ってくれます
- SKILL.mdだけじゃなくて、スクリプトやテンプレートも一緒に詰め込めます。要するに、全部入りパッケージみたいな感じ
- 2025年10月16日に登場した、まだホヤホヤの新機能です
- ProとかMaxとかTeamとかEnterpriseプランの人が使えます。無料プランの人はごめんなさい
向いているケース
- Excel分析とかPDF処理みたいな、ちょっと複雑な処理をまとめてパッケージにしたい時
- AIに「ここはお前が判断してくれ」って任せたい時
- チーム全体で「このやり方で統一しようぜ」ってワークフローを共有したい時
- スクリプトとかテンプレートとか、いろんなファイルを組み合わせて使う時
具体例
- プロジェクトのコードレビューを全自動でやってくれるSkill
- データをガッと分析してレポートまで作ってくれるSkill
- ドキュメントを「うちのフォーマットはこれな」って決まった形で出力するSkill
Custom Slash Commandの特徴と向いているケース
カスタムスラッシュコマンドは「よく使うやつはショートカット登録しとこうぜ」っていう、わかりやすいコンセプトの機能です。
特徴
- 超シンプル。作るのも使うのも楽勝です
- 引数を渡せるから、同じコマンドでも状況に応じて使い分けられます
- .mdファイル1個置くだけで動きます。マジで簡単
- 無料プランでも使えます。みんな平等
向いているケース
- 「これ毎回やるの面倒だな」って定型作業を登録したい時
- 「今やりたい」って自分で決めたタイミングで実行したい時
- 個人の作業効率化。自分のためのツール
- 大げさなことはしなくていい、シンプルな処理で十分な時
具体例
-
/commitでパパッとコミットメッセージ生成 -
/optimizeでサクッとコード最適化の提案もらう -
/reviewでコードレビューお願いする
使い分けのポイント
じゃあ結局どっち使えばいいの?って話ですよね。ポイントをまとめてみました。
Skillを選ぶべき場合
- AIに「あとはよろしく」って任せたい複雑な処理
- ファイルがいっぱい必要な処理
- チーム全体で使うワークフローを標準化したい時
- バージョン管理とか依存関係とか、ちゃんと管理したい時
Custom Slash Commandを選ぶべき場合
- 自分でポチッと押したい、シンプルな処理
- 引数で動きを変えたい時
- 個人的に「これ便利」って思うやつ
- とりあえずサクッとセットアップしたい時
両方を組み合わせる
実は、SkillとSlash Commandって対立関係じゃないんですよ。むしろ両方使うのが賢いやり方です。
たとえば、定型作業はSlash Commandでパパッと片付けて、複雑な分析作業はSkillに丸投げする、みたいな感じ。プロジェクトの規模とか自分の好みに合わせて、いい感じに組み合わせましょう。
共通点
違いばっかり話してきましたけど、実は共通点もあるんです。
保存場所の柔軟性
どっちも個人用(~/.claude/)とプロジェクト用(.claude/)で分けて管理できます。チームで共有したいやつはプロジェクトディレクトリに放り込んでおけば、Gitとかで一緒に管理できて便利です。
セキュリティ設定
どっちも allowed-tools って設定があって、「このツールは使っていいよ」って制限できます。セキュリティ面もちゃんと考えられてるんですね。安心安心。
プラグインとしての配布
どっちもプラグインにして配布できます。コミュニティで「これ便利だから使ってみて」って共有したり、社内で「うちはこれ使おうぜ」って標準化したりできるわけです。
まとめ
さて、長々と語ってきましたが、要するにこういうことです。
Claude CodeのSkillとCustom Slash Commandは、どっちも開発作業をめっちゃ楽にしてくれる強力な武器です。でも、使い方の思想は真逆なんです。
Skill は「AIよ、お前を信じてるぜ」って任せるスタイル。複雑な処理を自動化したい時に最高です。
Custom Slash Command は「俺がコントロールする」ってスタイル。シンプルな定型作業をサクサク片付けたい時にピッタリです。
どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、状況に応じて使い分けるのがポイント。この記事を参考にして、ぜひ両方とも試してみてください。きっと「なるほど、こう使うのか!」って発見があるはずです。
さあ、あなたもClaude Code使いこなしマスターへの道を歩み始めましょう。頑張ってくださいね。