はじめに
Rを「端末に依存することなく、クラウド上で実行できたらいいな。」、「欲を言うと、ノートブックとして扱うことが出来たら嬉しい。」、「そもそも、環境構築が苦手だ。」なんてことを思ったことがありませんか?私はあります。そこで、Google Colaboratory(Colaboratory)を利用する方法を調べました。2つの方法があります。
そもそもColaboratoryでRを利用できるのか
ColaboratoryではPython3しか利用できない雰囲気があります。
以下を実行してColaboratoryで利用可能なカーネルの一覧を確認できます。
!jupyter-kernelspec list
Available kernels:
ir /usr/local/share/jupyter/kernels/ir
python2 /usr/local/share/jupyter/kernels/python2
python3 /usr/local/share/jupyter/kernels/python3
swift /usr/local/share/jupyter/kernels/swift
irがRのカーネルです。
Google ColaboratoryでRを実行する方法×2
Google ColaboratoryでRを実行する方法は2つあります。
- ノートブックにおける利用カーネルの変更
- セルごとの利用カーネルの変更
ノートブックにおける利用カーネルの変更
Step 1:ノートブックの新規作成
Rを利用するノートブックの新規作成をします。
Step 2:ipynbファイルをローカルに保存
「ファイル」>「ipynbファイルとしてダウンロード」
Step 3:利用カーネルの書き換え
ダウンロードしたipynbファイルを適当なテキストエディタで開きます。(※ノートブック形式で開くのは×)
その中にこのような記述があるかと思われます。これを…
"kernelspec": {
"name": "python3",
"display_name": "Python 3"
}
以下のように書き換えます。
"kernelspec":{
"name":"ir",
"display_name":"R"
}
差分はこのようになります。
"kernelspec":{
- "name": "python3",
- "display_name": "Python 3"
+ "name":"ir",
+ "display_name":"R"
}
そして保存します。
Step 4:Google Driveへアップロード・Colaboratoryで開く
カーネルの書き換えをしたipynbファイルをGoogle Driveへアップロードします。そして、Colaboratoryで開きます。これにより、このノートブックでRを実行可能です。
セルごとの利用カーネルの変更
Step 1:ノートブックの新規作成
Rを利用するノートブックの新規作成をします。
Step 2:Rの有効化
セルごとの利用カーネルとしてRを選択できるようにRの有効化をします。以下のコマンドを実行します。
%load_ext rpy2.ipython
Step 3:セルの利用カーネルをRに変更
Rでコードを記述した各セルの冒頭に以下を記述します。これを記述したセルでRを実行可能です。
※セルごとに記述する必要があります。
%%R
注意
慣れてしまうと時折、Step 2を失念してしまうことがあります。以下の出力を確認した場合は思い出してください。
UsageError: Cell magic `%%R` not found.
まとめ
Google ColaboratoryでRを実行する方法×2を紹介しました。ひとつは「ノートブックにおける利用カーネルの変更」、もうひとつは「セルごとの利用カーネルの変更」です。用途などに合わせて適している方をご利用ください。
おまけ
以下のコマンドにより、ColaboratoryにおけるRのバージョンなどの情報の取得が可能です。
%%R
R.version
2020年12月1日現在、ColaboratoryでのRのバージョンなどは以下の通りです。
_
platform x86_64-pc-linux-gnu
arch x86_64
os linux-gnu
system x86_64, linux-gnu
status
major 4
minor 0.3
year 2020
month 10
day 10
svn rev 79318
language R
version.string R version 4.0.3 (2020-10-10)
nickname Bunny-Wunnies Freak Out