#はじめに
社内のIT資産管理をするためにExcelやWordやVisioなどで更新を繰り返しますが、いつしかそのリスト管理に振り回され多くの時間を割いてしまうことがあります。
本記事ではそんなシステム管理者の負担を少しでも軽減する一つの方法としてDevice42というソフトを例に「情報収集を自動化」する技術をご紹介します。
#1.Device42とは?
アメリカのコネチカット州にある企業(その名も「Device42社」)が開発し、世界55カ国500社以上で展開しています。
以下の機能がセットになっています。
- CMDB(構成管理データベース)
- DCIM(データセンターインフラ管理システム)
- ITAM(IT資産管理)
- IPAM(IPアドレス管理)
一息で説明すると「無秩序に散らばった企業内のIT資産情報を正確に一元管理できるソフト」です。IT資産状況を正確に把握することで、レガシー環境からのリプレイス、最適化、管理工数ダウンを図ったり、機器のライフサイクルやソフトウェアライセンス違反の管理など、細かいところに手が届くため「真に強いIT環境づくり」を実現できます。
そのためにDevice42では、
- エージェントレスでシステム機器や構成を検出(クライアントソフト不要)
- 検出を自動化することで常に最新情報を維持
- システムやネットワーク機器の配置関係を可視化
をはじめとした機能があります。
#2.主な機能
Device42では大きく分けて7つの機能があり、それらを動的に紐づけることができます。
項目 | 機能 |
---|---|
IPアドレス管理 | ・IPアドレスの管理(IPv4、IPv6) ・サブネットの管理 ・VLANの管理 ・MACアドレスの管理 |
ソフトウェア管理 | ・ライセンス毎の使用頻度の確認 ・禁止ソフトウェアの検知 ・ライセンス期限のアラート ・ソフトウェアの脆弱性管理 |
パスワード管理 | ・パスワードの自動生成 ・256ビット暗号化対応 ・パスワードの使用権限付与 ・容易にパスワード検索が可能 |
ケーブル管理 | ・ケーブル接続状況の管理 ・ケーブル種別の確認 ・ポートの使用状況の管理 ・パッチパネルの可視化 |
データセンタ/IT資産管理 | ・ルーム、ラック、パッチパネル管理 ・HWのCPU、メモリ、HDD等の管理 ・HW/SWの使用状況の管理 ・機器同士の相互依存性の管理 ・サポート期限・在庫の管理 |
電源供給管理 | ・各機器における電源状態の管理 ・状況に応じたアラートの設定 ・電源状態のモニター機能 ・電源供給機器の管理 |
インパクト管理 | ・インパクトチャートによる状況確認 ・機器、ソフトウェア、ユーザの相互依存性の追跡・可視化(マッピング) ・アラートのカスタマイズと提供 ・パフォーマンスの問題点の確認 |
#3.使ってみた
30日の制限はありますが、フリートライアルができます。Device42社から仮想アプライアンスをダウンロードし、ESX環境にデプロイして試用してみました(私はVMware向けのアプライアンスを選択)。
① 登録したラックのポートや結線の情報が構成図として可視化できた!
(見えるぞ…私にも配線が見える!)
② PCやスイッチなどネットワークにある機器の一覧。
いつでも最新のレポートなので、棚卸の度に確認せずに済みます!
(チャンスは最大限に生かす、それが私の主義だ。)
#4.活用事例
構成管理資料が形骸化していたとある企業では以下の問題が発生しましたが、Device42の導入で解決することができました。
-
構成管理情報は独自DB、それ以外はExcelといった細分化した管理体制
⇒各種管理機能の一元化 -
独自DBを操作する必要があったため作業が属人化していた
⇒可視化されたことで誰でも直感操作が可能 -
本番設定情報と資料情報に差異が発生し重大な障害に繋がった
⇒常に最新の設定情報を取得・更新しているため、差異がなくなった -
手動でのデータ入力による多大な工数の発生
⇒データ入力工数の削減
#5.終わりに
ひとまず今回はDevice42の簡単なご紹介と、試用版を導入してみました。
少し使ってみて「このネットワーク」の中にある「PCという機器」は「ビルA」の中の「ルームB」に置いてある「ラックC」に収められていて、どんな「ソフトウェア」がインストールされているか…というように、各DBを相互に関連させて情報管理していることが分かりました。
レポートと構成図が常に自動で最新になる、というのはシステム管理者であれば非常に心強いですよね。
次回はもう少し細かい機能や特長となる部分を掘り下げていこうと思います。
最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました。
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