はじめに
AWS MCP Serverは、AIアシスタントがAWSサービスと自然言語でやり取りできるフルマネージドのMCPサーバーです。本記事では、実運用でのセットアップ手順と、コスト管理など特定用途での使い分けを検証結果に基づいて解説します。
AWS MCP Serverとは
AWS MCP Serverは、以下の機能を統合しています。
- Agent SOPs: 複雑なAWSワークフローの自動実行
- Knowledge Tools: 最新のAWSドキュメントとベストプラクティスへのアクセス
- API Tools: 15,000以上のAWS APIを自然言語で実行
既存のAWS Knowledge MCPとAWS API MCPの機能を統合し、設定を簡素化しています。
セットアップ手順
前提条件
- AWSアカウント
- MCP対応クライアント(Cursor、Kiro CLIなど)
-
uvxコマンドが使用可能であること
Cursorでの設定
~/.cursor/mcp.jsonに以下を追加
{
"mcpServers": {
"aws-mcp": {
"command": "uvx",
"args": [
"mcp-proxy-for-aws@latest",
"https://aws-mcp.us-east-1.api.aws/mcp",
"--metadata",
"AWS_REGION=ap-northeast-1"
],
"env": {
"AWS_PROFILE": "default"
}
}
}
}
重要なポイント
- サーバー名は
aws-mcp(aws-mcp-serverではない) -
commandはuvx(npxやuvではない) -
--metadata AWS_REGIONでデフォルトリージョンを指定(未指定時はus-east-1)
既存サーバーの整理
AWS MCP Serverに統合済みのため、以下は削除を推奨
aws-api-mcp-serveraws-knowledge-mcp-server
一方、以下は併用可能(個別機能として有用)
-
awslabs.aws-documentation-mcp-server(より詳細なドキュメント検索) -
awslabs.billing-cost-management-mcp-server(コスト管理専用)
コスト管理機能の検証結果
公式ドキュメントでは、AWS MCP Serverがコスト管理機能を提供していると記載されています。しかし、実際にコスト最適化を行う場合、専用のawslabs.billing-cost-management-mcp-serverとの違いが気になるところです。
そこで、実際のAWS環境で両者の性能と機能を比較検証しました。検証内容は、EC2コストの調査と分析です。
実環境での検証により、以下の違いが確認されました。
実行速度
| 項目 | awslabs.billing-cost-management-mcp-server | AWS MCP Server |
|---|---|---|
| 総実行時間 | 2分24秒 | 28秒 |
| 平均応答時間 | 約20.6秒/ツール | 約4.0秒/ツール |
AWS MCP Serverは汎用ツールのため高速ですが、コスト分析の詳細度は専用サーバーに劣ります。
分析の詳細度
awslabs.billing-cost-management-mcp-server
- Cost Optimization Hubと直接統合(X件の最適化推奨を自動取得)
- Compute Optimizerと統合(パフォーマンスベースの推奨)
- 過去3ヶ月のコストデータを詳細分析
- Savings Plansの具体的な購入推奨(ROI計算含む)
AWS MCP Server
- 基本的なリソース情報の取得は可能
- Cost Optimization HubやCompute Optimizerとの直接統合なし
- 過去のコストデータの詳細分析が困難
推奨される使い分け
包括的なコスト最適化が必要な場合
-
awslabs.billing-cost-management-mcp-serverを使用 - 月次/四半期のコストレビュー、FinOps活動に適している
基本的なコスト確認やリソース調査
-
aws-mcpを使用 - 日常的なリソース確認に適している
最適な方法: 両方を併用
{
"mcpServers": {
"aws-mcp": {
"command": "uvx",
"args": [
"mcp-proxy-for-aws@latest",
"https://aws-mcp.us-east-1.api.aws/mcp",
"--metadata",
"AWS_REGION=ap-northeast-1"
]
},
"awslabs.billing-cost-management-mcp-server": {
"command": "uvx",
"args": ["awslabs.billing-cost-management-mcp-server@latest"]
}
}
}
実践的な活用例
1. インフラの自動プロビジョニング
「本番環境用のVPCをセットアップして。マルチAZ構成で、パブリックとプライベートサブネットを含めて」
この指示で、VPC、サブネット、セキュリティグループ、ルートテーブルなどを自動設定できます。
2. トラブルシューティング
「特定のLambda関数がエラーを返している。原因を調査して」
CloudWatchログ、CloudTrailイベント、IAMポリシーを横断的に分析し、原因と解決策を提示します。
3. コスト最適化
awslabs.billing-cost-management-mcp-serverを使用することで、Cost Optimization Hubからの具体的な推奨(例:EC2最適化推奨)を自動取得できます。
トラブルシューティング
エラー: No such file or directory (os error 2)
-
uvxがインストールされているか確認:uvx --version - サーバー名が
aws-mcpになっているか確認 -
commandがuvxになっているか確認
まとめ
AWS MCP Serverは汎用的なAWS操作に適していますが、コスト管理には専用サーバーの併用が効果的です。用途に応じて適切に使い分けることで、効率的なAWS管理が可能になります。
参考資料
アクションプラン
-
AWS MCP Serverのセットアップ
~/.cursor/mcp.jsonまたは~/.kiro/settings/mcp.jsonに設定を追加し、基本的なAWS操作を試す -
既存サーバーの整理
aws-api-mcp-serverとaws-knowledge-mcp-serverを削除(統合済みのため) -
コスト管理サーバーの追加
FinOps活動を行う場合はawslabs.billing-cost-management-mcp-serverを併用設定 -
実践的なタスクで検証
「EC2インスタンスの一覧表示」「VPCのセットアップ」などで動作確認 -
継続的な最適化
月次でコスト分析を実施し、削減機会を特定