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【あと1ヶ月でも間に合う】30時間の学習で個人情報保護士認定試験に合格したときの勉強法

Last updated at Posted at 2025-06-21

この記事では、2025年6月に行われた個人情報保護士認定試験の合格体験記として、筆者が合格に向けて工夫した点や勉強法についてご紹介します。これから受験を考えている方の参考になれば幸いです。

個人情報保護士とは

個人情報保護士は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が認定する民間資格です。個人情報保護法に関する正しい知識と、企業・組織における情報管理の実践的な能力を証明するもので、情報セキュリティやコンプライアンスの分野で高く評価されています。

なぜ個人情報保護士認定試験を受けたのか

理由は大きく2つあります。

第一に 「会社の規定で資格取得が必須だったから」 というのが最も直接的な動機です。

それに加え、私自身も業務で委託データを扱う機会が多く、 「開発時に迷いなくデータの取り扱いを判断できるようになりたい」 という個人的な思いがありました。体系的な知識を身につけることで、より自信を持って業務を遂行できると考えました。

筆者の受験結果と学習時間

私は2025年6月に行われた第79回 個人情報保護士認定試験を受験しました。
試験後に公開される解答速報をもとに自己採点した結果は以下の通りです。

  • 課題Ⅰ(個人情報保護の総論):80% (正答数 40/50問)
  • 課題Ⅱ(個人情報保護の対策と情報セキュリティ):90% (正答数 45/50問)

合格基準は両課題ともに70%以上の正答率とされているため、無事合格ラインをクリアしていました。総勉強時間はおよそ30時間でした。
筆者は平日になかなか時間が取れなかったため土日に集中して学習を進めるスタイルを取りました。平日は通勤時間中に暗記を行う程度でした。
私自身エンジニアではあるので課題Ⅱの一部の内容については知識がある状態でしたが、後半時間が足りないと感じたので同じバックグラウンドの方でも余裕を持って40-50時間程度は確保しておいた方が良いと思われます。

使用教材

学習に使用した教材は以下の3点のみです。

  • 公式テキスト
  • 公式問題集
  • 過去問(公式サイトで公開されているものなど)

勉強法

今回は以下の勉強法を実践しました。

  1. 問題集・過去問を1周解く
  2. 答え合わせをし、分からなかった問題や間違えた選択肢について、解説を読む
  3. 解説を読んでも理解が浅い部分を、公式テキストで重点的に調べる
  4. 時間が許す限り1-3を繰り返す

この方法の最大のメリットは、「問題で何が問われるのか」を先に知ることで、分厚い公式テキストのどこを重点的に覚えれば良いかが明確になる点です。これにより、学習の効率が格段に上がりました。
公式テキストを読む際は2,3年度分の過去問についてさらっと読み頻出問題を把握した上で見ると傾向が掴めた上でより体系的に理解できるのでお勧めです。
これを過去問を3年分もやると公式テキストで調べずとも頭に入ってると思います。
また、過去問についてわかったこととしては3年に1度保護法が変わることもあるためか、最近の問題から類似した問題が多く出ているように感じたので、過去問は直近2年分+少し離れた年度1年分が良いです。少し離れた年度を解く理由は傾向に寄らず問題の出題範囲や順番について把握するためです。

とにかく「一度、全範囲の問題に触れてみること」を意識し、学習を進めることが重要です。

7つの工夫点

試験範囲が広く、覚えることも多岐にわたりますが、以下のポイントを意識することで効率的に学習を進めることができました。

1. 教材への書き込みで時間短縮

暗記用などの用途でノートを綺麗に別途作成する時間は非常にもったいないです。公式問題集や過去問に直接、解説やポイントを書き込んで情報を一元化しましょう。復習の際も、その教材を見返すだけで完結するため、大幅な時間短縮に繋がります。

2. 「重ね塗り」学習で全範囲を網羅する

この試験は、深く思考する問題よりも、広範囲の知識が問われます。特定の章を完璧にするより、問題集や過去問を最初から最後まで何度も解き、知識を重ね塗りしていくイメージで全範囲を網羅するのが合格への近道です。

最初は過去問を1周解くのが億劫に感じるかもしれませんが、一度乗り越えると「もう少しやれば合格できそうだ」という手応えを感じられるようになります。この段階までをいかに早く通過できるかが勝負の分かれ目です。

3. 1分単位のタイムマネジメント

試験日まで1ヶ月を切っているなど、時間が限られている場合は特に、学習時間の徹底的な管理が重要です。毎日の学習計画を分単位で立て、着実に実行していくことが合格に繋がります。

4. セキュリティ用語は「浅く広く」

課題Ⅱのセキュリティ分野は、専門用語が数多く登場します。「DNSキャッシュポイズニング」など、一つ一つの用語の意味を完璧に理解するよりは、「この用語はこの攻撃手法のこと」というレベルで、浅く広く覚えていく方が効率的です。

5. "違和感"で解く!問題の解き方のコツ

問題文を読み、選択肢ア、イ、ウ…と一つずつじっくり吟味する解き方は、時間がかかりがちです。

おすすめは、まず選択肢全体をぼんやりと眺め、語尾や表現に「何か違和感があるな」と感じたものから検討していく方法です。当たりをつけやすくなり、解答スピードが上がります。その後、他の選択肢と比較して正解を確定させましょう。

6. 過去問は「傾向」を掴むために使う

過去問演習は、単に問題を解くだけでなく、以下の点を意識すると効果が倍増します。

  • 正解の選択肢だけでなく、他の選択肢がなぜ正しい(または誤り)のかを理解する。
  • 選択肢の作り方の傾向(例:「〜しなければならない」は誤りが多い、など)を掴む。
  • どちらとも取れるような曖昧な問題の正誤のパターンを掴む。

また、出題傾向は毎年少しずつ変わるように感じました。過去問を解く時間が限られている場合でも、最低1回は直近の試験問題を解いておくことを強くお勧めします。とはいえ、体感で7割程度は過去問から類似問題が出題されるため、過去問演習が最優先事項であることに変わりはありません。

7. 集中力を高める学習環境

学習効果を最大化するために、以下の工夫も取り入れていました。

  • 科学的に正しい勉強法の実践: 下記の本の中で紹介されている「アクティブリコール」を実践しました。簡単に言うと覚えた内容をまっさらな紙に書き出すことで記憶から引っ張り出す作業です。これにより脳に負荷をかけて知識の定着を図ることができます。また、本当に自身が正しく覚えているかを確認できるので公式テキストの内容が身についているか確認したい時などにお勧めです。分散学習もやりたかったのですがそちらはあまりできずだったのでまた機会があればやってみようと思います。Youtube動画もあるのでぜひ見てみてください。

  • 独り言学習: 「なるほど、これはこういうことか」「ここは引っ掛けだな」などと独り言を言いながら学習を進めると、聴覚からも情報がインプットされ、記憶に定着しやすくなります。
  • ストレッチ: 長時間同じ姿勢でいると集中力が途切れます。こまめにストレッチをして心身をリフレッシュさせましょう。

実際に試験を受けてみて

試験勉強を通じて、これまで断片的だった個人情報保護に関する知識が体系的に整理され、業務に対する理解が格段に深まりました。資格取得という目的はもちろんですが、何より「データの取り扱いについて迷いがなくなった」ことが最大の収穫だと感じています。

頻出用語集

一部の用語は公式テキストには記載がないものもあったため頻出用語集を以下にまとめて公開しています。学習の参考にしてください。

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