はじめに
この文は、文系(人文社会学の哲学・思想系)で、かつ、LaTeXについてあまり理解していない人が書いた、ほんのTips集です。LaTeXの本質的、根本的な理解をせず、とりあえず論文(私の場合は卒論)が書ければいいや的なノリで適当にLaTeXを使ったものであります。そのことをまずご承知おきください。
何かの参考になれば幸いです。
美文書作成入門
https://www.amazon.co.jp/dp/4297117126/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_l-m4Fb0CH7D0E
買いましょう。私にLaTeXで遊ぶよう唆した先輩から改訂第6版を譲ってもらいました。あらかたの使い方は覚えたので後輩に譲りました。その後輩にはTwitterでブロックされました。悲しい。
Cloud LaTeXを使おう
環境構築をするのが正直な話面倒です。もちろん、その環境構築が楽しいというご意見は否定しません。ですが、最終、論文が書ければ良いのです。良い感じにpdf出力されればそれで良いのです。なので、Cloud LaTeXというオンラインサービスを使いましょう。一つのアカウントにつき1GB与えられています。ですが、特に目立った図版等を使わない、文字データだけであれば、まずいっぱいになることはないと思います(私はまだ2MBしか使っていません。3万字の卒論のデータも127KBでした。)。
Overleafというサービスを以前使っていましたが、日本語タイピングしていると、前に書いた文字の上に新しく書いた文字がリアルタイムで乗っかってしまうという非常にやりにくいバグ的な何かがあったので、諦めました。いまどうなってるのかは知りません。
個人的デフォルトのプリアンブル
デフォルトのプリアンブルはこんな感じです。
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{okumacro}
\usepackage{url}
もう自分でもどこから引用してきたのかよく分かりません。これが良いのかもよくわかりません。でも、個人的にはコンパイルした時に良い感じにページ全体に表示されるので、気に入ってます。適当。
見出しを目次としてつけたい
\tableofcontents
を入れましょう。\begin{document}のあとに入れましょう。いえい。
以下のサイトが元ネタです。
https://medemanabu.net/latex/tableofcontents/
目次で表示させる見出しを深いところまでやりたい
\section-\subsection-\subsubsectionで\subsubsectionのところまで目次に表示させたい!
\setcounter{tocdepth}{n}
で、これのnの部分に3を入れればsubsubsectionまで表示されます。
以下のサイトが元ネタです。
https://phithon.hatenablog.jp/entry/20110224/tex_change_the_depth_of_the_table_of_contents
subsubsubsectionまで表記
subsubsubsection(○-×-△-□の□の階層)まで表記する必要に迫られました。
そんなときはこんな感じで書くと良いです。
\makeatletter
\newcommand{\subsubsubsection}{\@startsection{paragraph}{4}{\z@}%
{1.0\Cvs \@plus.5\Cdp \@minus.2\Cdp}%
{.1\Cvs \@plus.3\Cdp}%
{\reset@font\sffamily\normalsize}
}
\makeatother
\setcounter{secnumdepth}{4}
元ネタはqiitaのこの記事です。
https://qiita.com/1180300-Atlantic/items/1d673e21096aeb484ba5
そんで、subsubsubsectionを目次表示させるためにはひとつ上のセクション(目次で表示させる見出しを深いところまでやりたい)でやったnの数字を4にしましょう。
subsubsubsubsectionが果たして良いのか問題はここでは議論しません。
プリアンブルに追加したものー古代ギリシア語の表記
古代ギリシア語を表記する必要に迫られました。その時に使ったやつです。
\usepackage[greek,japanese]{babel}
こんなコードをプリアンブルに書きました。
そんで、書きたい文字をこのpdfを参考に一文字一文字書きましょう。
http://a011w.broada.jp/wbaefznh35st/latex/sample_teubner.pdf
たとえば、ἀという文字が書きたかったら
\foreignlanguage{greek}{>a}
みたいな感じで書きます。
元ネタは以下のサイトです。
http://a011w.broada.jp/wbaefznh35st/latex/babel110.html
この際、次に普通に文字を続けるよりも、半角空けると、体裁が良くなります。つまりたとえば
ギリシア語\foreignlanguage{greek}{>a}ναρχ\foreignlanguage{greek}{'i}α
ではなく
ギリシア語 \foreignlanguage{greek}{>a} ναρχ \foreignlanguage{greek}{'i} α
%↑ ↑空白 ↑ ↑
ということです。
コンパイルすると前者は
で、後者は
です。なんとなく、文字と文字の間隔に統制が取れている感じがします。
[]内のjapaneseを右端にしましょう。そうしないと、文章の例えば「目次」のところが"Index"みたいに英語になってなんか体裁が悪いな~って感じになります。
これの元ネタは以下のサイトです。
https://museion.sakura.ne.jp/wiki/?TeX/PackageFile/japanese
章ごとに別のファイルに分けて、主従関係を作りたい
main.tex(名前は何でもいいけどとにかくメインのページ)はメインのポータルにして、各章は分割して管理しましょう。そうしないとmain.texにすべての情報が記述されて、長すぎてわけがわからなくなります。
subfilesをしましょう。
まず、main.texのプリアンブルに以下のように書きましょう。
\newcommand{\ifDraft}{false}
\usepackage{subfiles}
そんで、各ファイルごとの最初と最後にはこう書きましょう。
\expandafter\ifx\csname ifDraft\endcsname\relax
\documentclass[thesis]{subfiles}
\begin{document}
\fi
%本文
\section{バクーニンの生涯} %本文の例
\expandafter\ifx\csname ifDraft\endcsname\relax
\end{document}
\fi
で、main.texの本文(\begin{document}~\end{document}の間)に以下のように書きましょう。
\input{バクーニンの生涯}
こうすれば、main.texとバクーニンの生涯.texが主従の関係で、それぞれ独自に管理できます。
これは、以下のサイトが元ネタです。
http://yh9092.hatenablog.com/entry/2019/03/02/185019
BiBTeXを使いたい
プリアンブルに\bibliographystyle{}を書きましょう。{}の中をjunsrtにすれば引用順に表示してくれます。
本文には、文章(input{}で始まる各章)が終わった後に、\bibliography{refs}と書きました。
あと、\bibliography{refs}の直前に\nocite{*}を書いて、直接引用はしてないものの参考文献として表示させたいやつを表示させました。
正直、BiBTeXに関しては他のページの説明を見るほうが優秀なので、そちらにおまかせします。
BiBTeXの部分を目次に書きたい
こんな感じです。
\addcontentsline{toc}{section}{参考文献}
私は本文が終わった後、\nocite{*}の直前に↑を書きました。
元ネタはここです。
https://blog.ashija.net/2017/10/24/post-2511/
終わりに
この文章はほぼ先達のリンクからの引用になります。それらがなければ私は卒論を完成させることができませんでした。すべての先達LaTeXユーザーに感謝します。
LaTeXをこれから使う、特に文系の人の参考になれば幸いです。
※卒論制作時の当時の悲鳴と感動がまとまったツイートまとめはこちら→ https://togetter.com/li/1640202